製造過程図の現地確認

2013/05/19 23:08 に 松本リサ が投稿
ポイント
  • 現場で、立体的に見る
  • 図面では平面的にしか見れないが、現場では立体的に見ることが出来る。例えば、パッケージの作業場所の上に、ゴミの出やすい棚があったり、結露した水滴などが無いかどうか、注意してみてみる。
  • その場で直せるときにはすぐにす。すぐに出来ない場合は、問題点のリストにして記録をし、未解決のリストとして扱う。
  • 製造工程と図面が現場でその通りになっているか確かめる
  • 各作業室の中での動き、ゾーニング、現場での破損、故障、性能劣化、天井や、作業場所の上にある設備機器も要注意
おおかたの流れは図面の上で把握できるが、それが現場でどうなっているのかを確かめる。現場で確認するためのいくつかのポイントがある。

まず、各作業室の中での動きを詳しく見てみる。作業室から次の作業室への動線とゾーニングは良くても、作業室の中で問題になっているところが無いかチェックをする。ある調味料メーカーの混合室では、何種類かの原材料を一つのミキサーで混合する。混合前の原材料を、ミキサーに持っていって投入するのだが、この投入した後パッケージラインに行くときに、ミキシングしたものが再び混合前の原材料を置いてあるところを通っていくようになっていた、完全に交差している。さらに、パッケージ機械の設置方向が逆で、一度奥の方になっている投入口にミキシングされた原材料を運び、パッケージングされたものが、ミキシング前の原材料を置いてある場所に戻って出て来てしまっていた。この場所は従業員とミキシング前の原料の入り口に近いために、ここでも交差している。パッケージングされた製品はサンテナーにいったん入れられてキャスターで奥にある、つまりパッケージング機械の最初の投入口の横を通って、その奥にある殺菌室に行くコンベアーに乗せられるようになっている。

作業室単位では問題はなくても、このように作業室内で深刻な問題があることは多い。この例の場合は、ミキシング前の原材料-->ミキサー-->パッケージ機械の流れになるように位置を変え、パッケージ機械の設置方向を反対にすればいい。

作業室内でのゾーニングでも同じような問題はよく見つかる。あるソーセージ製造工場の、高速カッターとケーシング(腸詰めする)ラインで、高速カッターとケーシング作業の場所が近く、流れは高速カッターの後ケーシング作業台に行くのだが、ケーシング作業を行っている最中に、高速カッターの作業が終わるために洗浄作業に入ってしまっていた。一日に何回か行うカッター洗浄時にはいつもこの状態だったのだ。洗浄作業は洗剤をもちろん使うわけなので、洗浄作業での飛沫がケーシング作業台に飛び散ってしまう、下手をすれば化学的危害になってしまう。この場合の改善は、高速カッターを部屋の反対側ぎりぎりまで移動して距離を置き、さらに間に簡単なパーティションを置き、洗浄作業ではケーシング作業台側に背を向けてホースの水を反対側の壁に向かってかけ、飛沫が飛ばないようにした。

一般的衛生管理との関係も問題がないか見てみる。ある野菜ジュースなどを作っている工場で、原料野菜のトリミングを行っている下処理室から調理室への流れは図面上ではいいのだが、現場に行ってみると下処理室の出口に設置してある長靴の洗浄槽からの水が通路にかなり多く出てしまっていて、衛生上の問題と滑るという危険が出ていることがわかった。下処理室の排水を見てみると問題なく流れているので、問題は調理室に行くための長靴洗浄槽の存在にあることがわかった。改善策はこの長靴洗浄槽を、逆に下処理室から出る時の長靴の水切りに転用してしまったのである。

現場での破損、故障、性能劣化なども同時に調べる。ある魚の塩干工場で現場確認をしていると、建物の何ヶ所加の壁が壊れていて、隙間が出来てしまっていた、一部は外が見えるのである。これでは夏場虫のクレームがいつまでたっても無くならないわけだ。聞いてみたらカートなどがしょっちゅうぶつかって破損が拡大しており、そのうち何とかしなければと思いつつ忙しいのでそのままになってしまっていたということだ。HACCPは問題の個所を探って、緊急に直すと同時に、恒久的に再びその問題が出ないようにすることも重要なので、この場合の恒久処置を考えたら、作業室の通路と壁の間が狭いためにしょっちゅうぶつかることがわかったので、作業室にある設備機器を少しだけ中に移動したら問題はなくなった。

天井や、食品が露出している作業場所の上にある設備機器にも注意する。ある工場では異物混入事故が絶えず深刻な問題だったのだが、作業動線とゾーニングに図面上では問題がなかった。そこで現場に入ってみてみたら、製品をパッケージングする作業台の上部横にクーラーがあり、このクーラーの吹き出し口からゴミが吹き出ていることがわかった。原因は空調機の吸気口からクーラーまでの間が汚れていたことだ。古いクーラーなのだが、清掃をすれば問題がないので、SSOPの中で定期的な清掃をすることにした。また、異物が発見しやすいように、パッケージング作業台部分は特に明るい照明に切り替えた。図面ではわからないが、現場に入ってみると立体的に上の方まで確認できる。この事例でわかるが、作業台よりも上にある施設設備は要注意なのである。HACCPの即効性がこういったところにも現れる。

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