素朴な疑問いくつか(登録08.6.28)
写真はイメージです

「休憩時のタバコをどうしたら?」

ある工場では、休憩室の一画に喫煙室を設けて、喫煙者はその中に自分のタバコを置き、中で吸うようにしていた。ある厨房では、休憩室が狭いので、外で吸うルールにしていた。雨が降ったり、冬などは寒いが、吸いたければ我慢すればいいということ。屋上に喫煙場所を設けている工場もあった。工場内に喫煙場所を作っても、タバコの臭いがこもり、その臭いを付けたまま工場内に入るのか? ということで、風通しがよい屋上にしたわけだ。
この3つの例は過去形で書いたが、今では全てが禁止になっている。吸う為には、着替えて、外に出て、自分の車の中にでも行って吸うしかない。工場周囲もゴミ問題で禁止だから。
タバコの匂いは、いくら気を付けても作業衣に付く。作業衣を脱いでも、顔、頭、それに食品を触る指に付く。タバコの匂いを付けた状態で作業室に行き、それで食品を扱う、というのは問題だ。落ちた灰など、ゴミが出るわけなので、異物混入の危険もある。吸う本人の健康上の問題は当然。
タバコは禁止にするべきだ。

「外からの汚れたパレットが工場内に汚染を持ち込む、どうしたら?」

原材料保管庫に持ち込んだあと、使う時に箱だけ持ち込むのがよいが、もしパレットごと下処理機械の前まで持ち込みたければ、下処理室入り口に近い機器の前まで持ち込むのも仕方ない。
この状態を、それでもダメ、と、指摘する監査者も居る。理想的にはそうだが、業界全体ではまだまだ木の壊れかけたパレットが流通している状況なので、すぐには対処出来ない。
次第に問題のあるパレットが少なくなっているのは事実なので、そのデータと、「プラスチックパレットへの移行のお願い」とか「汚れたり壊れかけたりしたパレットは廃棄するか修理をしよう」といった呼びかけ活動を行なって、この活動事実を監査者に記録を持って説明するしかない。あとは時間が解決して行く。

「一般生菌の国のガイドラインは10の5乗だが、自社基準では10の三乗でやっている。もしこれで10の3乗を超えてしまった場合、問題が出る?」

自社基準でも、文書化し、公表しているのならばもちろん問題になる。厳しい基準を自主的に決めているのは良いことだが、それを超えてしまえば、自分が決めた基準を自分で守れない、というみっともないことになる。
このような場合、不安定ならば、政治的に「10の4乗以下」にすればいい。そして営業トークの中で目標を話すようにしたらどうか。

「包丁とまな板を洗浄したあと、殺菌庫に入れよう計画したら、数百セットなので、大変な費用になってしまう、何か良い方法は?」

冷蔵庫に入れれば良い。グラインダーや小型のスライサーなど、取り外して洗浄出来るようなものも同じで、バットなどに入れて冷蔵庫に入れる。細菌増殖しないし、乾燥もする。使う時に冷蔵庫から出して組み立てれば、良く冷えているので、食品に対しても良い。

「照明を非飛散タイプにしろと良く言われる、明るくして異物発見しやすくとも良く言われる、低誘虫タイプにしろとも良く言われる、どれもよくわかるが、何か良い方法は?」

最近出て来た蛍光ランプカバーは全てに対応出来る。
片面がミラー、片面が低誘虫に光の波長を調整するフィルムのチューブに通すと、照度アップ、低誘虫、そしてチューブに入れるので飛散防止になる。蛍光灯の長さが色々あるなら、ロール状でも買える。製品名「ルミキャップ」

「HACCPをやっているのだが、国や自治体の対象外の製品で、かといってISO22000の認証費用までは出せない、しかしHACCPの実施を安全対応活動として公表したい、何か方法は?」

HACCPは「方法」なので、HACCP方式で安全管理をしている、と、公表すれば良い。そして、このような方法と記録システムで自社工場では運営しているという具体的な内容を、資料なり、ホームページで公開する。
実際にHACCPをやっているかどうか、分かっている人が見ればすぐに分かる。

「和式のトイレだと衛生管理が問題だから、洋式に変えろと、自治体の担当者に言われた、しかしかなり費用がかかる、変えなければダメ?」

HACCPの管理は、施設設備では無く、方法。したがって、HACCPの実施について、施設設備を変えなければならないという要求はしてはならない。和式のトイレでも、使い方、手洗いなど、方法で対応すればよい。

「工場の作業室と作業室の間にトイレがある、問題だとよく言われるが?」

これは問題がある。トイレは大腸菌やノロウイルスの元とも言えるので、それが作業室の間にあるのは、危害の発生源が製造場所の横にあることなので、使わないようにした方がよい。「緊急用」などとした上で、事務所や作業場以外の場所にあるトイレを使うようにした方がよい。

「原材料をチェックする場所の担当者が、マスクをすると、臭い、風味が分からないので、しない方がよいのだが?」

こういう場合、しない方が原材料の問題点が発見出来るので、この場所の担当者だけしなくてもよい。その方が安全性を確保出来るのだから。
作業場所と内容によって、安全を確保出来る最大の方法を採用すべき。


著作:株式会社 フーズデザイン 加藤光夫