投稿日: 2014/03/29 2:03:30
リスクを低くするために、作業効率が悪くなることもある。
しかし、反対になることもある。作業効率を改善した結果、リスクが下がれば一番いい。
問題が発見され、改善策を検討すると、複数の方法が出て来た、ではどれを取るかということになると、リスクが低い方がいいに決まっているが、かなりの投資が必要になったり、あまりにも作業効率が悪くなる場合、作業効率とリスクのバランスを考慮して方法を決めることになる。
リスクをゼロにすることは不可能なので、効率とのかねあいも含めて検討することになる。
段ボールを何処で組み立てるのかの事例
ある惣菜工場で製造動線とゾーニングの検討をしたところ、製品のパックをする作業室で、段ボールの組立と箱詰め作業が行なわれていた。
そこで、パック作業のあと、金属探知機を通したあとのところにビニールカーテンを入れてゾーニングすることにした。こうすれば段ボールの埃や紙粉でパック作業場所が汚染されない。リスクが減ることになる。
次に、組立前の段ボールの置き場所は隣の倉庫にあり、これを持ち込むのに製造動線を逆行するので、これを改善出来るかということになった。
このままでも問題はないのだが、大きく回って持ち込むことになるので、段ボールを持ち込むゲートを造ることにした。これがあるとキャスターで作業者が持ち込む距離がかなり短くなる。作業者の一歩は0.6秒といわれているので、このゲートを造ることで、かなりのコストダウンにもなる。多少の投資で作業効率のアップとコストダウンの両方が出来るわけだ。
これを実施するに当たって、それなら段ボールの組立はどっちでやるか、という検討になった。箱詰め場所の横でやると、組立作業での紙粉が出るから、リスクが増える。倉庫側で組み立てると紙粉のリスクは減るが、倉庫側で箱になるので、容積が増え、一時的な置き場所と、容積が増えたのをキャスターで箱詰め場所まで運ぶという作業が増えることになる。
箱詰め場所の横で組み立てれば効率はいいが、リスクが高い。
倉庫側で組み立てれば効率は悪いがリクスは低い。
結局、倉庫側が狭く、こっちで組み立てるには更なる投資が必要だと分かり、箱詰め場所の横で組み立てることになった。金属探知機のところでパック作業側とビニールカーテンで仕切られているので、問題はないという判断だ。