西日本のある食肉パックセンターでは、新工場設計の段階で、作業室の温度をどのように設定するか検討をしていた。
当初18℃程度ならどうなんだろうかと考えていたのだが、設備から考えると中途半端な温度ということが分かった、冷房と中温のことが分かったからだ。
そこで、どちらかにすることになったのだが、当然費用的に安く上げたい。その為、作業の内容と食肉の温度からの影響を考えてみた。
製造工程は、
受け入れ場所→冷蔵庫保管→下処理→スライスしてトレイパック→冷蔵庫で締める→段ボール箱詰め→一時保管→積込出荷
ということになる。
それぞれの場所での温度を考えると、
受け入れ場所は、ドッグシェルターで外気と遮断されるので、ここは冷房レベル。
冷蔵庫はもちろん0℃。
下処理室だが、ここが一番微妙なところで、原料の大きなブロックを小分けし、脂やスジを引いて整形する工程だ。
素早く作業を終えればいいのだが、もも肉など結構時間がかかる部位もある。しかし、この工程ではスライスや薄い切り身にすることは無い。だから冷房レベルで良いかな、と当初考えた。
しかしこれでいいのか不安だったので、現在の工場での作業を観察することにした。作業をじっと見ていると、結構早いので、これなら、と安心したのだが、しばらく見ていたら、外したスジや脂肪がそのまま溜まっていき、これだと冷房レベルだと問題になると分かった。
現在の作業室の温度は夏の冷房一杯の状態でも20℃を数度上回ってしまっている。もし新工場で20℃に出来たとしても、床に落ちた脂肪やスジはすぐに拾うようなことが出来ないので、これではダメだ。そこで下処理室は15℃の中温にした。
スライスしてトレイパックする作業室は、肉が最も小さく薄くなるところなので、もちろん15℃の中温。
そのあとの冷蔵庫で締めるところは、もちろん冷蔵庫だが、マイナス5℃ぐらいに設定して、フィルムの裏側が曇らない程度の給食冷蔵レベルに出来るようにする。こうしておけば大量に締める場合にも対応出来る。
締めたトレイパックを段ボールに詰める場所は、もうスライスパック室でラベルも貼られているので、素早く出来る。そこでここは20℃の冷房にした。
積み込むまでの間に一時保管する場所だが、ここにどの程度に時間置かれるかが一番問題だ。
30分程度だろうというのだが、もしここに1時間以上も置かれてしまうのなら、せっかく締めて段ボール詰めした肉の温度が上がってしまう。そのようなことがしょっちゅう起こりうるなら、中温どころか冷蔵庫にした方が良い。
そこで、冷蔵に後から改修出来るようにしておくことにした。
ここでの保管時間がしょっちゅう長くなるようだった場合、冷蔵庫に改修出来るまでの間、逆行してしまうがトレイパックした後閉める冷蔵庫の一部を、パーティションで仕切って使うことにした。短期間なので、問題無いだろう。
積み込み出荷の場所は、その前の一時保管がしっかりすることになるから、20℃の冷房にした。
結果的に、受け入れ(冷房)→冷蔵庫(冷蔵)→下処理(中温)→スライスパック(中温)→冷蔵庫(冷蔵)→箱詰め(冷房)→一時保管(中温または冷蔵)→積み込み出荷(冷房)ということになった。
作業室の温度設定の考え方の一例だが、特に慎重に考えなければならないことは、食品の形、例えば丸かったり、丸太状で、大きかったら、温度の影響は少ない。加工が進んで小さく、薄くなる場合や、最初から小さく薄かったら温度の影響を著しく受ける。この形状と、時間との関係だ。
温度の影響を受ける形状で長時間の場合と、この逆では、全く状況が違ってくる。これらを考慮して温度を設定することだ。