異物混入発生箇所を見つけた改善例

2013/04/04 19:31 に 松本リサ が投稿
「パレートの法則」というのがある。パレートというのは人の名前だが、この法則は俗に「8:2の法則」とも呼ばれている。
「製品の2割が、売り上げの8割を占める」「100人の営業マンが居たら、20人が売り上げの8割を売っている」といったものだ。
これが食品工場にも当てはまる。
「クレームの8割は、工場の2割の場所から発生している」となる。
さらに「異物混入の8割は、工場の2割から発生している」と言うことになる。

ある漬け物工場で、自分のところではこの法則はどうなっているかを調査した。製品クレームの異物混入の原因はどの工程にあるのかを調べた。
調べ方は、異物混入クレームになってしまったものと、工場内発見の両方で、その異物はどの工程で入ったのかを、徹底的に追求したのだ。
結果、大変なことが分かった。
「漬け込み工程」から、なんと9割が発生している。
「大変だ!」となったのだが、しかし「しめた!」と言うことでもある。
そう、この問題工程を徹底的に改善すれば、クレームの9割が無くなるかもしれないのだ。
現場に行って分析をした結果、いくつものことが重なっていることが分かった。
漬け込み工程というのは、大きな漬け込み槽に野菜をまず一段並べ、塩をかけ、そのあともう一段野菜を乗せ、塩、また一段野菜、塩、という具合に積み重ねて、最後に重しを乗せて漬け込む。
この時、作業者は、体を半分漬け込み槽の中に入れるので、上半身にある異物、毛髪、作業衣のゴミといったのが入る可能性がある。
この作業者のユニフォームはそのとき、普通の帽子(頭巾型では無い、ネットも無し)で、作業衣も襟の開いた羽織型)なので、十分に危険だ。
次に、漬け込み槽が古くなっており、端が欠けていたり、ささくれが出ていたりで、これがはがれて落ちる。その上この漬け込み槽を重ねてあるので、上の槽の外側と底にある異物が下の槽に落ちる。
次は、漬け込み槽を置いてある部屋の空調が古く、ゴミが飛び出している。
ここの照明が暗く、異物があっても発見しにくい。
これらが分かったので、対策が明確になった。
まず最も重要なことは、漬け込み工程の従事者がこの「9割」というのを認識することだ。下手に言うと叱ることになるので、言い方に気をつけ「この工程をしっかりすると、異物混入クレームの9割が無くなるかもしれない、やってみよう」とした。
その上で、帽子と作業衣を、とりあえずこの工程の作業者だけ高機能のものに切り替えた。
漬け込み槽は修理したり、新しくした。
漬け込み槽を積み重ねないようにした。
空調の吹き出し口にフィルターを付けた。
この場所の照明を明るくした。
これらの対策をした結果、3ヶ月ほどしたら、異物混入クレームが激減した。成功したのだ。
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