投稿日: 2015/11/28 8:27:02
石、骨、プラスチック、木片など金属以外の異物検知にはX線が威力を発揮する。
導入費用もこなれてきて、小型にもなってきた。
そこでX線検査機を導入するに際して、従来から使ってきた金属探知機をどうするかを検討しなければならない。
X線でももちろん金属を検出する。それなら金属探知機はもう不要なのか? ということになる。
慎重を期すために、金属探知機も併用するか、それとも無駄ならば運用コストを考えて金属探知機を除去してもいいのではないか、と、悩むところだ。
金属探知機を残すことになった例もある
食肉関係のある工場で、従来の金属探知機では検知できない骨の検出に、X線検査機の導入を計画した。とりあえずデモ機を1ヶ月ほど借りてどの程度検出できるかをテストした所、十分に検出できることがわかった。
そこで購入に踏み切ったのだが、金属探知機をどうするかが問題になった。
問題は、X線で検知しなかった良品が、金属探知機で検知するようなことがあるのかということだ。
そこで、X線のあとに金属探知機を直列につなぎ、この2つの検査を1つのCCPとしてしばらく運用してみた。
1年間の運用期間の中で、X線で検知しなかったあと、金属探知機で検知した例は1件も無かった。
ということは、金属探知機は不要と判断できる。運用コストもなくなる。このデータを検証結果として記録していれば、ISOの審査にも対応できる。
ところがここで別の面から問題が出て来た。
安全確保の管理、HACCPの運営については、個人ではない組織の顧客に対して、システムの変更については通知することにしていて実施したのだが、一部の顧客から不安の声が出て来たのだ。
「不安なので、金属探知機も付けておいて欲しい」という要望だ。
結果、顧客安心度への対応ということで、金属探知機はこのまま残しておくことにした。HACCPの安全管理は営業と密接に絡み合う。
こことは別な工場では、X線だけで問題ないとわかったので、金属探知機を無くしたところもある。
今のところ、幾つかの工場のこの状況への対応は、多くは金属探知機を無くす、という事例のほうが多い。