照明の修理と対策

2013/04/04 18:49 に 松本リサ が投稿
金属探知機、X線検査、CCDカメラなどを使おうと、最終的に目視検査は重要だ。
目視検査の効果を上げるには、認識、照度になる。
認識は、目で見て製品を製造、盛り付け、パッケージをしている場所の従事者が、その作業だけではなく、一緒に異物を発見することが重要な仕事だと、認識していることだ。十分に認識して作業している場合とそうでない場合の効果の違いは大きい。
その上で、ハード面で効果を上げるために、照明を工夫する。

照度

照度は、検査面で最低500ルクス、出来れば700ルクスは欲しい。
このため、目で見ながら作業をしている場所の照度がどうなっているのかを調べる。
そして、照度が不足している場所の照度を改善する。
オーストラリアの牛肉加工工場で、枝肉から部位肉をカットしてパッケージしている工場では、日本向けにバラ部分をカット、トリミングしている作業場所で、牛毛や異物の発見を強化するために、この作業場所に蛍光灯照明を追加した。この部分だけ異物発見の照明対策をしたのだが、効果が上がった。

逆光を改善

ある食肉加工センターで仕入れている豚の部分肉に豚毛の付着が多数あり、改善要求をしても出来ない。
そこでと筑紫、枝肉、そして部位肉にしている工場に行き、調査したら、枝肉になってから洗浄する工程で、洗浄が不足しているようだ。この工程まず改善要求をした。
そのあと、枝肉を冷却のあと、体表のトリミングと検査をしている工程が逆光状態でやっているので、見にくく、確認しにくくなっていた。
これでは豚毛が付いていても発見しにくい。
作業の方向を変え、同じ照明のまま見やすくするように改善要求をした。



スポット照明

ある弁当製造工場では、異物発見効果を高めるために、盛り付け後、蓋をする場所の上に強力なスポット照明、HID照明を取り付けた。
この照明は指向性が強く、異物があった場合目立つ。異物発見がしやすいのだ。
効果を確認してから、ご飯の容器盛り付け工程にも導入した。

洗浄できる照明

泡洗浄は食品工場では必要だ。目に見えない埃やバクテリア、脂汚れなどを落とせる。しかし泡洗浄は照明やスイッチ、機械の電気関係部分にかけることが出来ない。
しかし照明では道路工事などに使っている全天候型照明にすれば、丸ごと洗うことが出来る。泡をかけ、水をかけてすすぐことが出来る。
ある工場では、ダクトの内側等、可能な場所の照明をすべてこの工事用にした。
おかげで照度効果も上がった上、泡洗浄に全面的に対応で、洗浄効果も上がった。

低誘虫タイプの照明

低誘虫タイプの照明にすると、虫の目に見えにくいので、虫が寄らない。工場内の照明を低誘虫タイプにすると、虫のモニタリング器に虫が集中する。
また、工場外側の看板などの照明は誘虫するので、外看板の照明を無くす。夜間照明もやめる方がよい。
駐車場の水銀灯は、低誘虫タイプにすると良い。
(参考:岩崎電気<http://www.iwasaki.co.jp/product/lighting_field/factory/02_2.html>)

照度アップのチューブ

従来の照明に追加できなかったり、設置費用の問題があるのなら、蛍光灯を入れる「ルミキャップ」というチューブがある。
このチューブに蛍光灯を入れると、片面が反射鏡になっているので照度アップになる。設置角度を調整することで、ある程度照明方向を変えることも出来る。
もう片面は低誘虫の波長に変えるフィルターなので、低誘虫タイプにすることが出来る。
チューブに入れることで、完全ではないが、飛散防止に出来る。両端の部分にセットできるキャップもあるので、これを付ければしっかりと飛散防止にすることが出来る。
「ルミキャップ」は、蛍光灯の長さに合わせてカットした製品になっているが、長いロールのままでも購入できると販売店から聞いたので、長短いろいろな長さの蛍光灯を使っている工場では、この方がいいかもしれない。
インターネットで検索すると、販売しているところが多数出て来る。

LED(発光ダイオード)照明

LED照明は、指向性が強いので、目視確認に適する(異物が見つけやすい)という特徴がある。最近の照明関係の展示会、新製品発表などでも続々と製品が開発発売されていて、これから食品工場の修理や新設時、考慮すべきだ。LEDの他の特徴を考えてみる。
  • 寿命長く、4万時間以上の使用に耐えられる。蛍光灯は古くなると照度が落ちていくが、LED照明は照度が落ちないまま使える。4万時間というのは、毎日10時間程度、一般的な営業日の使用で、なんと16年使える。広範囲に考えて、8〜20年位か。おまけに故障しにくいので、交換不要と言うことになる。高所にある照明だけLED照明に変えると交換コストが無くなるわけだ。工場の修理回収の場合、LED照明の蛍光灯互換型が出て来ている。特別な装置やソケットに変えることなく、今まで使っていた蛍光灯をLED照明に入れ替えるだけですむ。
  • LED照明の光は異物が見つけやすいと言うことと、ちらつきが無いので、従事者の目に対する負担は軽減できるのではないかと考えられる。LED照明の省エネ性だが、消費電力が少ない、同じ照度にするならば使用する電力は少なくてすむ。ということだけではなく、発光源そのもの、つまりは本数を少なくすることが出来る。修理回収の場合、蛍光灯と入れ替えることによって、同じ本数で、飛躍的に明るくすることが出来ることになる。あるいは本数を減らして同じ照度にすることが出来るわけだ。指向性が強い性質を利用すると、明るくしたい部分に向けて光を集中することが出来るので、例えば目視しながら製造しているライン、作業台の上に光を集中することが出来る。逆に言えば、それほど明るくなくてもよい、例えば通路部分の光を、製品製造部分に持っていくことが出来ることになる。頻繁に開け閉めする倉庫や、鉄道架線横にある工場など、振動が激しい場所の照明は寿命が短く、耐震型照明にして対応している工場も多いが、LED照明は振動に強いので、この問題にも対処できる。
  • LED照明は落下・衝撃による飛散の恐れが無いので、食品工場に推奨されている飛散タイプにそのまま当てはまる。
  • LED照明の光の性質だが、高指向タイプだけではなく、白熱灯のような落ち着いた光のものなど、いろいろタイプがあるので、作業状況に合わせたタイプを選ぶことも出来るようになってきている。
この様な特性を持つLED照明は、まだ高価だが、以上の特性を考慮すると、最終的には低コストになる。またLED照明装置そのものも低価格化の方向になってきている。

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