1065号:加熱と冷却の温度・時間管理8

枝肉の冷却不足によるドリップ変色問題

米国やオーストラリアの牛のと畜では、枝肉にしてから冷蔵庫で冷やし、表面温度6.9℃以下をCCPにしているところが多い。この温度はサルモネラ菌が増殖を急速に増やしだす温度だ。

日本でもこのCCPを参考にしてそのままCCPにしているところもあるが、これですべての製品(枝肉)に問題がないかというとそうでもない。

米国やオーストラリアの枝肉は日本の枝肉よりも小さく、24時間の冷却で中心部まで問題がないレベルまで冷やすことが出来る。

しかし日本の枝肉は(バラツキは大きいが)大きく、特に和牛は米国の枝肉と比較したら1.5倍以上にはなってしまう。

ということは、同じ24時間冷却しても、中心部まで十分冷えていない状態になることが多い。

実際に測定してみても、8℃以上になっているときもある。

ではどうなるか…… 次週へ