投稿日: 2013/05/20 5:51:22
着用する前、更衣室にはいる前は、車の中のごみ、自転車なら風の埃、バス電車の塵などで汚染されている。毛髪も何本かは抜けていて、毛髪の中に引っ掛かっているだけの状態だ。そこで、更衣室に入る前に出来るだけそれらを落とすと安心だ。
入り口から更衣室にはいるまでの廊下や階段に、各自のブラシでブラッシングしたり、その後荒くで良いので粘着ローラーをかける。これで更衣室に持ち込む異物や毛髪が激減することになる。更衣室の異物毛髪が減れば、それだけ危険性が減ることになる。
ユニフォームやキャップをかぶったまま休憩室に入ると、休憩室に毛髪が落ち、それがユニフォームとキャップに付着して、作業室に入ってしまう。畳の休憩室だと、ごろごろ転がって寝ころんだりしているので、より危険になる。転がってはいけないなどといえないので、こういった場合、休憩室に入る前に、入り口の壁などにハンガーを設置して、これにユニフォームとキャップを引っかけてから入るようにすればよい。
もう一つよく行われている方法は、キャップを脱がない、というルールだ。休憩時に脱ぐから落ちるのであって、いったん被ったら、終業まで脱がない方法である。これでもうまくいくが、蒸れる、かゆくなるという問題も残る。
手順を合理的に考えることによって、手順のみで危険を減らせればよい。例えば、長靴を手で洗浄して入る場合ならば、長靴を手洗浄することで手が汚染されるし、かがむので、毛髪が落ちる可能性が少しはある。この場合ならば、長靴洗浄→ローラー→手洗い→消毒 となる。
長靴洗浄機が設置されている場合で、手すりを使う場合ならば、上記の手順が良いが、手すりが無い場合、手は汚染されないので、ローラーと手洗いの後でも良い。
ローラーと手洗いだが、ローラーをかけることによって、ごみや埃が手に付着することになるので、ローラーの後に手洗いを行なったほうが良い。手洗いの後にローラーをかけると、せっかく手洗いをしたのに、ローラー掛けでまた汚染してしまうことになる。
サニタリールームや長靴の置き場によっても制約があるが、長靴は出来れば製造室から出るときにきれいにしたほうが良い。製造室で長靴は汚れるが、退場の時にきれいに洗浄する。機械で洗浄しても良いし、手洗浄でも良い、どちらにしても手が汚れても退場時だから問題無い。
水切りまでしてきれいになった長靴を入り口のところに置く。乾燥させるために、扉の無い開放式の置き場にすると良い。これは同時に一般的衛生管理のチェック時、全てのの長靴がきれいになっているかどうかがすぐにわかるというメリットもある。
入場時には、きれいになっている長靴を履いて、そのまま入ればよい。
使い方に寄って効果が違ってくる。
ローラーをかけないで、ただ単にエアシャワーを使うだけだと、あまり効果が出ない。シャワーを通ればいいんだという安易な認識で使うようならば、更に良くない。シャワーは、しっかりとーラーをかけた後、更なる仕上げとしてかけると、効果的だ。
自動式でなく、手で製造室側のドアを開ける機種の場合、エアが止まってすぐ開けて出てしまうと、まだ埃や最悪毛髪が舞っているときに開けることになり、埃や毛髪を製造室側に、エアシャワーが押しだすことになってしまう。
このような場合「ゆっくり二つ数えてから開ける」という注意事項を貼っておくと良い。自動式ならそのようにセットする。なぜなのかをもちろん教育して全員に理解させておくことはもちろんだ。
手洗いはエアシャワーの前か後か?
手洗いまでしてからエアシャワーに入ると、エアシャワー内の埃で手が汚染される危険がわずかにある。しかし、手を洗わないでエアシャワーに入ってしまうと、製造室の境目まで一番問題の手の汚染を持ち込むことになってしまう、これも問題が大きい。どちらの方が危険が少ないかを考えたら、やはり手を洗ってからエアシャワーに入るほうが良いだろう。
完全にするには、手を洗ってからエアシャワーに入り、エアシャワーを出たところでまた手洗いをすることだ。エアシャワーを通ってから、準清潔と清潔の両方のゾーンがある場合、清潔ゾーンに入る従事者は、ゾーンに入るときにもう一度手洗いする、という方法もある。
エアシャワーの時間設定は長い程よい。しかし長いと入場の時間がかかってコストアップにつながる。何秒が良いかは、秒数とクリーン度の検証をしなければならない。5秒、10秒、15秒、20秒、などの時間と、一日使用した後のエアシャワーに残った粉塵の関係を検証する必要がある。結構大変だ。このデータは、エアシャワーにメーカーに無いか聞いて、それも参考にすると良い。
先日、食品ではなく、精密機械の製造工場に行った。食品よりも二桁高度なレベルである。この製造室に入るには、もちろんエアシャワーを通るのだが、シャワーの中に粘着ローラーが設置してある。エアシャワーの時間は20秒で長いのだが、この時間の間、ローラーをかけている。
この方法だと、エアシャワーが動いている間粘着ローラーをかけられることになる。
そこで、もし粘着ローラーをかける時間が20秒で、エアシャワーの時間が10秒だと、30秒の時間がかかることになる。しかし、エアシャワーの中でローラーをかけるのならば、20秒で両方が出来ることになる。どうせなら30秒シャワーにしてゆっくりと粘着ローラーをかけたら更に効果が上がることになる。ローラーをかけるには腕を上げたり手を背中に回したりすることになるので、シャワーの効果も上がるかもしれない。ローラーのはぎ取りは、入場者がやるか、選任がやるかなど、方法は考えるとして、この方式は一考する価値がある。
低誘虫機能、UVカットなど、虫の混入対策などの対策が出来る照明が豊富に出て来ている。以前は照度が落ちて使いにくい面があったのだが、最近のは照度がほとんど落ちない機能になっている。
低誘虫機能の照明を、外との境目の照明に使うともちろん効果はあるが、更に、内部製造室に全て使う方法もある。内部製造室で使うと、わずかに入ってきてしまった虫には低誘虫照明は見えない。そこに誘虫捕獲機をたった一台使うと、虫にとっては捕獲機の光しか見えないことになるので、捕虫能力が最大になることになる。
これらは、冷蔵庫の扉と併用すれば、保温性が増すし、電気代節約効果もある。外との境目に、シャッターと併用すると、防虫防塵効果が高まる。ドッグシェルターを設備的あるいは費用的に設置できない場合などにも活用できる。ゾーニングは隔壁で仕切るのが完全だが、作業効率や費用の関係でそうは出来ないことも多いので、そのような場合に活用出来る。普段は開けておいて、必要なときに遮断するとか、反対に、普段は閉めておいて、必要な時に開けるなど、ゾーニングと清掃を安全にしたり機能的にしたりするのにも活用できる。