ゾーニング改修例と色

2013/05/01 21:55 に 加藤光夫 が投稿

ある総菜工場の作業工程では、加熱調理をした後、冷却をし、隣の作業室に入り、フィルムまたはパウチのインナーパックをし、金属探知器を通し、段ボールを入れていた。そしてこの横で段ボールを組み立てていた。
箱詰めをした後、隣の製品倉庫に移していた。


ゾーニングがどうなっているか考えたところ、金属探知機を境に、その前が清潔ゾーン、その後は準清潔ゾーン、あるいは2段階のゾーニングなら汚染ゾーンにならなければならない。インナーパックを行っている同じ部屋、それもすぐ近くで、埃の出る段ボールの組み立てを行っているのだから問題だ。
そこで、中央の部屋の真ん中をビニールカーテンで区切り、清潔ゾーン側に金属探知機を入れた。
金属探知機を通した後、ビニールカーテンを超えて、段ボールに入れる。段ボール組み立ての埃はビニールカーテンで防ぐことが出来る。
このビニールカーテンは、従事者入口の部分を上から見て半円形、半ドームのような形にした。こうすると、両方のゾーンに従事者が別々にアクセス出来る。
もうひとつ改修したのは、包材倉庫から段ボールがすぐに出せるように扉を付けた。これで従事者と段ボールの移動が少なくなり、時間と歩行の減少、すなわち効率化とコストダウンにつながった。

移動パーティションの活用

ある食肉パック工場では、原材料のブロックをスライスし、パッケージしている。
スライスしている場所とパッケージしている場所は大きな清潔ゾーンになっているが、スライス作業の方が先に終わるので、洗浄が先になる。
ところが、パッケージ作業場所と同じなので、洗剤が未だパッケージ前の肉を汚染する可能性があるため、安全のためにはパッケージがすべて終わらないと洗浄が出来なかった。これは待ち時間という無駄なコストがかかる。
そこで移動式のパーティションをつくり、これで仕切ることにした。
スライス場所とパッケージ場所の間にこれを置けば、先に作業が終わったスライス場所の洗浄が出来る。コストダウンにつながった。
このパーティションは、作業場所の仕切りや、掲示板等、いろいろ活用している。

ゾーニングの床の色

ゾーニングを判りやすくするために、床の色をどうしたら良いか。
よくあるのは、信号機と同じ色にする方法だ。心理的に判りやすい。危険が大きい汚染ゾーンを赤、準清潔を注意の色の黄色、清潔ゾーンを青、という具合。
色は、汚れが目立つように薄くする。
食品工場は、冷蔵食材を扱う低温の場所や、高温になる調理加熱場所があり、従事者の環境が温度により変わる。寒かったり熱かったり、酷な温度になってしまうところも多い。作業衣で調整したりするが、色でもある程度心理的にコントロールすることも出来る。
低温の作業室には暖かく感じる暖色、高温の作業室には涼しく感じる感触を使う方法がある。
パリのランジス卸売市場の枝肉棟と内蔵肉棟は、棟内がかなり寒いため、床に暖色を使っている。通路はオレンジ、商品置き場は黄色だ。

壁と天井の色、および食品との関係だが、壁、天井は、白が良い、明るくなり、汚れや異物が目立つようになる。
食品の色と反対色にすると汚れが目立つようになる。野菜を扱うなら、ブルー系統といったようにする。


著作:株式会社 フーズデザイン 加藤光夫

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