HACCP Q & A 集
A:小暮さんの回答:個人的な見解ですが、私は現在の管理方法についてはチョツト疑問を持っています。色々な工場を見学しましたが大手の食品工場でも薬剤の管理がもう一歩足りないように思っています。つまり、異物混入などの問題とともに、危機管理上も問題点が大きいと考えています。
今のところ工場内に愉快犯などは考えられませんが将来的には、食品や製品の製造ラインなどのそばに異物となる薬剤を置かないことが必要だと思っています。
どうしても置く場合には、その品名や注意などを明記するとともに、管理者を決めて製品の出来高と使用量や残量をキチンと記録してチェックすることが必要だと思います。
このためには、工場で使用している薬剤のリストを作り関連法規や保管方法・管理者を決めるとともに、もしもの対策(食品に混入した場合のチェック方法や間違って食べてしまつた場合の対策)まで用意すべきだと思います。まず、リストアップと成分やMSDSの確認などをしましょう。
薬剤の保管は、施錠が原則だと思います。誰でも薬剤の名前や成分がわかるようにタンクなどに表示することも大切です。ベテランの職員でも、薬剤名と用途は判っていてもその成分や危険性については案外疎いようです。
薬剤の数は少ない方が管理しやすいのは当然ですのでめったに使用しない薬剤、農薬類などは工場内には保管しないなどの方針が良いと思います。 こぐれ
A:フーズデザインでは、元のボトルや容器を一ヶ所にまとめて置き、各製造室で使用する分だけ取りに来るように指導しています。工場によっては持って行くときに、担当者名や量を記録するようにしています。これによって危険物が拡散するのを防ぎます。置き場所は製造作業場所とは違うところにします。ある工場では階段下の小さな部屋、ある工場ではメンテナンス部品も含めた独立した部屋に置いています。この方法だと、在庫も一目でわかり、欠品トラブルもほとんど無くなります。
A:パッケージ資材や、脱酸素剤などの食品パックに入れる酸化防止剤の製造工場もHACCP対応が要請されていて、食品メーカーからすれば当然のことです。
ダンボールや内箱などからの虫の侵入はもちろんですが、パックフィルムの環境ホルモン、脱酸素剤の鉄粉や埃の混入など、食品メーカーにとっては心配なことだらけです。
弊社も、ファーストフードのパッケージメーカー、脱酸素剤メーカーなど、関連工場のお手伝いをしました。
内容は、一般的衛生管理が中心です。
製造動線、ゾーニング、使用するインクなどの管理、埃や虫の侵入防止、製品の汚れ防止、検査方式、従業員の個人衛生など、多岐にわたります。
フィルムでは、環境ホルモンが食品メーカー側の心配になります。
構築方法は、HACCPと全く同じで、フィルムならその製造工程を整理し、それぞれの工程ごとに危害分析(例えば原材料の保管時の温度や異物の混入)をし、その対策(例えば温度チェック、サニテーションの方法と頻度、確認など)方法を構築し、チェックリストを付け、検証をし、記録を整備する、といった方法です。
建設については、製造工程を書き、ゾーニングを検討し、動線とゾーニングの欠陥があればそれを改善し、管理方法を決め、といったことになっていきます。
そして、施設設備のハード面と、ルールや衛生管理などのソフト面を組みあわせて構築します。02.2.14.
A:建物に窓を設置する必要性は建築基準法による排煙設備としての設置と、消防法による侵入用の開口部としての設置の二つが考えられます。
耐火構造上物に設置する窓の性能は隣地境界の離れにより乙種防火戸が必要になる場合があります。
食品衛生上の観点から窓の性能を考えますと、日光の侵入を防ぎ且つ作業所内側に発生する結露を防ぐ必要性があると考えられます。
又、当然開く窓には網戸の設置が必要となり、予算が許すならばステンレス製の網戸を使われるとよいと思います。
前期の理由により私はいつも窓にもうけるガラスの代わりにアルミの断熱パネルを使用いたしました。
御社の計画している建物規模、改築内容及び生産条件等が不明なのでその程度の回答にとどめておきます。
建築の専門家が入られていると思いますが、建築基準法の特例の利用又は、機械排煙の利用などによって回避できるならば、窓の設置は極力やめた方がよいと思います。
フーズデザインコンサルタントメンバー、セールコンエンジニアリンググループ(株)アーキフォーム 高橋賢祐(01/12/05)
Q:HACCP承認を受けている食品会社に勤務しています。HACCP担当となり、色々勉強中です。何卒宜しくご指導下さい。
CCPの設定について教えて下さい。
当社では、牛乳の殺菌の例ですと運転基準のOPLが130℃2秒で、FDVを−5℃に設定しているのでCCPは単純に125℃としています。設定の根拠は乳等省令の62〜65℃30分相当の為としています。
ところが、
本来、CCPはこれ以下になると微生物的に問題になるギリギリの値とされており、
この指標として乳等省令の62〜65℃30分、または72〜75℃15秒があり、
この2点を対数グラフにプロットすると、同等条件として85℃0.4秒、90℃0.03秒が算出されます。従って、設定根拠を乳等省令とするとCCPは85℃でOKとなるはずです。
そこで質問ですが、
CCPを85℃とし、運転基準は130℃、FDVは125℃として変更できるのでしょうか。保健所の先生方や厚生労働省の担当官は納得していただけるでしょうか。
皆様の見解をお聞かせ下さい。
これが認められれば、品質理由での殺菌温度の変更はいちいち変更承認を出さなくてすみ大変効率的です。宜しくご指導御願いいたします。
A-1:
ONOによる厚生省担当官の予想質問・指導事項(はずれる可能性大)
予想質問;
Q1;CCPを85℃とした場合130℃では逸脱でないでしょうか?
もし、そうだとすれば改善措置をとる必要がありますができますか?
A1;can not
Q2;CCPは85℃以上ですよね?
A2;yes
Q3;CCPは85℃以上なら何℃でもよろしいのですか?
500℃でもよいのですか?
A3;no
指導事項;
根拠を明確にして、適切なパラメーターによってCLを決定してください。
ONOによる雑感
プランの上ではCL85℃以上で実現可能ですが、歴史と経緯から承認の線引きがされていると思います。ここで、3点ほど雑感を述べさせていただきます。
1 何℃以上をCLとして、将来どうなるかわからないというニアンスでは通らない気がします。
2 実態として、125℃未満が存在しない現状では、まずだめだと思います。
3 S.43.8.9の通達では「LTLT同等はUHT・HTST・75℃15min保持以上で、その他の方法は当局に要協議」とされています。丸総とは直接関係ないかもしれませんが、当該通達の概念で業界は動いているので、あいまいな方法をCLにするのは難しいのではないでしょうか?
厚生省の現状
本年1月に丸総の窓口として各地方に厚生局ができました。
厚生局の担当官は丁寧に対応してくれていると思います。
疑問がありましたならば、直接相談するのが早道だと思います。
なお、担当官に相談する前に、保健所の助言を受けてから行くのが本手です。
ONO
A-2:
私は乳製品関係ではありませんが、自分自身の経験から投稿を拝見して思うことを述べさせていただきます。
行政の『加熱時間と加熱温度のValidation』という資料によれば、殺菌の基準は以下のようになっています。
基準温度(℃) F(分) Z値(℃)
LTLT 62 30 8
HTST 72 10 8
UHT 120 0.05 8
これから計算しますと、
LTLTの基準で120℃の時に必要な殺菌時間は、1.69E-06分
HTSTの基準で120℃の時に必要な殺菌時間は、0.00001分
となります。
(そもそもLTLTで、120℃の殺菌ということはありえないのですが)
LTLTとHTSTを比べると、120℃においての殺菌の必要時間は
5.93倍(0.0001分÷1.69E-06分)、
LTLTとUHTを比べると、120℃においての殺菌の必要時間は実に
29641倍(0.05分÷1.69E-06分)にもなっています。
Z値が同じということは、対象としている菌が同じということなのですが、
同じ菌を相手にするのに、加熱温度域が違うと必要な加熱時間が理論的にどうして一致しないのか?ということを考えなくてはならないと思います。
F値の計算は、もともと熱伝達の近似誤差を含んでいるのですが、
その誤差の一番大きい要因は、測定の精度に起因しています。
これは、モニタリングの温度計が正確かどうか、ということではなく、
かなりの流速で流れる流体の『その瞬間の温度』を、
正確に測定することが技術的に本当に可能なのか?というところからきています。
したがって、それを踏まえて、高温短時間殺菌であればあるほど安全率を見込んでやる必要があります。同じ対象菌でも高温殺菌と低温殺菌の時では基準が一致しないというのは、ここからきていると思われます。
私は行政の担当官でも何でもないただの素人ウォッチャーなので無責任なことを申し上げるようで大変恐縮なのですが、このことから考えると、UHTで85℃の管理基準というのはありえないのではないでしょうか?
おそらくUHTの場合、120℃を下回る管理基準は認められないような気がします。
行政の担当官の中にも、殺菌理論や熱伝達についてきちんと勉強されている方は少ないので、私も自分の所の管理基準設定の根拠についてこの辺の部分を説明するのは、非常に骨が折れました。
お互いに勉強して、納得いくような議論が交わせればいいのですが....。
--手取川
CCPの設定についてのご意見もっともだと思います。
HACCPでは、信頼できるデータがあれば、そのデータ
に基づきCLを設定するのですから、そのデータが
信頼できるかどうか?あるいはまた一般的に認められて
いるデータであるかどうかが争点になるはずです。
A-2:
下記はある乳業会社の品質管理の方からお聞きした内容です。参考にしてください。 ただし、そのまま丸総に取り入れられるかは不明です。 こぐれ
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
ご質問の件について、個人的な見解ですが、お答えさせて頂きます。
殺菌の工程でのCCPについては、数年前、当時の厚生省の担当官と議論したことがあります。結論は、引き分けでした。
要は、CCPの危害として、「病原微生物の残存」と書いてあるか、「微生物の残存」で異なると思います。
「病原微生物の残存」を危害とすると、乳等省令の62℃以上、30分以上がCLとなり、OPLとしては125℃以上となります。
また、「微生物の残存」を危害とすると、指標菌が問題になります。
これは、メーカーによって異なります。
わが社はB.cereusを指標菌し、その芽胞を5D殺滅する条件
130℃、2秒であることから、これをOPLとして管理することになります。
CLはあくまでも62℃以上、30分以上です。・・・・ここのところが厚生労働省との意見の食い違いです。
従って、少々温度を変えてもCCPの変更ではないと考える理論的な根拠です。また、ご指摘のありました乳等省令に示された殺菌条件は、保持殺菌と連続殺菌とでは、殺菌効果が異なるため、単純に比較できません。
−−−−−ここが大切な部分だと思います。−−−−−−
ちなみに乳等省令の殺菌条件は、Q熱のウィルスを指標にしたモノです。
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これからも、気合いの入った情報交換をしたいと思います。
出来たらお互いに自己紹介したいと思います。
出来たら、個人的にメール交換させて頂ければ幸いです。
宜しくお願い致します。お答えが遅くなってスイマセンでした。
こぐれ
●年末、大掃除のコツ
1.いらないものを全て捨てる。(チェーン店では、ゴミの重量コンテストをやって、最も重いところに景品をあげる。こうすると、たくさん捨てれる)。捨てたもので、後で後悔する場合もあるが、あきらめる。多分使わないけど、一応取っておこうか?と一瞬でも考えたものは、捨てる。どうしてもいやなら、社長の家に宅配便で送って保管してもらう(1年後に開けてないことがほとんどだから、その時は中を見ずに捨てる)。
2.天井、上の方から行なう。
3.移動できる機械類は寄せて、なるべく露出面積を広くして清掃する。厨房の半分づつ移動してやればよい。
4.機械類のメンテナンスも一緒に行なう。
5.排水溝から遠いところから、排水構に向って行なう。
6.照明の一部が切れていたら、間もなく他の照明も切れ始めるので、全て替えると良い、厨房が見違えるように明るくなる。切れていない場合も、電球、蛍光管、傘をきれいにすると、とても明るくなる。異物混入の発見対策にもなる。
7.古くなった電気配線は取りかえる、火事の元。
8.機械類や床面など、清掃が終わったら、オスバン液を適当に薄めて(3〜400倍ぐらい)流し、30分ほどしたら水切りをし、除湿機か扇風機で乾燥させて仕上げる。
9.ケガをしないように気をつける。軍手を出来るだけすると良い。
●冷蔵庫の中や、食品の保管場所などは、
冷凍庫は、毎年一度、中のものを全て出して、大掃除。
冷蔵庫は、月に一度、大掃除です。
大きな冷凍庫の場合、営業用の冷凍庫を一時借りてやると、効果的。不良在庫が続々と出て来て、在庫がシェイプアップします。
冷凍庫、冷蔵庫ともに、置き場所は、ちょうどスーパーマーケットの陳列棚のように、場所を決めると、分かりやすく、不要なものが無くなり、在庫が一目でわかり、在庫の圧縮化(つまりは、経費節減と鮮度アップ)に直結します。
プロに頼んできちんと掃除したいところ
○ グリスフィルター交換
○ グリストラップ
○ 防火ダンパー
○ フード
○ 排気ファン
○ ダクト
○ 排水管高圧洗浄
○ エアコン
●その他、注意点
これをきっかけに、一般的衛生管理のご項目を決め、毎日の清掃を効率的に進めると良い。大掃除をすると、普段の清掃が楽になる。
余計なものが無いと(大掃除で捨てたので)、広くなり、仕事(調理)と清掃が楽になることを実感したら、それを維持するようにする。01/11/14.
HACCP対応工場では何色が多いのでしょうか?
排水溝と床の色、R立ちあがり部分を違う色で行っている工場など、あるのでしょうか?
A:グリーンが多いようですが、これは心理的に落ち着くようですね。別に決まっていることはありませんが、汚れやゴミが目立つ色が良いです。グリーン、ブルー、等の薄い色などが大体の食品工場にあうのではないでしょうか?ゾーニングごとに色を変える方法も良いことです。
排水構と床は同じで良いのではないでしょうか?変えるとコストもかかりませんか?
腰位置、約1メートルから下は「毎日」清掃で、それよりも上は、製造する製品は汚れの程度によって、毎週とか毎月といった頻度での清掃になります。このために、腰位置から下と上の色を変えると区別がつきやすくなります。心理的には、腰位置から下の部分と床は同じ色にすると、この色の部分は「毎日清掃」というイメージができ上がりますから良いのではないでしょうか。
ところで、塗り床でしたら、何ミリ塗りますか?もし3ミリ以下のようですと、コストは安いかも知れませんが、大体は直ぐに剥げてしまうようです。厳しい設計士ですと「5ミリ以下はダメ」という人もいます。この点、工事業者と良く相談したほうが良いです。剥げないしっかりとした床は、材質と工事状態(業者の技術・信頼度)の両方の条件で決まります。
A:これは異物によります。例えば、ガラスやプラスチックの破片が入っていた場合、他にも入ってしまっている可能性があり、口に入れたときに断面でケガをする可能性があるので、回収に踏み切るべきです。しかし、例えばプラスチックレンズやコンタクトレンズが丸ごと入っていた場合は、破片はないので、回収の必要はありません。針金やビスでも、それ単独のことがほとんどなので、回収の必要はありません。
従いまして、単独と直ぐに判断できるものは、なぜ単独と判断できるかをお客様に技術的に、製造工程や、点検とHACCP記録などのチェックリストをお見せしてご説明をし、回収はせずに、調査に入り、その結果をお客様に報告します。
しかし、「多分単独だが、複数になってしまう万一の可能性はある」は、最初の時点では「単独事件として調査開始、しかし、第2の同じと思われる事故が出て来た時点で、回収に踏み切る」といった判断になります。お客様には「単独の事件だと考えられるので、直ぐに回収は考えない(技術的に良く説明をします)、しかし、万が一、同じと思われる事故が発生した時点で、調査の進行状況は無視して、直ぐに回収に踏み切る」ということが良いのではないでしょうか。
A:
食品産業センター技術開発部.新宮和裕.「月刊HACCP」01/03.

「月刊HACCP」01/03.
A:外周でも中央でもどちらの形もあります。
中央にあると、排水溝が一本ですから、清掃が容易です。また、機器を壁際に設置しても、壁際に排水溝が無いので、汚れが溜まりにくく、清掃も簡単です。幅木(壁と床の角)も「R」にしていれば、汚れは外に出て来ます。
外周の場合、大型の機械が中央に設置するような場合、例えば、鶏卵パックセンターの大型パッケージマシンや、調理機械、と畜場の大型生産ラインがあるような場合、機械のある中央部を高くして、両サイドに汚水が流れるようにし、壁際の排水溝に持っていくと、うまくいきます、ちょうど道路がかまぼこ型になっていて、両サイドに排水溝があるのと同じです。(01.07.31)
A:サルモネラ・エンティリティデスによる食中毒の原因食として鶏卵加工品があることは、事実ですが割置きしたり、加熱不足だつたりしたことが直接の原因ですので鶏卵自身が原因ではない、という考え方です。あまり色々な統計があるわけではありませんが、一般に鶏卵のサルモネラ保菌率は10000個に3個、つまり3000個に一個くらいという検査結果があります。しかも、その汚染菌量は数個といわれており冷蔵保管して生食すれば、ほぼ安全であるという考え方を取っています。もちろん、ひびの入った卵を常温保管したようなものは生食するのは、かなりまずいと思います。現在、生食用の鶏卵について表示していますので賞味期限いないに冷蔵保管して食べるのは、一般的に衛生的と考えられます。ただし、飲食店などで事前に割り置きする鶏卵は注意が必要です。3000個に1個であっても毎日100個を割り置きすれば、30回に一回はサルモネラ入りの液卵ができることになります。その液卵の保管温度が悪ければサルモネラが増菌し、スクランブルエッグなど加熱の弱い製品に使用されると食中毒につながるおそれが出てしまいます。ちょっと、おかしいかも知れませんが、スクランブルエッグを調理する場合の、管理点は加熱温度とともに、殺菌液卵を使用することとなります。(HACCPメーリングリストのメンバーからのコメント.01.07.25.)
Q:食品工場側で温度記録の無い荷を受け取り拒否した場合、その損害は(納入業者側、食品工場側、いろいろあるとは思いますが)誰が負うことになるのでしょうか。
Q:肉類の検収の際に温度測定をしているが、何度までなら受け入れて良いですか?というのも10℃以下にした場合に、もし12℃であつたら使用できなくなってしまい、予定したメニューが提供できない。
A:HACCPを行ないはじめたからといって、いきなり返品は出来ません。まず、メーカー、運送側、ユーザー側の三者間での理解が最初です。温度が上がってしまった製品を受け取りたくない、何度ならばだめなのかの基準、記録の方法などをお互い納得しなければなりません。この場合、温度が何度で現在入っているのかを調査します。
具体的には、2週間から一月ほど、今までと同じシステムで製品を動かし、ユーザーに到着したときの温度を記録します。これによって実態がわかります。もしこの実態で、あまりにもひどい温度だった場合(例えば冷蔵品なのに10℃以上の様な場合)、それまでの方法ではダメだという結果に最初からなってしまいます。
まあしかし、普通は問題無い温度で到着しているはずです。例えば、2〜4℃程度で。これを確認すると、もし10℃以上などになっていた場合は、当然問題があることがお互い確認できますから、契約(あるいはルール、約束)をすることにお互い納得できることになります。そして、管理基準、測定方法や頻度を決め、実施に移ることになります。
温度測定の場所と方法ですが、物流業者は、メーカーで製品を積むときに確認をします。方法はメーカーと物流会社で決めますが、真空パックの製品に穴を開けて中心温度を計るなどというのは製品がユーザーにいく前に壊れてしまうので問題がありますから、例えばチルドの肉ならば、箱を開け、中に入っている数パックの肉の2パックの間に温度計のセンサーを挟んで計測をし、記録をし、そのダンボールを閉じて「温度計測ケース」などの表示をします。これで温度に問題無ければ、物流業者は「受け入れ」ることになります。温度がおかしい場合「受け入れ拒否」をすることになります。この場合に出る損害賠償(ユーザーへ製品到着が遅れてしまう)はメーカーになります。
物流業者は正常に受け入れてから、ユーザーまでの運送に責任を持ちます。ユーザーで温度測定をして、逸脱していれば、今度は物流業者の責任になりますので、この場合の損害賠償は物流業者になるわけです。01.6.12.
Q:膨大な食材を全て収納容器に移し変え、対応しなければHACCP対応とはいえないのでしょうか?現場の状態から実際的に不可能なのです。また、もし、他にHACCP対応のやり方として適当な方法があるのでしたら
A:移し替えないとHACCP対応ではないということはありません。現実的、物理的に不可能ならば仕方ありません。無理に行なうことでかえって問題が出ることもあり得ます。
出来るだけ対応するということでは、以下の方法があります。
1.汚れている段ボール箱に入っている食材はある程度決まっていることが多いので、その食材類についてだけ入れ替える。
2.冷蔵庫から出した直後、冷蔵庫の外に出た場所で、容器に入れ替えて、ダンボールはそこで廃棄に回す。
3.ダンボールを冷蔵庫から出すときに、キャスターに乗せて調理場所まで持っていく。この状態だと作業台の位置よりも低いので、作業台の上を汚染することは無い。ダンボールから食材をとりだすときには、キャスターに乗せた状態で中身だけをとりだすようにし、全てをとりだしたら、ダンボールは直ぐに廃棄に回す。
これらを、あるいはこういった考え方を他にも組みあわせて、作業方法、ルールを確立したらどうでしょうか。01.6.11.
Q:国内のホテルとして、HACCPを取得した実績はあるのでしょうか?
A:ホテルでは聞いたことはありません。取得ということではなく、HACCPを導入しだしているところは、かなり多くなってきています。例えば、現在新宿の小田急ハイアットリージェンシーがHACCP対応の大改修に向けて勉強中です。新しいホテルは、厨房企業がHACCPを志向してきているところは、HACCPの導入を前提として設計を行うようになってきています。
Q:もし、取得した場合、集客率のアップは見込めるものでしょうか?
A:HACCPは顧客への販促にはあまり使えません、食品衛生は食事をする顧客にとっては当たり前のサービスですから、それをわざわざ発表するものではないと思います。HACCPが営業力になるのは、食品メーカーなどの食品を製造したり生産しているところが、スーパー、フードサービス、生協などのユーザーに対して強力なパワーになります、なぜならば、小売り、フードサービスなどのリテイルは、安全な食品を仕入れて販売したいからです。
Q:HACCP取得のための、助成金または特別な融資枠等はあるのでしょうか?
A:自治体によってやっているところもあります。地元の銀行、農林中央金庫、市役所、といったところを調べてみるとわかることが多いです。また、リース会社は設備と一緒に行なうところもあります。01.3.29.
Q:現在は生産現場で使用するボールペンをクリップボードや机にボールチェーンや紐で繋いだ状態で使用しておりますが、ある得意先様の工場視察時に「プラスチック製の筆記具は破損し混入の恐れがある。金属製にした方がよい。」との指摘を頂いています。HACCP対応の筆記具があれば、ご照会頂きたく存じます。
A:「BIC」社製のもので、硬めのビニールのような素材でできているボールペンがあります。海外のホテル備え付けに多いものですが。これだと割れる心配はありません。他のメーカーでもこのような仕様のものはあると思いますので、文房具店などで探してみて下さい。01.1.9.
Q:掃除道具に関して検討しているのですが、掃除道具入れはオープンラックの方がいいのでしょうか?HACCP上、普通の密閉型のものはいけないのでしょうか?掃除道具を吊り下げていればそれでもかまわないでしょうか?
A:オープンの方がいいですね、乾燥しますので、密閉型よりも衛生的です。密閉型だと中が汚くなる点もあります。もちろん場所は製造ラインから出来るだけ離れたところにします。つり下げる形のキャスター付きラックにすると、オープンなので乾燥できますし、製造ラインから離れたところに置けますし、使うときには製造室にそのまま持ち込めます(キャスターがついています。ホームセンターなどで部品を買って組み立てて作れます)。00.12.21.
Q:各加工室の天井と壁との境目はRカットする必要があるのでしょうか?
A:ここまでは必要ありません。Rカットは、床と壁の隅に汚れが付きにくく、付いた汚れも洗いやすいために付けます。ですから、天井と壁との境目には必要ありません。
Q:各加工室の壁と壁との境目(隅)はRカットする必要があるのでしょうか?
A:これはあったほうが清掃がやりやすくなります。床から1メートルまでの高さに付けるだけでも大分違います。00.12.21.
A:問題はありません、異物の検出範囲が広くなる点をリストしたCCPにします。髪の毛や虫など、エックス線検査機によっては検知しにくいものもありますからテストをしてリストを作成し、検査に役立てたら良いです。00.12.19.
A:どっちもどっちですね。小型ではなくて、ある程度大型の工場では、コンピュータ管理がこれから必要になっていきます。彼らへの説明の方法として、回収のことを言ったらいいです。例えば、あるロットに問題があって、それを早く押さえて、大事にならないようにするためには、そのロットがどこに行っているのかを突き止めなくてはなりません。これが数日も、何週間も経ってしまったら、被害はどんどん広がるし、費用はかかるし、信用は失墜することになります。イカのサルモネラ事件を思い出して下さい。販売先を特定できないまま、あちこちで食中毒が起こり、それでもどこに出荷したのかなかなかわからなくて、何週間にもわたって食中毒が起こっていってしまいました。これでつぶれた会社もあります。コンピュータ管理でしたら、問題の原材料の履歴と使用した製品の記録がすぐに出て来ますから、それを押さえればいいんです。
次に、所沢のダイオキシンや東海村の放射能漏れ事件を思い出して下さい。あの事件の時、スーパーなどの流通業界やフードサービス業界のバイヤーは大変でした、というのは、自分のところで販売している製品(メニュー原材料)が問題ないか、生産地を突き止めなければならないからです。メーカーも同じで、問題になっている原材料を自社の加工食品の原材料として使っていないかどうかを調べなければならなかったからです。これもコンピュータ管理ならば、すぐにわかることです。
先日米国オレゴン州の牛肉関係の方に会って聞いた話ですが、牛肉のパッケージにはバーコードでその牛肉の履歴がわかるようになっているそうです。と畜のデータ、温度などの安全管理に関するデータがわかり、インターネットをたどっていくと生産した農家までわかるということです。その農家がホームページを持っていれば、その農家の家族の写真まで見れるということです。こういう記録の方法はHACCPを基本に5年程前から構築されてきているということです。
福岡市の保健所は全てコンピュータ管理でオーケーです、私がHACCPの構築をお手伝いした福岡市臨海市場(と畜場)も全てコンピュータ管理です。手書きでももちろん問題はありません。しかし、これからは次第にコンピュータ管理になっていきます。
A:汚染状態によります。汚染区での作業で作業衣が汚れているのでしたら、着替えないといけません。それほど目で見て汚染されていなくても、目で見えないバクテリアや埃が問題ありそうでも同じです。ほとんど問題がなければエプロンを付けるような方法でもいいですが、余りよいとはいえません。
Q:また、清浄区の方が、トイレに出入りする方法を教えていただけないでしょうか。
A:作業場の外にでることになるのですから、出来れば着替えてでてからトイレに行き、再入場をマニュアル通りに行なうことになります。普通は2時間毎に休憩時間を設けますから、この時間内にトイレに行くようになります。生理現象ですから、トイレの近い人は、面倒くさいことになりますが、仕方ありませんね。これでたばこの量が激減した人も結構いますよ。00.11.02.
A:CCPは「飛躍的に危害を無くす場所と方法」ということになりますが、例えば魚や肉のポーションカットでは、加熱工程がありませんので、CCPは金属探知機しか出て来ません。この一ヶ所のCCPでやってもいいのですが、他に1つ、運営者が重要だとするところに、そんなに劇的に危害を無くせる場所ではなくても自主的にCCPにしてもかまいません。例えば冷凍の魚を半解凍にして切り身にして再び最凍結をする場合では、マイナス7℃辺りで切り身にして、作業中にマイナス1℃以上に上がらないようにする、という作業であれば、この部分を独自にCCPにしてもいいのです。HACCPは自主管理ですから、効果があると判断したらそこをCCPに自由に設定できます。このような場合のCCPは一ヶ所が良いでしょう。00.10.19.
A:米国からの監査の状況は以下のようです。
対米牛肉施設を査察 米国農務省の担当官が 2000.3.
厚生省生活衛生局乳肉衛生課は、2月8-17日の7日間(土・日・祭日を除く)、米国農務省(USDA)の海外担当査祭官が、対米牛肉輸出認定施設の(株)群馬県食肉卸売市場、(株)宮崎くみあい食肉高崎工場、(株)南九州畜産興業末吉と畜場を査察したことを明らかにした。今回の査察は、USDAのHACCP基準にのっとった初の査察となり、併せて従来の査察も実施した。検査項目は全体(HACCP項目を含む)では二十二項目で-重点項目は十四項目となった。査察の結果は、「HACCPについては問題点はみられず、おおむね良好となりたが、従来からのチェック項目で一部改善点が指摘されたしという。三施設とも共通して指摘された項目では@HACCPのソフト部分で^記録作業が総体的に不足しているA衛生検査員による検査などは詳細に記録すべきである。Bサルモネラや大腸菌などの細菌検査では、サンプリング作業の無作為性(検査日の通知はしない)を高めるべきであるC作業開始前の点検漏れに注意するD指示系統のシステムに問題があるE施設のメンテナンスに問題点がある--などが指摘され、改善指導が行われた。2000.3.7.食肉通信
Q: また、フーズデザインのホームページを拝見したところ、EUにおいてはHACCPは自主管理ですがHACCPを行っていない施設の製品を輸出するのは事実上不可能とかかれていました。そうなると、日本の企業がEUに食品を輸出する場合は、EUに認められたHACCPをクリアしなければならなくなるのでしょうか。
A:そうです。EUはさらにHACCPを強化します。現在は自主管理という名目で、実質上は取引基準のようになっていますが、これを将来「全食品をHACCP管理に強制」の方向で具体的に動き始めたようです。今年1月に「具体的な動きに入った」ということで、数年先を目指しているようです。こうなると米国よりも強化されることになります。(00.10.16)
A:防虫対策の決定的なものはありません。虫には、外部からの侵入と、内部発生があります、この対策としては、一般的衛生管理の徹底しかありません。一般的衛生管理は、
1 施設設備の衛生管理
2 衛生教育
3 施設設備・機械器具の保持点検
4 ペストコントロール(そ族昆虫の防陦)
5 使用水の衛生管理
6 排水および廃棄物の衛生管理
7 個人衛生(従事者の衛生管理)
8 原材料の受け入れ、食品等の衛生的取扱い
9 回収(製品の回収プログラム)
10 製品等の試験検査に用いる機械器具の保守点検
1.で、清掃、サニテーションを徹底します。
2.で、虫が入ってしまうとどういうことになるかを良く教えます。
3.で、虫の入りやすいところをふさいだり、すき間などの点検修理をします。ドアのすき間なども徹底します。
4.で、駆除、防除、発見を、専門業者と分担して行います。
6.で、ハエなどの発生を押さえるためのルール〈ごみ捨ての頻度を短くするなど〉を徹底します。
7.で、虫の入らない個人的行動〈ドアを開けたらすぐに閉めるなど〉を実行させます。
8.で、虫の発生しない取り扱い〈原材料の搬入時のシャッターの開け閉めや、倉庫での扱い方法など〉を徹底します。
総合的な対策を行うことしかありません。00.9.9.
A:USDAは7000人、FDAは4500人ほどいると聞いています。これらの職員を増やすことはしていませんが、民間がビジネスとして大きなマーケットになっています。一時、USDA、FDAの仕事が減るのではないかと職員の間で騒ぎになったことがあります。これは、工場の現場に張り付くのではなく、HACCPの記録を重視する監査体制になるので、職員の数が少なくなるという予想からです。しかし、実際には一つの工場の監視の時間は少なくなったのですが、監視する工場が広がったために、逆に忙しくなったわけです。それで民間の監視ビジネスも拡大したのです。コンサルタントの仕事は、HACCP構築支援が主です。セミナーも活発に行っています。HACCPを勉強している学生の就職率はとても良く、私の知っているウイスコンシン大学の教授のところでは、卒業するかなり前から就職は全員決まっているそうです。00.09.08.
A:30%の人の鼻の穴の中には黄色ブドウ球菌がいます。マスクはその対策になります。マスクが邪魔なのはわかりますが、怖いですね。マスクを嫌がる理由の一つは、耳が痛くなるということがあります。この1つの欠点だけを取るには、頭巾の耳部分にマジックテープでマスクを引っかけるものがついているのがあります、これで少しだけでもうっとうしさを取ることは出来ます。00.09.08.
A:それほど問題にはならないかもしれませんが、少し心配、といったところですね。なぜかというと、野菜と魚は生食がありますから。野菜サラダや刺し身です。肉にはO-157やサルモネラ、魚には腸炎ビブリオです。野菜だけ隔離すればもう少し安心になりますね。この場合、刺し身用の魚に注意することです。00.6.23.
A:サニテーションなどのチェックリストを付ける担当者ですが、サニテーションをした担当者が付けるのでは効果はありません。サニテーションをした人以外が、別の目で見なければなりません。そのために、例えば下処理室と調理室の担当者が交互に見るとか、作業室担当者以外の方が見るという工夫が大切です。見る目が違うと、見落としが無いし、公平に見ることが出来ます。また、社員ではなく、パートの方に見てもらうのも効果的です。何でも社員や責任者が行うのではなく、現場の方全員が何らかの形でHACCPの運営に携わることが大切です。00/6/19
A:アルコールなどを噴霧する方法が一般的です。例えば、蒲鉾を作っている工場では、白身魚の練り原材料の箱を開ける前に、アルコールを噴霧してから梱包を開けます。00/6/9
UV(紫外線による殺菌)も使います。例えば、包材メーカーで製造したパッケージ資材を、UVを通してから出庫し、食品メーカーに運びます。食品メーカーではこれを再びUVやアルコールで拭くなりしてから開梱して使う、といった形です。
また、ペットボトル飲料では、ペットボトルとキャップをUVを通してから使用します。00/6/14
Q:輸入野菜(生鮮・缶詰を含む)の残留農薬の危害防除する場合の管理のしかたについて、受け入れで管理するためには、どのようにすればいいのかわかりません。輸入業者に問い合わせても「出来ません・わかりません」の回答ばかり
A:輸入先の国とメーカーによっては、自主的にHACCPを行なっています。例えばオーストラリアでは輸出免許を持っている工場ではHACCP管理を行なわないと許可になりません。東南アジアでも、米国やオーストラリアに輸出をしている工場では、HACCPを行なっています、でないと売れませんから。そして、これらの工場では残留農薬の検査を定期的に行っているところが多いです。そこで、まず、輸入先のメーカーに対して、HACCPを行なっているのか、また、原材料の検査をどうしているのかを聞いてみて下さい。聞くために、日本側の商社が知らなかったり、メーカーとの直接のコンタクトを嫌がるところが多いですが、事情を説明して説得することが大切です。
そこで、野菜の残留農薬の検査を行っていることがわかれば、そのデータを、定期的に、あるいは輸入ロット単位で、FAXで送ってもらい、それを受け入れ時のチェックと記録にいれます。もし何もしていない場合には、これから購入するために必要になっているという説明をして、近い将来やってくれないかを聞きます。また、これでだめな場合、HACCP管理を行なっているところを次に探します。
とりあえず、メーカーに直接聞いてみるところから始めたらどうですか。質問書は商社に作らせるのではなく、御社で作ったほうが良いです。それを英訳してもらい、御社で見て、確認をしてから現地に連絡をとってもらったら良いです。出来れば直接が良いですが、間に商社などが入ってしまう場合も、通信の記録コピーをもらうべきです。
Q:このような状況で保健所が認めてくれるのかが心配の種になっております。
A:保健所では、輸入原材料の農薬残留の検査まで自社で全て行なうような要求はしないはずです。輸入野菜は最低レベルですが厚生省の検査がほんの一部のものについては実施していますが「輸入時の水際検査」、これが最低レベルのチェックになっています。自主的に原材料の農薬検査をさらに行うには、生産地での自主検査が行われているか、行われているのならばそのデータをもらう、行われていなければ要求する、ダメならメーカーや生産者を変える、といったステップを、各生産者に行ない、その行なった記録そのものが、原材料の化学的危害の防除活動になります。(00/06/05)
Q:製麺工場の製麺機、茹でがま、包装機等の機械の清掃で、今までの旧態依然とした清掃方法に疑問を感じ、最新の効果的な清掃方法はないものかと日夜、頭を痛めております。
A:日本独特の食品向けの製造機械は、麺だけでなく、ギョウザ、寿司ロボ、焼き鳥焼き機など、細かい製造作業が出来ますが、サニテーションのことがあまり考えられていません、最近はだいぶ改善されてきていますが、旧式の機械ですと大変です。
頻度を2つに分ける考え方が一つあります。毎日行なうサニテーションと、週や月に一度行なう徹底した分解掃除、といった形にします。毎日行なっても、次第に機械の内部にまで汚れが入り込み、それがバクテリアの住み処になり、次第に大きくなって、内部から外側を汚染していくのです。これを無くすために、時々内部の隅まで徹底するのです。
もう一つは、複数のサニテーション業者に相談をして、提案をもらってみることです。その中で実施テストをして、数値を見、良いものがあったら採用すればいいです。この業者の中にはその製造機械のメーカーもいれてみたらどうですか?(00/06/05)
Q:「乳肉品、缶詰、魚肉練り製品、レトルト、清涼飲料水など、一定の指定対象品に対して、厚生省が承認したHACCP認定工場で生産されたもののみ米国、ヨーロッパへの輸入が認められる。」と聞いたのですが、他の認定されていない工場で生産された食品は絶対日本から輸出してはいけないと言う事なのですか?
A:食肉、魚介製品について、米国ではHACCP規制の対象になっています。HACCPを行なっていない工場は営業できません。このため、海外から輸入する食肉、魚介製品も、HACCPで製造した製品でなければなりません。魚介製品では「付帯施設」となる冷凍倉庫も一緒に米国FDAの基準に適合していなければなりません。この施設は弊社のホームページにリストがあります「厚生省のホームページにリンクしています」。
食肉については、米国USDAの認可した工場でなければなりません。この施設は鹿児島、宮崎、群馬の3ヶ所しかありません。北見や福岡ではHACCP対応施設になっていますが、米国に輸出する記はないので、USDAの許可はとっていません。
肉、魚以外でも、HACCPを行なっていない工場のものは事実上米国に入れることは不可能でしょう、というのは、米国では「HACCPを行なっていない工場の製品は購入できない」というのが常識ですから。もしHACCPを行なっていない工場の製品をスーパーやフードサービスが購入して、その製品から食中毒などの事故が起こったら、購入した企業も訴訟の対象になるからです。なぜなら、HACCPを行なっていないことを知りながら、そこの「危険の多い」製品を扱ったという責任を問われるからです。
EUは、HACCPは自主管理になっていますが、HACCPを行なっていない施設の製品をヨーロッパに輸出することは事実上不可能です。1995年に青森のホタテ加工品がヨーロッパ側から拒否されたことなどが事実あります。さらに、EUでは、全ての食品に対するHACCP規制の準備に入っています。(00/05/25)
A:設置場所は、虫の侵入する出入り口に近く、なおかつその周囲に食品が置いていない場所です。内側です。逆に言えば、出入り口近くには食品を置かないということになります。特にパッケージをしていない裸の状態の食材、食品はいけません。
タイプは最近いろいろなタイプが出ていますが、捕獲した虫をはじくのはダメです、はじくと異物混入の原因になってしまいます。吸収、吸着したり、捕獲してしまうものです。
これと関連して、工場周囲の街灯は、出来るだけ工場から離して、寄ってくる飛来虫を工場から離すことです。工場周囲のグリーン、植樹もなるべく離して下さい。
1.粘着式か吸引式が望ましい(とらえた虫が飛び散らない)
2.強力、吸引力のあるものを、少数(パワーの弱いものをたくさんつけると虫があちこと飛び回ることになる)
3.出入り口に近いところ(外からの飛来虫を、作業場に入る手前で捕獲する)(2000.5.8)
Q:どうも、パン業界はHACCPやISOといったものについて消極的です。やはり認証取得といった「ご褒美」がないと難しいのでしょうか。
A:HACCPを進めるセンスのあるところには、オーダーが集中してきます。HACCPを進めることが企業の経営に大きなプラスになることは間違いありません。認証取得のご褒美よりももっと良いのは、企業力が増すことです。(2000.1.12)
Q:乳製品以外の冷凍菓子を米国に多く輸出しております。たとえば、冷凍の大福、串だんご、まんじゅう、ロールケ ーキ、シュークリーム、どら焼、かき氷、バームクーヘン、カステラ、アンドー ナツ等です。このような商品は通常日本では常温または冷蔵で喫食するものですが、冷凍デザートをFDAが規制をした場合には、これらの商品は冷凍状態で通関しますので、冷凍デザートに分類されるのではないかと懸念しております。もし 該当するのであれば、弊社としてメーカーにHACCPの取り組みを依頼し、準備をすべきと考えておりますが。
A:冷凍デザートという表現でしたが、乳製品ということで判断していいと思います。しかし、近い将来、FDAとしては「ファーム・トウ・テーブル」という考え方が基本にあります。また、米国での流通の最近の基本は「HACCPを行なっていないところからは仕入れない」ということで進んでいます。食品そのものだけではなく、食器、機器、道具なども含めてです。また、HACCPを導入するには一般的に2年ほどの時間がかかってきています。こういったところから、HACCPの導入は始めるほうがいいと思います。
Q:「HACCP対応の工場はオーガニック認証を受けられないのでは? HACCP対応の為には、消毒・殺菌のために、オーガニック基準では認められない薬品を使わなければならないと聞いている。」
A:そんなことはありません。製造する食品の安全性が認められれば、オーガニックでも、一般の食品でも、かわりはありません。
オーガニックで認められている消毒や殺菌の方法で、その製品の安全性が確保できればいいのです。
A:クリーンな保管庫や、作業室の中で決められたところなら、むき出しでも構いません。下手に湿気の多いロッカーなどに入れるよりも、クリーンで低湿の場所などに置いたほうがいいです。
Q:釜で仕上がった仕掛品を、現在充填で使用するまで釜場に常温放置しています。常温放置しても、細菌的なバックデータ(この仕掛品は常温で2時間以内なら、O.Kでそれを超えると菌数が多く危険など)があれば、かまわないという話を聞いたことがありますが?
A:次第に適用されなくなりつつあると思います。なぜなら、バクテリアは急速に強力になってきているからです。もしそうするのであれば、定期的(例えば毎週とか毎月〕に、バックデータを検証するべきです。
A:(HACCP手法支援法)が98/5月に国会で成立した。その主なポイントは以下の通り。
第一に、国(厚生大臣および農林水産大臣)は、食品の製造過程の管理の高度化と基本的な方向を明らかにする基本方針を策定する。
第二に、国は食品の製造過程の実態に応じた製造過程の管理の高度化に関する基準(高度化基準)の作成、個々の事業者の製造過程の管理の高度化に関する計画(高度化計画)の認定の業務を的確かつ円滑に行うことができると認められる事業者団体を指定認定機関として指定する。
第三に、指定認定機関は食品の種類ごとに高度化基準を作成し、基本方針に照らし適切である旨の国の認定を受ける。
第四に個々の事業者は食品の種類および製造または加工の施設ごとに高度化計画を作成し、高度化基準に適合する旨の指定認定機関の認定を受けるものとし、この高度化計画に従って施設の整備を行う事業者に対し、農林漁業金融公庫からの長期低金利資金の貸付、新たに取得した機械、設備などについての特別償却の特例措置を講ずることとする。
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2003年6月に、あと5年の延長になる。
2003年初めの指定認定機関は18機関、以下の通り。03.5.22
────HACCP手法支援法指定認定18機関 ──────
▽日本食肉加工協会(食肉製品)▽日本缶詰協会(容器包装詰め常温流通品)▽日本炊飯
協会(炊飯製品)▽大日本水産会(水産加工品)▽日本乳業技術協会(乳及び乳製品)▽全
国味噌工業協同組合連合会(味噌)▽全国醤油工業協同組合(醤油製品)▽日本冷凍
食品協会(冷凍食品)▽日本給食サービス協会(集団給食用食品)▽日本惣菜協会(惣菜・
おにぎり・弁当)▽日本弁当サービス協会(弁当)▽(財)日本食品油脂検査協会(食用
加工油脂)▽(財)日本食品分析センター(ドレッシング類)▽全国清涼飲料工業界
(清涼飲料水)▽全国調味料・野菜飲料検査協会(食酢製品)▽日本ソース工業界
(ウスターソース類)▽全国菓子工業組合連合会(菓子製品)▽全国乾麺協同組合連
合会(乾めん類)
Q:よくHACCPの中で、ダンボール類を現場に持ち込まないなどと言うことを耳にします。ダンボール、缶などは実際の処理室へ持ち込まない方がいいのでしょうか?
A:いくつかの方法があります。
1.冷凍原料、野菜等は、開けてから皮などのトリミングなどをして、持ち込む。(段ボールの外側を消毒してから開ける方法もあります〕
2.液体原料などは、缶や瓶のまま持ち込み(外側を洗った方がいい場合もあります〕、使用後は作業室の中で決めてある廃棄物ゾーンに置く。この廃棄物を、定期的に収集するようにしておく。(下手にパレットなどに入れ換えるよりも、安全な場合も多いです〕
動線、ゾーニングをしっかりとしておくことが重要です。そうすれば、ある程度持ち込んでも、返却の動線、ゾーニングを決めておけば、問題は起こりません。
レストランで、客席に残った食器をどんどん集める「バスボーイ」的な担当が重要です。
Q:現在、一般的衛生管理プログラムの10項目について作成中です。当社の対象製品はレトルト品です。以下に質問を示します。
施設・設備の衛生管理の項目で、施設・設備の具体的な基準はあるのでしょうか? 例えば、「配管、照明器具は天井に埋め込む」と多くの文献で見ますが、実際はどうなのでしょうか?また、具体的な基準が無い場合、一般的衛生プログラムの内容は、自社の判断で基準を作成してよいのでしょうか?その場合、実施レベルをどこにもっていったらよいのか分かりません。対象製品が異なれば、プログラムの内容も異なってくるのでしょうか?保健所に問合わせをしたところ、レトルトに関しては、担当が決まっていないなどで、まだ具体化されていません。乳製品などを参考にしても問題はないでしょうか?
A:具体的な設置方法など(例えば、照明を埋め込む設備上の技術、方法、器具など)は、定められていません。ガイドラインはあり、都道府県によっては資料として出しています。米国でのガイドラインなどもあります。
建設設計時には、建設コストとの関係で、それぞれの工場で独自に設定しています。「天井に埋め込む」の目的は、天井からすべてサニテーションできるようにということと、埃や虫の巣にならないようにです。ということは、壁側にクーラーなどが置いてあったり、机がおいてあったりしている一般的な日本の食品工場の現状では、天井から水をかけて洗える状況に無いので、シールをしてもあまり意味がなくなってしまいます。それならばそこにあまり費用をかけずに、他の弱い部分を強化したほうがいいことになります。
各業界向けのガイドライン、レトルトでしたら、日本缶詰協会の出している「自主管理のためのHACCP計画マニュアル」などを参考にして、自社の基準を作っていくことになります。基準は、自社の工場の全体のレベルをどの程度、何点にするかを検討することが重要です。例えば、80点にしようとした場合、一部の機械、設備が100点でも、意味がありません。その100点の機械にコストをかけても、他が80点だったら、無駄になってしまいます。逆に、一部が50点だったら、それ一つのために工場全体のレベルが50点に落ちてしまいます。建材も含めて、バランスのいいレベルにすることが、コストを安くするためにも重要です。ある大手食品メーカーでは最新の対応工場を造ってしばらくしたら「過剰投資だった」と言っていました。
製品が違えば、当然内容は違ってきます。保健所、県の衛生部などには、まだ教育、情報が行き渡っていません。乳製品を始め、できるだけ多くの製品を参考にしてつくっていくしか、いまのところありません。将来は、製品別にガイドラインが出てくるようになると思いますが、まだまだ時間がかかります。弊社では、多くの製品に対応したパソコンソフトの開発を始めていますが、今年秋ごろには発表することができると思います。(98/7)
Q:家畜の糞からの堆肥から、O-157が、有機栽培の作物に入ることはありませんか?
A:2つの点で、問題は出ません。
1.堆肥は一般的に発熱します(70〜80℃。ひどい場合には火災になることもあります)ので、これでO-157は死滅します。
2.もし、生の状態のものを、畑にいれた場合、土の中にはO-157を死滅させてしまうバクテリアがたくさんいます。(98/6)
Q:欧米で、食品工場への監視、監査、調査などは、どのようにやっていますか?
A:たとえば、米国では、食品工場内には小さいですが必ずUSDA(米国農務省)の事務所をつくらなければなりません。そこに、監査人(日本で言えば、保健所の担当者)が、毎日、1時間ほど来て、任意の場所を検査します。来る時間は、決まっていませんし、調べる場所も担当者のその日の判断です。そして、もし大きな問題があった場合、操業停止の権限まであります。これは、GMPについて調査をしているのです。GMPが不完全だと、工場は操業できないのです。
ニュージーランドでも同じで、ある中規模の工場の場合、来る監査人は、工場に着いたら、サイコロを振るそうです。工場の中を6つのエリアに分けていて、サイコロの出た数字の場所を毎日調べるそうです。工場側は、毎日、何時に来るかわからないし、どこを調べられるのかもわかりません。ニュージーランドには350万人の人口がありますが、このような監視人は、2500人もいるそうです。(98/5)
Q:GMPの基準について。これからどうなるか?SSOPとは?
A:GMPについては、米国、カナダなどのHACCP文書には、具体的手順の中には入っていません。なぜならば、HACCPを行う前に、GMPが行われているのが、前提になっているからです。日本ではこの点が遅れている面があるという背景なのかどうか、厚生省のHACCP申請の書類リストの7番目に一般的衛生管理(PP)として入っています。これは、GMPを重要視している、という意味にも取れると思います。GMPが、HACCPを行うために、土台であり、これがしっかりしていなければ、HACCPをいれることが無意味になります。そして、この中の、クレンリネス部分が、SSOPになるわけです。(98/3)
A:例えば、パウチなどでは、袋の内側に直接食品が触れるわけですから、その対応が必要になります。最近ではプラスチックの包材の環境ホルモンもそうです。瓶では、異物、ガラスの破片の混入もあります。包材は段ボールの箱に入っていることが多いので、箱の破片が包材に入らないように工夫することもHACCP対応になります。段ボールはまた、虫の住家になる可能性もあります。このようなことのために、包材については、ユーザー側と、包材メーカー側と、共同でHACCPに取り組むことが大切になります。(98/3)