ゾーニングと移動について

2013/05/01 22:02 に 加藤光夫 が投稿

工場の規模が大きくなれば、壁に通過口を開ける方法がある。清潔レベルの高い方の気圧を高くすれば、更に安全になる。
オーストラリアのある食肉処理施設では、枝肉をばらして部位別の肉にする作業室は「準清潔ゾーン」で、そのあと真空パックとハンバーガーパティに加工する清潔ゾーンの部屋に移動するのは、壁に穴をあけてコンベアーで移動させる。清潔ゾーンの方が陽圧になっているので、通過口は開けっ放しでも問題は無い。

ある生鮮パックセンターでは、カットとトレイ入れの工程のあと、ガスパックをし、そのあと金属探知機を通して、サンテナーまたは段ボールに入れ、製品ピッキング倉庫に入庫になっていた。しかし、カットからサンテナーか段ボールに入れる工程までひとつの部屋だったため、ゾーニングの必要があった。金属探知機の前が清潔ゾーンで、そのあとが準清潔ゾーンだからだ。
そこで、数台ある金属探知機の位置を一直線に並べ、透明な簡易隔壁をつくり、その一部をビニールカーテンにした。透明にしたのは、お互いの作業状況が見えるため、一部をビニールカーテ人にしたのは、相互に声をかけたり、管理者の移動も時々あるからだ。この場合、工場の内部になるので透明のカーテンの方が見通しが効いて良い。(出入り口に近いところは防虫用の色付きが良い)

ゾーニング間の移動

ゾーニング間の移動は、小型の工場では窓越しに手渡す方法がある。
ある学校給食センターでは、下処理をしたあと、調理室に食材を渡すのに、窓を開けて手渡しが出来るようにした.ひとつの食材単位がバットレベルなので、これで十分対応できる。こうすると、従事者が相互に立ち入らないで済む。

ある小型の食肉加工工場では、準清潔ゾーンで脂肪やスジのトリミングをしたあと、簡易パスボックスを通して、スライスパックする清潔ゾーンに渡す方法にした。
冷蔵設備の付いたパスボックスは高価だ。そこで、工事業者につくってもらった.温度は準清潔ゾーンも清潔ゾーンも15℃なので、問題は無い。ただし、このパスボックス内には15分以上肉を置かないルールにした。これ以上の時間になりそうな時は、下処理室側の、パスボックスの横に、一時保管冷蔵庫があるのでここに入れる。

キャスターや大型工場ではフォークリフト等で食材を移動すると、タイヤが異なるゾーニング間を移動してしまうことになる。しかし、これを完全に無くすのはむずかしい。厳重にしすぎると作業効率に影響が出る。
そこで、以下のルールになる。

・キャスター、人とも、隣同士のゾーニング間の移動はある程度は可能にしないと、作業が出来なくなる
・床はどこでも(清潔ゾーンでも)汚染ゾーン
・隣同士は移動可能、にする
・各ゾーニング間を移動するキャスター(フォーク)を決める

下処理室で食材を積んだキャスターを、下処理室の担当者が清潔ゾーンに送り込み、清潔ゾーン側が受け取る。これで、従事者が相手の作業室の中まで入り込むことを防ぐ。
清潔ゾーン側(調理室)で食材を降ろしたキャスターは、清潔ゾーン側が下処理室に送り戻す。これを下処理側が受け取る。
これに使うキャスターは、この二つの作業室間以外に移動してはならない。


著作:株式会社 フーズデザイン 加藤光夫

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