投稿日: 2017/12/08 18:50:00
一般的衛生管理とHACCPの運用には記録が伴う。運営には欠かせないデータだが、紙での記録だと検索や分析といった重要な活動には、パソコンにタイプして入れなければならないので二重手間の上に時間もかかる。とても無駄なコストだ。
一方、スマホは誰でも使っていて、電車内で見てみれば前の座席の殆どがスマホに没頭している状況だ。若い人の必須のアイテムになり、これが無いとコミュニケーションが成り立たない時代だ。
食品工場はパソコン化が遅れていて、未だ紙での記録が中心のところが多い。
コンサル活動の中で記録のパソコン化を常に提案しているが、難しく考えて、すぐに取り組めない。
そこで、スマホ、タブレットの活用をお勧めする。
メールフォームを使う
メールフォームというのは、ホームページでの問い合わせや申し込みに使われているもので、メールアドレスを入れ、住所氏名を入れ、問い合わせや購入物を入れて送信するもので、誰でも使っている。そして、これは自由に誰でも簡単にできる。
これを、まずは試しにCCPの中心温度記録に使ってみよう。簡単なサンプルで。
1.フォームの名前を例えば「加熱後中心温度CCP」とする。
2.まず、作業者の選択を設定。これは、温度測定をする全ての人の名前を登録し、クリックして選択するようにする。
3.次に、測定する場所を選択。例えば、フライヤー、オーブン、スチコン、蒸煮、といった調理機器を登録して、選択できるようにする。
4.そして、測定したアイテムを選択。
ここまでは、クリック→選択、だけで済む。例えば、自分の名前を選択し、オーブンを選択し、ハンバーグを選択する。
5.このあと、測定した温度数値を入れるタイプ窓を作る。例えば「78.3」と入れる。
各欄にはコメントを入れられるので、例えば「75〜90℃の間」と入れることも出来る。
そして「送信」ボタンを押して終わり。これだけだ。
送信したあとどうなるかというと、時間が最初に入ったデータがスプレッドシート(エクセルの表)になって自動的に記録される。
記録はクラウドに登録されるので、そのアドレスをパソコンやスマホに登録しておけば、いつでも見ることが出来るし、そのシートからグラフにして傾向を見ることも出来る。
低価格のタブレットはいくらでもあるし、とりあえずは自分のスマホでテストをして効果を試してみるといい。
実際に使っている例を、時間と名前を外してあげた。
解説は利用しているシステムで「メールフォームの作り方」で検索する。例えばGoogleでは<https://www.google.com/intl/ja_jp/forms/about/>に無料での使い方の解説がある。
このシートはいくらでも造ることが出来る。また、得意先がこのデータを見られるようにするのも簡単だ、アドレスをアクセス許可すればいい安全と信用に繋がる。
ある程度のレストランやホテル、特に外資系のホテルでは何らかの形でHACCPの構築がないと食材を仕入れないところが急速に増えているが、HACCPの構築とこの仕組みで顧客を急速に増やしているところもある。