ISO22000のやさしい解説

投稿日: 2012/12/28 5:33:49

異物混入と食中毒を防止するためには、一般的衛生管理が大切

HACCPシステムは、土台となる一般的衛生管理とともに運営されます。工場や施設設備に、ゴミや細菌が少なくするために、清掃、洗浄、消毒、あるいは従事者からの毛髪や食中毒菌の持ち込みを少なくします。

こうすると、工場や厨房内がきれいになり、異物混入や食中毒の危険性が低減します。

しかしこれを実施しても、まだ、わずかな異物や食中毒菌が残っているので、とどめを刺すために、加熱調理食品ならば、ほとんどの食中毒菌を死滅させることが出来る75℃以上に中心まで加熱し、金属異物混入については、金属探知機を使って検出します。

このとどめを刺すことがHACCPなのです。

ということは、一般的衛生管理をしっかりやるほど、HACCPの効果が上がることになります。逆に、一般的衛生管理がされていない場合、HACCPをやっても危害やクレームはなくならないのです。例えば、毛髪が入ってしまった食品を加熱殺菌しても、毛髪は無くなりません。食べたら怪我をする可能性のあるプラスチック片が食品に入ってしまったら、金属探知機を通しても出て来ません。

一般的衛生管理構築のポイント

工場や厨房内をきれいに保つために重要なものは、工場内をきれいにする清掃洗浄と、中に入る従事者がきれいな状態で入る方法です。そのためのポイントをいくつかあげてみます。

1. 清掃しやすくする

製造に不要なものを無くし、機械や作業台の下、壁際などに汚れがたまらないようにし、汚れにくく、清掃しやすくします。

2. 効率的に清掃出来るようにする

これからの清掃洗浄は泡を使った洗浄(フォーム洗浄)になっていきます。泡をまき、汚れを浮き出させ、流し、水切り乾燥させます。

3. 湿度を下げる

カビや細菌増殖は、湿度が高いことも原因になります。湿度43%以下に、毎日3時間以上保つことで、カビの増殖を抑えることが出来ます。扇風機や除湿機を使って、湿度を下げます。

4. 虫の侵入を防ぐ

扉やシャッターのすき間から虫は進入してきますから、バーブラシやすき間詰めなどで塞ぎます。また、扉を開けたらすぐ閉めるといったルールを実施します。

5. 従事者の入場方法を確立する

入場での最良の手順と方法を定めて、確実に実施するようにします。異物や食中毒菌は従事者が持ち込むことを全員が認識することが大切です。

6. 高機能のユニフォームと帽子を使う

毛髪が落ちないようにプロテクトした帽子、ゴミや埃が付きにくくてしっかりしたユニフォームにします。

7. 五項目でしっかり運営する

五項目とは、内容、頻度、担当、確認、記録、です。

8. 教育と認識

毎週1回などの頻度を決めて、1回の教育で1つだけを教えることにすると、集中できて、実施と定着につながります。

ISO22000の時代に入る

品質マネジメントのISO9000と環境マネジメントのISO14000の2つの重要なマネジメント規格に、食品の安全性が重要になってきたためISO22000「食品の安全マネジメントシステム」が加わりました。

一般的衛生管理とHACCPの運営を確実にするために、マネジメントと監査を行なう。

それがISO22000です。

不正やミスが無く、問題があったらそれが二度と起こらないようにし、常に改善進化させていくようにするためには、マネジメントと監査が必要になります。

そうすることによって、一般的衛生管理とHACCPがより確実になるのです。

マネジメントを簡単に言うと、間違いなく運営される方法にする、ということになります。

いったのにやっていない、問題が見過ごされている、知らなかった、などが無いようにするためには、報告、連絡、相談(ホウレンソウ)が大切です。

マネジメントとは

目標の達成状況(例えば、機器の洗浄で、汚染が限度内か)を、解析し(例えば、ATP測定数値が、規定以下か)その担当の管理者なり経営者が、確認して、コメントを出す(改善指示なり、OKなり)そして、改善指示の場合には、改善をして、再び以上の報告連絡確認を行なう。

監査とは

一般的衛生管理と、HACCPシステムが有効に機能していることを検証するために内部監査と外部監査を実施することです。

監査項目は例えば

製造作業動線が、汚染→準清潔→清潔→準清潔→汚染、となっているか?

食品材料、製品を直接床に置かない設備と方法になっているか?

清掃しやすい対策がされているか?清掃洗浄の資材は適切か?

食品が直接接触する面の洗浄に特に注意を払っているか?

食品がむき出しになっている上や周りに異物混入元など危険なものが無いか? などといったものです。