床の改修

塗り厚

床は食品工場の改修の中でも最も重要な部分だ。

床のクラックは、コストを節約して塗り床を薄く塗ってしまえばすぐにクラックが始まってしまう。ある工場では3ミリの規定なのに安く何とかしようと、半分の厚さ程度にしてしまったため、一年もしないうちにかけ始めてしまった。薄いと、床との接点が波打ち、特に薄い部分があちこちに出来てしまうため、そこからクラックが始まるのだ。

塗り床の塗り厚は、3ミリ厚の規格だったら、5ミリ程度まで塗ると良い状態になる。

平滑性と斜面処理

施行は、平滑性と斜面処理で高度な技術が要求される。

平滑製は波打たないようにすることで、クラックの原因を造らないことにつながる。

斜面処理は排水がうまくいくようにするために重要だが、あまり傾斜が強すぎると製造作業やキャスターの移動がやりにくくなる。

傾斜を弱くしても平滑製が満足していなければ水たまりが出来てしまい、排水がうまくいかない。これは除湿がしにくいことになり、カビの発生につながってしまう。

水たまりが出来るのならワイパーで水切りすればいいが、これは洗浄作業の手間がかかり、コストがかかることになってしまう。洗浄したあと放っておいてもきれいに排水されれば、作業のコストダウンにつながる。

施工は高技術者に依頼

傾斜の角度は一般的に1/75程度が適切と言われているが、もう少し緩くして作業性をよくすることも出来る。しかし技術がなければかえって問題を造ることになる。

床施工の高レベル技術者は沖縄出身の人が多い。これは終戦後沖縄に基地を建設するのに、床の施工についてハイレベルな要求をしていたため、この技術が今にも伝承されているところから来ているようだ。

改修の依頼時に、床施工をハイレベルで出来る人を最初から頼むことが出来るかどうか聞いてみたらよい。著者が過去何回かの機会に聞いてみたところ、わかっているところと、全く知らないあるいは考えていないところと両極端だった。

性能と選定

床材の性能は、耐水、耐熱、耐酸.耐アルカリ、耐滑、耐衝撃、耐摩耗と、選定が必要になる。性能と機能によって、コストも違う。発注者側は知らないことも多いので、専門家(メーカーの技術者)によく相談すべきだ。

あるベーカリー工場では、パンのドウを練り、それを機械に投入するまでのルートは、重いキャスターが常に通るので、ここの床は最高性能のステンレス床にした。そしてそれ以外はスニーカーを履いた調整者が時々通るだけなので、低価格の床にした。この組み合わせによって、コスト調整が出来た。

排水溝を少なく

排水溝周りからクラックが始まる事が多い。そして、常に水を大量に流している工場はほとんど無く、たいていは作業終了後の洗浄を排水するためだけに使う。従って、排水溝は小さく少ない方がよい。

幅木

幅木は、中が空洞のものは、古くなると細菌や虫の発生源になることがある。弾力があるのは塗りがはがれる。頑丈な構造のものを使ったり、幅木を先にしてから塗り床工事をすると滑らかに仕上がる。


著作:株式会社 フーズデザイン 加藤光夫