在庫圧縮高回転で安全と品質確保

2013/04/25 1:52 に 松本リサ が投稿
以前、ある食肉のパッケージセンターのHACCP構築を依頼され、状況を見るためにとりあえず視察に行ったら、最初に目に付いたのが原材料冷凍庫の大混雑状態だった。どこに何があるのか、担当者もわかっていない状態だ。

この工場は、新設して3年も経っていなかったのだが、清掃が行き届いていないために、汚染、臭いが出ている。せっかくの新設工場が無残な状態なのだ。
どのようなクレームがあるのか聞いたら、鮮度が悪い、ドリップが多い、色が悪い、そして異物混入。この中で8割が鮮度、ドリップ、色といった品質問題だ。
そこで単純な作戦を立てた。冷凍庫を始めとした大掃除をまず行ない、そのあと原材料の鮮度と在庫の管理に進めることにした。
冷凍庫の中にある原材料を全て出してチェックしたら、もう使わないもの、期限切れで使えないもの、半分残っているが冷凍焼けでダメになっているもの、これらを捨て、まともな原材料を整頓して戻したら、半分以下になっていた。
使える原材料も、日付順に並べ(今まで先入れ先出しも、大混雑状態の中で出来ていなかった)、最小在庫状態よりも練習のため少し大目に維持するようにした。在庫場所を決め、先入れ先出しを徹底し、目視で状態が一目でわかるようになった。見る見る原材料の鮮度が上がり、在庫が減り、発注がシンプルになった。
約半年後、それまで年間300件(!!)程もあったクレームは、数分の一に激減し、この状態で行けば翌年のクレームは過去の1/10に出来そうだ。鮮度が良くなり、在庫が少なくなってコストダウンになり、クレーム激減に成功したので、それではHACCPの構築を始めようか、となった。

この頃、ある弁当や惣菜を作っている工場でも、原材料の使用期限と混乱状態の改善をしようということになった。
冷凍倉庫をチェックしてみたら、ここでも半分開けて冷凍焼けしてもう使えない原材料がずいぶんある。半加工して加熱料理をするだけのフライやシュウマイといったもので、未開封の原材料と同じものなのに、開封したパックの日付はかなり古い。
どうしてこうなるのか調べたら、開封して、ある程度使って残ったパックを冷凍庫に戻すのだが、そのパックを次に使うかというとそうでは無く、「小さなロットの注文があった時に使うのに便利だから、そのままとっておき」新しい箱を開けるのだと言う。そして、この半端なパックが、冷凍庫のそこら中にあるのだ。
それではその「小さなロット」がしょっちゅうあるのかというとそうでは無く、いつ来るかわからない。そしてこの半分開けたパックは、そのうちに冷凍焼けしてしまってダメになるか、でなければこれがあるのが忘れ去られ、冷凍庫の肥しになるのだ。
これがわかったので、簡単なルールにした。「開けたパックから使う」
そして、ここでも冷凍庫の大掃除をしたら、出るわ出るわ、半端の肥しパックの山。そして溜まり溜まった霜を掃除して、見た目2倍の容量になった冷凍庫を整頓した。品質も鮮度も良くなり、コストダウンになった。

原材料の期限を守る、というレベルでは無く、原材料の回転を上げ、在庫を圧縮すれば、品質が上がり、コストダウンになるのだ。
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