CCPとOPRPの違い

OPRPはISO22000だけにある概念、要求事項だ。

しかしこのOPRPは安全対策で非常に重要になるので、ISO22000の運営以外のHACCPでも取り入れたほうが良い。

一言でいえば、CCPは製品の安全に直接寄与する管理、OPRPは間接的だが大きく関与する管理、となる。

加熱調理で殺菌する製品で見てみよう。

惣菜で、揚げる、焼く、蒸すといった製品、ハムソーなどの加熱燻煙製品、牛乳や多くの液体で加熱殺菌する製品など、多くの製品では「中心温度75以上」「1303秒」という形のCCPで管理している。

これは、この温度まで加熱すれば食中毒菌を死滅させる事ができるからだ。

これに加えて加熱調理製品では、加熱後の冷却のスピードを素早くすることが重要だ。のんびり冷却していたのでは、冷蔵温度に至るまでの間に細菌の急速増殖温度帯(10〜50程度)に長い時間置かれてしまうからだ。

そこで、この対策のために、真空冷却機やブラストクーラーといった急速冷却工程を通す製造方法は多い。この急速冷却をOPRPにしている所も多い。

この急速冷却は、製品の殺菌にはならないが、増殖をできるだけ少なくするという重要な役目を負っている。直接殺菌できないが、細菌増殖を抑える。製造環境で間接的だが、安全性に大きく貢献しているのだ。

では、同じ冷蔵でも、原材料や製品の冷蔵保管はどうなのかというと、食材や製品の安全性を保つために寄与しているが、大きく、とはいえない。安全性をできるだけ維持、といったところになる。だから製造環境を良くするPRPになる。

さて、加熱製品に戻って、加熱殺菌したあと、急速冷却し、パッケージまでの工程を考えてみよう。

加熱殺菌したら製品は安全になる、食中毒菌は死滅させているからだ。ところが、この例キャからパッケージまでの工程で、バット、トング、ソーセージなら切り離すハサミ、それを一時的に入れておくコンテナ、扱う手袋の表面などが汚染されていたら、せっかく加熱殺菌したものをわざわざまた汚すことになってしまう。

そこで、この加熱後からパッケージが終わるまでの工程を、他の工程に比較して著しくきれいにしなければならない。ここをOPRPにする。

具体的には、この工程の作業を始める前に、その場でわかる拭き取り検査、ATP検査やスワブ検査をして、合格したら作業開始しても良い、とする。

その場でわかる、というのは、すぐに分からず、2日もたってから汚染されていたとわかっても、製品はもう出荷している製品が多いからだ。

では、この工程以外、例えば加熱殺菌前の下処理や味付け工程などはどうなるかというと、もし汚染されていても、その後の加熱殺菌工程が控えているから、安全は確保されることになる。

つまり、加熱殺菌前はすべてPRPで、目で見てきれいなら良い(ただし時々検査してATP検査なら1000以下)。加熱殺菌工程はCCP。そのあと急速冷却からパッケージな終了するまでの重要清浄箇所はOPRP(ATP検査なら500以下と厳しくなる)。ということになる。

PRPは製造環境のほとんどなので数は多い、OPRPになるほどの重要なところはそれほど多くない。CCPは1ヶ所からせいぜい3ヶ所程度だ。