投稿日: 2015/12/04 2:16:46
X線のあと金属探知機で引っかかった特殊な例
さて、それなら、顧客安心ではなく、科学的な検証で、X線を入れたら金属探知機はいらないのだろうか。
この問題について、機会あるごとにヒアリングをしていたら、1件だけX線を通ったあとに金属探知機に引っかかった例があった。
出て来た異物はごく小さいアルミ箔片だということだ。
両方の検査機を通った際の異物の方向、この例で異物は薄いので、検知の際の異物の方向によって検知精度が違うことになるのと、両装置の検知精度と設定の違い、この両方の状態の組み合わせでこうなったと思われる。特殊な例なのかもしれない。
X線を2台通過させる検査
牡蠣やホタテのむき身をパックしている工場では殻の混入が問題になる。
殻の破片は、ころっとした形ではなく、薄い破片だ。上から見れば直径数ミリでも、横から見たらカミソリのように薄い。
むき身にしたあと、十分に洗浄して異物を落とす。殻の破片もこれで落ちるはずだが、鋭い刃状になっている破片が貝の身に挿し込まれた状態だと落ちない場合もある。
これがX線検査で面の側から検査すれば検知するだろうが、横になっている場合、ごく薄い切片なので検知できないことも実際ある。
そこで、X線を2台通過させる検査をしている工場がある。
最初のX線を通過させて出てくるコンベアのあと、次のX線を、直列だが、数センチ下の位置に設置しておく。
最初のX線を通過したあと、コンベアの端から数センチ下に落ちるのでむき身はクルッと転がり落ちるので、方向が変わる。貝殻の切片の方向も変わるので、検査方向も変わり、検知する確率が高くなるわけだ。実際この2台目で検知できる。