食肉処理業者対象 HACCP義務化へ厚労省

投稿日: 2016/09/16 1:43:41

緊急記事情報(抜粋)

厳格な国際基準適用 食肉処理業者対象 畜産農家の影響注視 HACCP義務化へ厚労省 2016/09/10 日本農業新聞

厚生労働省は9日、危害分析重要管理点(HACCP)の導入義務化に向けた対応を検討している有識者会議で、牛肉、豚肉など食肉処理業者には全て、厳格な国際基準を適用する考えを示した。

HACCPは、食中毒や異物混入を防ぐため、加熱など食品製造の重要な工程を記録する衛生管理方法。厚労省は原則、食品の国際規格を定める国際組織・コーデックスの基準に沿う「A基準」の導入を進める一方、中小零細業者向けの「B基準」も設け、柔軟な対応も認める。それらの線引きも焦点の一つだった。

厚労省は食肉処理施設に「A基準」を義務付ける理由として、大規模施設の割合が多いことを挙げた。牛では年間処理頭数1万~2万頭の施設が4割を超え、鶏は30万羽超を処理する大規模施設に仕向けられる割合が97%に上るなどと説明した。

一方、同省の昨年4月時点の調査では、国内の牛処理施設のHACCP導入率は2割で、3年以内の導入着手予定を含めても約半数にとどまる。

20日の次回会合からは、年内の取りまとめに向けて、義務化の範囲や方法などをまとめる報告書の議論に入る。負担感のある中小零細業者が導入できる方法も課題だ。

写真はフーズデザインから