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食肉の危害についての簡単な解説


O-157

 

Q:O-157は大腸菌が突然変異したものではないかというのが最近の一般的な見方です。大腸菌というのはどこにでもいるものなのですが、これが何かのきっかけで、人間に危害を加えるようになったようなのです。1982年に米国で確認されました。

O-157は牛などの大腸の中にある程度います。牛の千頭に2頭ぐらいはいるという報告もありますが、もっと多いという報告もあります。これが屠畜の時に、大腸から出て、肉に付着して消費者の口にまで行ってしまうと食中毒になります。しかし最近は動物の腸の中だけでなく、一般的にいるようになったようなのです。米国では夏になると川や湖での水泳でO-157の被害が出ています。

消費者はO-157の報道で危機感を持っていて、どのように食品を扱ったらいいか、不安がっていますが、被害が無いように、日本でも、海外でも、屠畜場や食肉センターではHACCPというシステムを導入して、事故が無いような対策をとっています。

消費者に対しては、安全な肉を作るようなシステムを、国、企業がいったいとなって作っている点を説明するのと、最終的に調理するときに肉を十分に加熱すれば全く問題がないことを教えてあげることが必要です。

 

 

口蹄疫

 

Q:口蹄疫は、牛、豚、羊などの、蹄(ひづめ)のある家畜がかかるウイルス性の伝染病です。伝染の速度が非常に早く、これが伝搬をした場合、国全体の広い範囲が被害になることが多く、恐ろしい部類に入ります。

台湾で起った後、すぐに日本への輸入を禁止しました。同時にそのとき既に日本に入っていた台湾の豚肉は、すべて市場に出ないように処置をしました。このため、台湾の豚肉は市場には出ていません。さらに、台湾に近くにある沖縄の島々では、自主的に島で飼育していた豚を処分したり、徹底的な防止対策をとっています。口蹄疫に汚染されている国は国際的に発表されていて、それらの国から豚肉は入れられません。日本はもちろん無毒地帯です。ですから、口蹄疫にかかった豚肉は日本にはありません。現在厳重に注意しているのは、台湾などの汚染地帯に入った旅行者が日本に帰国をして、そのまま例えば牧場などに入らないように、旅行者に注意を呼び掛けています。

口蹄疫にかかった豚肉を万一人間が食べた場合ですが、人間にはほとんど影響しないのです。しかし、汚染された肉が入るのは、伝染力が強いので、日本国内に入らないように厳重に注意しているのです。

 

 

豚コレラ

 

Q:口蹄疫に加えて、ヨーロッパでは追い撃ちをかけるように、豚コレラが出ています。ドイツ、オランダで発生をしていて、94年の4月中旬にはスペインにも出ました。この病気はウイルス感染で起ります。伝染力はとても高く、死亡率も高く、家畜にとって危険な病気です。

豚コレラウイルスは人には感染しません。しかし、これにかかった豚は二次的にサルモネラ症などになることもあります。また、感染した肉や内臓などを通じてウイルスが広がるために、発生した場合は厳重な消毒が行われます。感染した豚は当然廃棄されます。

ヨーロッパでは豚肉の消費が多いので、これが発生したことで、一般的に食べられている豚肉加工品の原料もなくなって困っています。ヨーロッパでの大きな豚肉の生産国であるデンマークは出ていませんから、デンマークから豚コレラの発生国に豚肉の供給がされています。デンマークからは日本にも豚肉をかなり買っているので、この影響が出始めています。影響は価格的なものですから、品質には問題はありません。

 

 

狂牛病

 

Q:狂牛病というのは、プリオンというアミノ酸によって伝わるといわれています。これはたんぱく質なので、病原菌、ウイルスとは違うタイプのものなのです。この病気はもともと羊にあったのですが、羊から出た原料を牛の飼料に入れたところから、この病気が牛に移ったといわれています。プリオンが入ると、入った牛の脳の細胞を汚染します。一つのプリオンがもう一つの細胞に影響をして、2つになり、それぞれが別々に他の細胞に影響して4つになり、それが8、16、32、という具合に倍々に増えていき、最終的に牛の脳みその多くをぼろぼろにしてしまい、気を狂わせて、死に至らせます。

これが問題なのは、クロイツフェルヤコブ病という病気が人間にあり、症状がこれとそっくりなことと、狂牛病にかかった牛肉を人間が食べると、この病気に人間が移るようだ、というところから来ています。

狂牛病はイギリスで出て、大変な問題になっています。イギリスの学校給食でハンバーグの代わりに、味や色の天で似ているダチョウの肉のハンバーグが出たところまであります。

日本には以前からイギリスの牛肉の輸入は禁止されていて、入っていません。日本にはこの病気はありません。

 

 

サルモネラ

 

Q:サルモネラ食中毒は、欧米では最も発生件数の多い食中毒で、O-157と並んで2大食中毒になっています。食中毒対策の多くはこの2つに対して行われています。そして、日本でも数年前から急に増えてきています。

サルモネラは動物の消化管にいて、肉、卵、ミルクなどが原因になります。また、二次的にすべての人間の口に入る食品やや調理機器から汚染されます。

サルモネラはよく卵の殻に付いているので、生卵を食べるときに気を付けろといわれてきています。これは事実なのですが、日本人は生卵を食べてもサルモネラ中毒にはあまりかからないので、欧米では不思議がっています。しかし、最近のサルモネラは、環境にあわせて変異してきており、卵の黄身の中にいるものまで発見されています。また、動物にストレスを与えるとサルモネラが増える、という研究結果も出ています。

予防には、肉、卵の汚染や、すべての食品に対する二次汚染の防止、食器、調理機器などの消毒が必要です。サルモネラは加熱で簡単に死滅しますので、調理して食べれば問題はありません。

 

 

黄色ブドウ球菌

 

Q:黄色ブドウ球菌は、顕微鏡で見ると果物のブドウのように見えるところからこの名前がつきました。このばい菌は、おでき、にきび、傷などの化膿したところにいます。かなり前ですが、ジャンボジェット機の乗客の半分近くが急性食中毒にかかった大事件がありました。死亡者は出なかったのですが、この原因がこの黄色ブドウ球菌でした。機内食のサンドイッチに入れるハムの作業をする人の中に、ペットのオウムに手を噛まれて傷をしている人がいたのです。この人はバンドエイドをしただけで、ゴムサックをしないでハムを触っていたために、たくさんのハムを汚染してしまったのです。この従業員の傷をマネージャーは知っていたのですが、黄色ブドウ球菌のことを知らなかったので、注意をしていなかったのです。

作業をする人が怪我をしていたり、にきびが多い人がいたりしたら、要注意です。指の怪我なら、作業をしないことです。どうしてもしなければならない場合は、傷口を翌消毒をしたうえに、しっかりとゴムサックをして、さらに十分に手と腕全体をよく洗ってから、さらに消毒をしてから作業室に入って下さい。膿みを伴ったニキビの人は、作業室に入れないことです。

症状は、30から3時間ぐらいで、嘔吐、腹痛がおきます。症状は一過性で、回復は早く、重症になることはあまりありません。

 

 

水(地下水)

 

Q:地下水、井戸水を使う場合は、定期的に検査をして下さい。ばい菌に汚染された井戸水ではたくさん食中毒事故が起きています。その水を飲まなくても、調理機器を洗ったり、ぞうきん用に使ったりするだけで大きな食中毒の原因になります。

10年以上前ですが、出来たばかりの大型のスーパーマーケットで一度に7千人以上の食中毒が出たことがあります。このときはO-26という病原性大腸菌だったのですが、原因は使っていた井戸水でした。井戸水には消毒機が2台付いていたのですが、このうちの1台が故障をしていたのです。この故障を責任者は知っていたのですが、食中毒に対する認識が無く、そのまま営業をしてしまったのです。そしてこの井戸水は生鮮の作業場、またいたなどを洗う水にも使っていたのです。

なぜこの井戸水が汚染されていたかですが、この建物を建てる前、ここには毛皮のミンクの工場があり、ミンクの屠畜と洗浄に水を使っていて、この動物からの菌が蓄積されていたようなのです。

日本で初めてO-157の死亡事故が起きたのも、幼稚園で使っていた井戸水でした。

井戸水を使う場合は、十分に調査をして、大丈夫であっても、定期的に厳しい検査をして下さい。


株式会社 フーズデザイン 加藤光夫

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