製造動線の改善で1.5倍の生産効率アップを達成:グレア(飯塚市)

2013/05/02 20:21 に 加藤光夫 が投稿

高度化までのステップ:外販の拡大のため衛生管理が重要になった

グレアの本体「さかえ屋」は1949年から福岡県飯塚市で菓子小売業としてスタートした。工場、店舗とも拡大し、1984年に平恒工場が稼働し、グレア製菓が自社小売店以外への拡販、外販を拡大してきた。
全国に出て行く時に衛生管理が重要になってきたし、同時に直営店に対してもやって行く必要があることを意識した。
グレアの拡販は延びてきたが、食品への安全安心志向に対して対応が必要となり、2009年に全菓連のHACCP手法支援法対応事業に参加した。
生産と衛生管理体制を調査すると、平恒工場は多様化する受注に対応を続けてきたため、問題が浮き出て来た。
特に高度化対応として以下のポイントが出て来た。
1.原材料受け入れ口での汚染進入危害
2.製造における動線とゾーニングの不備
3.製造における非効率(無駄)

活動の初期(2009年秋)に、20数名が、社内で三日間の「HACCPリーダー養成セミナー」を受講することが出来た。これで動機付けと意識が分かってきた。
何のために行うのか、という意識が重要。
進めて行くに従って、現場から素朴な質問や要請が出てくるようになった(カビ、湿度といったこと)。積極的になってきた。
進行中、修理、錆、虫、といった新たな欠陥が続々と出て来た。これは今まで気が付かなかったり、気にしていなかったことだ。

投資効果:人件費の大幅なダウンと、時間あたり製造量が1.5倍

認定対象ラインの従事者28名を23名と、人件費の大幅なダウン。時間あたり800パックだった製造が何と1200パックと、5割もの大幅な増産となる。

認定対象ライン部分についての投資は一千万円ほどだが、生産アップから計算しただけでたった半年で回収出来る。これに付随して、無駄に消費していた工場内搬送のフィルムも使わなくなり、製造ラインが大幅に短くなったことによる異物混入の危険の減少も大きなメリット。

メリット:品質と安全管理

生産現場での品質管理が充実し、トップとの相互の安全管理が出来るようになった。
そして「今後具体的な数値が出てくるので、それが現場の認識と自信につながって行くでしょう」と、単なる改善というレベルを超え、企業力のアップにもつながる。

これからの課題:全社員の意識改革へ

歴史(しがらみ)があるので、全社400名の意識改革は一気に出来ない。これが次の課題。
全社員が同じ価値観を共有すること。
平恒工場が外販の主体だが、これから飯塚と福岡(新工場)の2工場に、HACCPチームによって取り組みを進めて行く。
社員それぞれ、自分がかかわったという意義が、これから伸びて行くための要素。

改善前後

中央通路の改善前
改善後
原材料を囲った。

高度化対象製造室側に原材料を囲って保管するようにした。反対側は資材の保管場所に。この後中央にセンターラインを引いて、製造原材料と製品の動線を分ける。

トイレは削除した

原材料入荷場所と計量作業場所の改善前
原材料入荷場所は、外側シャッターと内側スピードシャッターの2重にはなっていたが、計量作業場所との仕切りは無かった。

改善後、間に仕切を設置した。これで汚染ゾーンの原材料入荷口と、準清潔ゾーンの計量作業場所がゾーニングされた。↓

原材料の冷蔵庫内は老朽化していたが、棚を取り去り、整備した。

コンベアオーブンを出た所の改善前:右のラインがクリーンブースで覆われているが、その間でケーキ製造作業が行われている。さらにもう一つ別のクリーンブースで覆われたラインがある。これでは作業効率が悪く、ゾーニングも複雑で徹底しない。↓

改善後:複数のラインをまとめて清潔ゾーンとしてゾーニングした。こうすると、清潔ゾーンの作業がシンプルになり、温度管理と衛生管理が徹底され、コストダウンにもなる。改善とコストダウンが一緒に出来た。改善後↓

ゾーニングされる清潔ゾーン内で内包装が行われ、金属探知機を通ったあと、手前が全て準清潔ゾーンになり、化粧箱、段ボール詰めが行われる。(改善前はこれが分断され、別の作業室に運ぶための仮置き、待ち受け、移動という無駄なコストがかかっている)
シンプルに改善されるため、認定対象ラインの従事者28名を23名と、人件費の大幅なダウン。時間あたり800パックだった製造が何と1200パックと、5割もの大幅な増産となった。

清潔ゾーンを出て、箱詰めの凖清潔ゾーンへ、待ち受け無しに流れるようになった。↓

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