食品スーパーマーケットでの衛生管理とHACCP

2013/05/09 18:13 に 松本リサ が投稿



Q:生鮮部門のパッケージの中に、時々子蝿が入ってクレームになる。たしかに、バックルームでよく子蝿を見つける、対策はどうしたらいいか?

1. 徹底した清掃をする
子蝿は売り場やバックルームなど、店の内部で発生しているので、時々見つけるのを殺したりしても抜本的な対策にはならない。発生源を絶たなければいつまでもクレームの元になる。この対策は、隅々までの清掃洗浄の徹底を行うしかない。

目で見えたり、手のすぐに届く、作業台や床の清掃は毎日行うことは簡単だが、機械の隅や奥、ほとんど動かさない簀の子の下、陳列ケースの最下段のカバーの下、陳列台の下に敷いてあるマットの下や奥、といった端、隅などの隠れた部分はあまり掃除が出来ないし、忙しいのを理由に大掃除は年に一度といった状況が実情だろう。ところがこういったところに子蝿やゴキブリの発生源がある。これを徹底するには、清掃ヶ所をリストアップし、それぞれに対する清掃の頻度を決め、誰が行うのか、清掃してきれいになったのを誰が確認をするのか、そしてそれを記録をする、といった確実に清掃が行える方法を確立することが必要になる。

2. 頻度を決める
頻度は、効果的に、効率的に清掃をするために特に重要なことである。例えば、床、排水溝、作業室の隅に設置したスライサーなどの機械の裏側、という3ヶ所の清掃について見てみる。まず、床の清掃は毎日に決まっているのだが、床からつながっている排水溝はどうだろうか?床の清掃を毎日行っているのだが、ある日気がついて鉄の蓋がかぶせっぱなしの排水溝の下を除いてみたら、そのものすごい汚さにびっくりした、という経験のある人は多いだろう。鉄の排水溝カバーを開けたら、ヌルヌルになった汚れがしっかりとこびりついていて、手で触るのが恐ろしいのでブラシで突っついたら、お茶わんに残ったご飯のようだった、などとなる。これは汚れだけではなく、バクテリアの塊でもある。この汚れは腐敗もしていて、ハエやゴキブリの大好物でもあるのだ。

では、普段は開けにくい構造になってしまっている排水溝はどうしたらいいのだろうか?これは毎日排水溝を開けて掃除をしなければならないのか、それとも週に一度ぐらいかを、その作業室での排水状態によって判断しなければならない。もし毎日やる必要は無く、せいぜい毎月一度大掃除をすれば汚れはあまりたまらないような状況だったら、その頻度で行えばいい、毎日行う必要は無い。この場合、「時々でいいから」とすると、どの程度が時々かわからないので、結局忙しいままなんか月もやらず、ハエやゴキブリの発生源にまたなったしまうことになる。

そこで「毎月第2火曜日の最終作業で行う」といった形で、はっきりと「頻度」を決めておくのである。そして誰が行うのかを決めておく、交代でもいいし、ジャンケンで決めるのもいいし、全員で行うことでもいい。さらに清掃が終わったら確認する人も決めておく、店長や副店長でもいいし、生鮮4品の各バックヤードどうしで確認することでもいい。例えば鮮魚の清掃後の確認は精肉のチーフが行う、精肉作業室の確認はその逆、という形になる。最後に清掃した人と確認した人がサインをするチェックリストを作っておき、そこに記録をする、という事になる。

3. 場合によっては修繕をする
汚水がかなり大量に出る作業室、例えば水を流すシンクが不足していて、床に常に水を流すようになってしまっている古い作業室での排水溝では、排水溝そのものも痛んできていて、汚れがすぐに付着してしまうものが多い。このような場合、これは毎日清掃をしなければならない、と判断した場合に、もしその排水溝の蓋がも仕上げにくくて大変だったら、ステンレスの軽いものに交換するといい。この程度ならばそれほどの費用は必要は無いだろう、簡単な改善である。こうするとすぐに蓋を開けることが出来るようになって、毎日楽に清掃が出来るようになる。清掃道具も衛生的に管理するようにしておくこと。

4. 頻度は4種類ほどにまとめるといい
狭い作業室の隅にスライサーなどの大型機械が設置されている場合、この奥のすき間の清掃はなかなか出来ない。しかし動かして清掃するのは大変である。しかし、放っておけばここはやはり虫の発生源になる。そこで、例えば月に一度でも、半年に一度でも、やはりはっきりと頻度を決めて機械を動かしての大掃除を決めておくのだ。

このようにして、頻度をそれぞれ決めておき、最終的に記録方法まで行う決まりにしておき、行われていない場合には店長がそれを指摘するシステムにしておけば、古い店舗でも清潔さは維持される。頻度としては、毎日、毎週、毎月、半年に一度、といった4つぐらいの頻度に全て統一すると単純で実行しやすい。

これを行う方法として、まず、作業内容のリストを作成する。部門別に表にするのだが、範囲はその部門〈生鮮4品の各部門〉のバックルーム、売り場、そしてこれをつなぐ通路、バックルーム以外にある倉庫〈例えばパッケージトレイの置き場所など〉になり、その範囲にある対象を全て書きだし、頻度、担当者、確認者、記録簿名、を決める。

これが出来たら、ここで出て来た頻度別に分けた上で、チェックリスト本体を作成する。

5. チェックリストは改良進化させていく
このチェックリストを元に作業を行うのだが、よりチェック作業がしやすいように改善進歩させていくことが大切になる。例えば毎日のチェックリストで、毎日にしては用紙が余るので、1週間を1枚にするとか、毎月と半年のチェックリストでは、店舗全部のヶ所を1枚にすることも出来る。さらにこのチェックリストをオンラインで全店を結ぶ事によって本部で清掃作業の状況を監視することも出来る。

このようにしていけば、例えば毎週の分解洗浄を行わなければならないのにまだ行っていないところを発見して、実行するように指示を出すことも出来るのである。ここまで行けば内部発生の虫の防止から大きく発展をして、食中毒事故の防止にも大きく役立つことになる。

Q:夏場、外からの昆虫が時々バックヤード内に入ってきて、先日これがパックにはいってしまい、クレームになってしまった、対策は?

1. 夕方前から注意
夏場、外から入ってくる虫のことを「飛来虫」といっているが、まず大切なことは、これは夕方、外よりも店内やバックルームが明るくなってから入ってくる確率が大半だということである。飛来虫は光に吸い寄せられるので、特性上どうしてもこうなる。という事は、夕方から気をつけることである。

まず、商品や原料が入荷する場所を、夕方前にしっかりと閉め、開けないことだ。夕方に近づいてから入荷をすることはあまり多くないだろうから、シャッターまで閉めてしまえばいい。時々入荷をする場合があれば、夕方の入荷禁止に出来ないかを検討し、それでもだめな臨時の場合は十分注意をして、内部の蛍光灯を消して素早く入れ、すぐにシャッターを閉めるなどの工夫をすることである。研修のために事務所に入ってくる場合も、例え短時間でもドアを必ず閉める決まりにすることだ。

2. すき間の発見
飛来虫の入り込むすき間を点検して修理をすることも必要だ。従業員入口のドアの下や、お客様出入り口の周囲を見てみると十分に虫の入るすき間があることが多い。飛来虫だけではなく、ゴキブリも外からこういったすき間経由で入ってくるのである。著者が一昨年引っ越したとき、ゴキブリがいるのに気がついたので、どこから入ってくるのかを調べたところ、玄関のドアの下に5ミリぐらいのすき間があったのでここではないかと粘着の捕獲道具を置いてみたところ、ぞろぞろ捕れた。表玄関から堂々と入ってきていたのである。そこでこのすき間にぴったりと入るリース式の靴底拭きを詰めておいたところ、ゴキブリはぴたっと止まった。先日行った総菜工場でも事務所の入り口ドアの下のすき間から入ってきていることがわかったので、修理したところ、効果があったといっていた。スーパーマーケットでも。建物の各所を調べて、発見をしたら塞ぐ工夫をしたらいい。

3. 捕獲機の設置方法
どうしても入ってきてしまう飛来虫や内部発生の虫の捕獲機をバックヤードにつける場合は、出入り口に近い場所の内部に、1ヶ所だけつける。よく数ヶ所につけているのを見かけるが、これだと虫があちこちにウロウロ飛び回ることになってかえって良くない。もし、入り口だけでなく、そこから遠くにある場所、例えばトイレが一番奥にあってここに設置をしたい場合は、あまり見栄えは良くないが天井から吊るすハエ取り紙をぶら下げることだ。お客様に見える場所ではないならば、このほうがいい。明かりを使わないので虫を奥まで誘導することはないし、エネルギーも使わない、捕獲状態がすぐにわかるなどのメリットがある。

捕獲機は、もうあまり無いが、はじいてしまうタイプはかえって異物混入の原因を作ることになるので、格納式のものにすること。また、捕獲機の下には食品を置かないことである。特にむき出しの食品やパッケージ前のトレイなどは絶対に置かないようにすること。

Q:髪の毛や埃のパックへの混入を防ぐいい方法はありませんか?

1. 入場の方法を工夫する
まず、パッケージをするバックルーム内に持ち込まない工夫をすること。このために、バックルームにはいる前に、作業衣、マスク、ヘアネットと帽子などをつけた後、髪の毛や目に見えない埃を取る「関所」を設けることである。具体的には粘着ローラーがいい。例えば、二人1組になり、粘着ローラーをまず自分でかけ、次にお互いに背中にかけ、お互いに確認をしてから「バックルーム入場記録」といった記録ノートを作って、それにサインをしてから手洗いに行くようにする。二人でお互いに確認をしあうことになるし、サインをすることで責任が出、これが記録にそのままなる。

この後手を洗ってから各作業室に入ることになる。という事は全ての生鮮の作業室に行く前にこの場所を通るような方法、構造にすると、ここで集中して異物や埃を取り除くことが出来る。この部屋のことを「サニタリールーム」という。食品工場ではここにエアシャワーを設置して埃を吹き飛ばしてしまう方法をとるところが多いが、高価である。スーパーマーケットでエアシャワーまではいらないだろう。

2. ポケットに異物混入の原因になるものを入れない
作業衣内部の衣類にも注意が必要である。牛肉のパックに赤い毛糸のクズが入っていたことがあるが、これは従業員のセーターのが入った。毛玉が落ちやすいタイプのセーターを着ることは禁止したほうがいい。作業衣のポケットの中にいろいろ入っているとこれがパッケージの中に落ちることもある。たばこのくずがパックの中に入っていたこともあるが、これは従業員のポケットに入れていたたばこだと推定した。

くずや埃になるものをポケットに入れてはならないが、ポケットがあるからモノを入れるという考え方から行くと、ポケットを作らない、取ってしまう方法もある。乱暴な方法かもしれないが、確実だ。異物混入の原因になる私物はロッカーに全部置いてきてしまったほうがいい。休憩時間にたばこを吸いたい場合は、ロッカーまで戻ってから規定の場所に行って吸うことになる、という事は再び作業室まで戻る場合は、サニタリールームを再び通ってから最入場することになって安全である。

3. パッケージ作業場所の上に注意する
作業台の上の棚に埃や塵芥があると、トレイをとったときに一緒に入ったりする。この場合は月に一度程度の頻度で清掃をすること。クーラーが古くて塵芥が吹き出すような状態だと危険なので、このような場合は年に2度ほど定期的に点検と大掃除をするようにするといい。壁につけたパッケージ台の上部にある窓のサンから埃が落ちる危険があれば、毎月一度清掃をするようにすること。パッケージ台が中央にあった場合でも、上を見てみると、埃がたっぷりと溜った蛍光灯とその笠が見つかることも多い。すぐに清掃をしてから、半年一度の大掃除のリストに入れること。

4. 最終のラップ部分の照明を明るくする
パッケージの最終段階はラップフィルムを巻くところになるが、この作業時に異物が入っていないかどうかをチェックする。見つけやすくするためにはこの作業場所の照明を特に明るくするといい。この後の値付け作業時にも目視で確認できるが、価格の間違いが無いように集中することが重要なので、最終の異物混入チェックはラッピング作業にするのがいいだろう。

Q:サシミやサラダ、サンドイッチ、おにぎりなどの米飯といった生食での食中毒が心配です。どういった対策がありますか?

1. 肉、魚、卵に気をつけること、サシミは専任にする
食中毒の3大菌は、サルモネラ、O-157に代表される病原性大腸菌、それに腸炎ビブリオである。サルモネラと病原性大腸菌は両方とも食肉と卵が大元で、腸炎ビブリオは魚類から来ている。という事は、総菜でサラダなどの生食を扱う担当者は、そういった作業室に近づかない事が大切になる。総菜の作業室では、加熱作業と生食の作業を別のライン、場所にすると安全性が高くなる。


では鮮魚のサシミはどうしたらいいかというと、サシミの作業場所を独立させることである。もしそうでない場合はバックルームのレイアウトを何とか工夫をしてサシミ作業台を別にしたほうがいい。これからバックルームの設計やレイアウトを行う場合、もし少し余裕があるのならば「サシミ作業室」を囲うようにするといい、さらにここに入る人は専任にして、手洗いやマスクなどの個人衛生を特に厳重にするといい。

2. 黄色ブドウ球菌に注意
黄色ブドウ球菌というのは、ニキビや、3割の人の鼻の穴の中にいるもので、ごく一般的にいるバクテリアである。これが食品に付着すると次第に増殖をしていくのだが、あるところまで増えた段階から爆発的にエンテロトキシンという毒素を作り、これが食中毒を起こす。2000年の夏に起きた牛乳の大食中毒事故の原因とされたのがこのエンテロトキシンだ。

十数年前になるが、アラスカからヨーロッパに飛行中のジャンボジェット機の乗客の半数近くが飛行の中間地点で急性の食中毒にかかってしまったが、この原因が黄色ブドウ球菌だった。この飛行機に乗せる機内食製造工場の従業員が自宅でペットのオウムを飼っていて、これに指を噛まれて怪我をし、膿んでいるのを知りながら食中毒の知識が無かったものだから、サンドイッチのハムをパンに乗せる作業に入ってしまった。

黄色ブドウ球菌というのは怪我の膿みにたっぷりと入っていて、ニキビも黄色ブドウ球菌の塊である。という事で全てのサンドイッチに黄色ブドウ球菌がばらまかれ、これが機内で食べられるまでの約10時間ぐらいの間に菌が増え、エンテロトキシンが作られ、大規模な食中毒事故に発展してしまったのである。

この例を見ればスーパーマーケットのサラダ、サンドイッチ、おにぎりなどの組み立て作業に、ニキビがあるアルバイトを入れてはならないことがわかるだろうし、怪我をしていないかどうかを作業前にチェックする必要があることも理解できるだろう。なぜマスクをしなければならないかもわかる。冬など手アレをしている場合も黄色ブドウ球菌がいるので、そういった人は生食作業に入れないようにしなければならない。作業がやりにくいが手袋をするということが如何に必要かこれでよくわかるだろう。


Q:総菜で、豚カツや唐揚げが「半生」だったというクレームがあります。揚げすぎると硬くなって美味しくないし、半生でクレームや万一食中毒になったら心配です。いい方法はありますか?

1. HACCP方式にする
揚げた後の中心温度を計って確認する。これはHACCP方式といって、調理の安全性を高めるために、調理の工程の中でもっとも重要なところを見つけ、そこに集中して注意をする方法だ。鶏の唐揚げを例にとると、従来から行われている方法は、経験で唐揚げをして、そのままスーパーマーケットならば陳列、総菜工場ならばパッケージをして出荷をすることになる。これに対してHACCP方式は、温度管理や衛生管理に注意をしながら、調理工程の中で安全性をかなり確実にできるところを徹底的に注意をすることである。この場所をCCP〈重要管理点〉といっているが、要するに「関所」である。唐揚げの場合は油で揚げた後、その唐揚げの中心温度が75℃以上になっていれば食中毒菌は完全に死滅しているので、この温度を頻度を決めて測定をすることになる。

従来方式とHACCPの違い(フライ製品の例)


HACCP方式は、多くのPP〈一般的衛生管理〉と、5ヶ所以内のCCP〈重要管理点、関所〉の2つの方法で安全性を高める。

2. 温度の範囲
温度についてだが、75℃以上になれば安全になるのだが、上限温度も重要だ、揚げすぎれば硬くなってジューシーでなくなり、美味しくないので、結局売れなくなってしまうからだ。

例えば75〜85℃程度にすれば10℃の幅があるので、安全でなおかつ美味しい唐揚げにすることが出来る。この場合75℃は「安全」のポイントであり、85℃は「美味しさ」の限界になる。安全と美味しさという品質を同時に満たすことが出来るのである。もちろんもっと厳密に「75〜80℃」と範囲を狭く決めてもいいが、この範囲に入れることが難しくなるのならば意味が無い。

HACCPの場合、もし決めたこの温度範囲を外れた場合、そこで調理を止めて、なぜ外れたのかを調べ、その原因を直さなければ再び調理をしてはならない決まりになっている。もし65℃になってしまったら、その時作った唐揚げと、その前に作ったものも危険な製品になっているということなので、そこで作業をやめ、原因を見つけることになる。原因がヒーターがおかしいとか、ガスがおかしい、機械の不調といったことで特定されたらそれを直してから再び調理を開始することになる。では不良になってしまった製品はどうするかというと、捨てるか、再加熱調理をするか、あるいは煮物などの別に料理にする、といったことを行わなければならない。

3. 頻度をどうするか
では、どういった頻度で行ったらいいかだが、極端に全部の唐揚げにしたものを測定したら、一度測定したものは温度計の針を刺してしまっているので、販売できないから、全てが売れなくなってしまう。

では、昼と、夕方ピーク前の2回計ったらどうかというと、いつも問題の無いままならいいのだが、昼計ったときは80℃だったのだが、夕方前に計ったら60℃しかなかった、となると、昼以降のいつから問題が出たのかわからないために、この場合は昼に測定した以降の全ての唐揚げに問題があることになる。

このようなことから計測確認の頻度は、頻繁になりすぎると作業やりにくくなるし効率が悪く、あまり間を開けると問題が出た場合のリスクが大きくなるので、その現場でのもっとも効果的な頻度を見つけることが大切になる。

4.バッジ式と連続式では違う
例えば総菜作業場のフライヤーがバッジ式で、一回づつまとめて調理をする方式ならば、そのロットごとに一度計ればいい。もし大型の総菜売り場で、コンベアーフライヤーで連続式に揚げているのならば、「30分ごと」とか「1時間毎」といった適切な頻度を決めたらいい。最初の頃には15分ごとに計り、1月ぐらいしてからこの温度変化を見たうえで、もっと頻度を落としても大丈夫だと判断すれば、1時間毎などに変えればいい。コンベアーフライヤーの場合は、油の温度とコンベアーのスピードを監視していれば連続的に見ることが出来るので、これと併用する方法もいい。

5.毎週HACCPの対象を一だけ決めるところから始める
唐揚の例のこのような測定、HACCP方式は、全部のアイテムで行おうと考えると、対象アイテムの数があまりにも多いので、とてもではないが不可能である。この対策としては、全部を行おうと考えるのではなく、毎週1つだけ実行する方法がいい。例えば今週は唐揚げを行い、次の週は豚カツ、その次はてんぷら、といった形で行うのだ。

週に1アイテムだけでも行うことだけで、HACCP式方式が定着するし、1週間だけでも行なっただけで、測定しない週でもある程度習慣となり、時々でも不定期に測定することで、安全性を保つことが出来るようになる。この考え方が各店舗の担当者に入り込めば、今までよりも飛躍的に安全に製品を調理することが出来るようになるのだ。

店舗展開しているスーパーマーケットでは毎週例えば火曜日に「今週のHACCP対象アイテム」を全店舗に指示して徹底する、といったことが行なえる。この方式ならば楽にHACCP式考え方が店舗に入っていくことが出来る。

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おしまいに:基本的には一般的衛生管理の徹底になる

厚生省では総合衛生管理製造過程という形で主として食品工場におけるHACCPを推奨している。この方式は、工場〈スーパーマーケットでいえばバックヤード〉の衛生管理や施設設備の維持管理、及び個人衛生と、これら全てに関する教育で構成される「一般的衛生管理」と、製品の製造工程〈スーパーマーケットでは各アイテムの調理工程〉で、どこに集中して気をつけたらいいのかを考えて実行する「HACCP」の組み合わせである。一般的衛生管理で衛生管理の土台を作り、HACCPでさらに製品ごとに安全にする方式である。

一般的衛生管理でどのように異物混入事故が防げることが出来るかというと、
1.で、清掃、サニテーションを徹底する。
2.で、虫や異物が入ってしまうとどういうことになるかを良く教える。
3.で、虫の入りやすいところをふさいだり、すき間などの点検修理をする。ドアのすき間なども徹底する。
4.で、駆除、防除、発見を、専門業者と分担して行う。
6.で、ハエなどの発生を押さえるためのルール〈ごみ捨ての頻度を短くするなど〉を徹底する。
7.で、虫や異物の入らない個人的行動を実行する。
8.で、虫の発生や異物混入事故が出ない取り扱い〈原材料の搬入時のシャッターの開け閉めや、倉庫での扱い方法など〉を徹底する。

このような総合的な対策を行うことである。
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