ノロウイルスを施設設備とソフト面で対策をする

2013/04/10 20:36 に 松本リサ が投稿
年末になると毎年ノロウイルスが猛威を振るう。
対策は手洗いや塩素系での殺菌で、これらの方法はテレビのニュース解説や保健所からの通知や情報が出ている。これらと合わせて、食品工場で重要なことは、施設設備と、ルールや規定といったソフト面でどう対応するかだ。

加熱後の工程を徹底的にチェック
加熱殺菌工程がある製品では、加熱でノロウイルスだけでなく、主要な食中毒菌は死滅する。ここがCCPになるが、これで安心してはいけない、問題はその後の工程だ。殺菌をした後、冷却して、パッケージが終わるまでの工程で食中毒危害が入る。
総菜や弁当工場で考えてみよう。
食材をフライヤーやオーブンで加熱した後、冷却工程に入るが、このときに食品を入れるバット、入れ替えるためのトングなどの道具、冷却する場所の清潔状態。
そして冷却が終わったことを確認する温度計は消毒されているか、そのバットなり温度計に触れる担当者は手洗いの上に手袋をしているか。
また、手袋をしていても、それで冷蔵庫の取っ手や手洗いの取っ手を触っていないか。取っ手は多くの人が触るため、誰か一人の手に食中毒菌が付着していたら、取っ手を解して多くの従事者に汚染が広がる。
この後、盛りつけあるいはパッケージ工程に入るが、それらのコンベアーや作業台は大丈夫か。コンベアーのスイッチを触った手で、直接食材を触ってはいないか。
パッケージにフィルムを使うなら、そのフィルムを汚染された手で触っている可能性はないか。フィルムを巻く機器が汚れていないか、消毒されているか。袋に入れるなりフィルムを巻く場所の上は汚染されていないか。

こういった、加熱殺菌工程の後、パッケージが終わるまでのすべての工程で、危害の可能性はないかを、フローチャートを使って危害分析をする。
この中で、漏れやすいのは、スイッチ、取っ手、道具などを触った後、直接食品を触っていないかをチェックしてみる。

容器の箱詰めにも注意
フィルムやパウチパックでも、瓶や缶詰めでも、パッケージが終わった後の箱詰め工程で、もしノロウイルスに汚染された手でパッケージした場合、それが何らかの形で顧客が食べるときその食品に入る可能性もある。
ノロウイルスは少量でも発症するが、今年は特にわずかな数が体に入っても発症しているようだ。
トイレで手を洗わないと、億単位のノロウイルスが手に付着するという。それを百個食べたら発症するといわれていたが、今年のはもっと少ない数でも発症するという。汚染された手で箱詰めしてはいけない。箱詰めだからといって、油断してはいけない。

取っ手を触らないように改善する
ATP検査をしてみると、多くの人が触る取っ手部分の汚染がひどいところが多い。
実際トイレのドアノブや作業室への入場ドアのノブなどでノロウイルスや黄色ブドウ球菌が発見されている例はいくらでもある。
この対策として、これらを無くすことが出来ればいい。重要なことは、施設設備がその状態にあるだけで、安全性が高いようにできればいいのだ。その上で、ルールなどのソフト面でさらに徹底することだ。
水道の栓は、肘開け型に簡単に換えることが出来る。
ドアのノブは、押し開ける側のノブを取ってしまえば、体か肘で押し開ければ、手で触らなくてすむ。反対側で引き開けるようになっているなら、腕で引っかけて開けるような大きな引き手に換えればよい。ドアノブを回してロックを外すような構造なら、ロックを取り去り、スプリングで閉まるように改造する方法がある。
特にトイレのドアノブは要注意だ。トイレに入り、トイレットペーパーで拭いても、ペーパーを通してノロウイルスなどで手は汚染される。何しろ30枚以上だか重ねないと細菌やウイルスは通過してしまうというのだから。
その手で水洗の蛇口を触る。そしてズボンをあげるとき、ベルトやズボンに触る。そして個室のドアノブを触る。その後やっと手洗いになる。しっかり手洗いをすればいいのだが、それでも個室の水洗ノブとドアノブは汚染されている。
もし手をよく洗わないと、トイレから出るドアノブを汚染する。その手で作業室に再入場するとき、ノブに触る、粘着ローラーの取っ手に触る、水道栓に触る、エアシャワーのドアノブに触る。一人が手洗いをちゃんとしないだけで、これらを通して汚染が広がるのだ。だから取っ手やノブは無いほうが良い。スゥイングドアなら手で触らなくても開閉が出来る。
スイッチ類も汚染される。冷蔵庫の下げひもスイッチ、オーブンなどの調理機器のスイッチ、照明スイッチなどだ。これらを無くすことは出来ないから、食材に触る前にこういった要注意場所を触っていたら、必ず手洗いをすることを徹底する。ついうっかり忘れることもありそうなので、常に食材に触る前には危険なところを触っていないかを考えることだ。

塩素系殺菌剤を使う、健康チェック
オーガニック製品などで制限がある場合もあるが、塩素系殺菌剤を使うようにする。清掃洗浄後の殺菌消毒だけでなく、トイレや食堂、休憩室などの共有部分の拭き掃除の時も使う。
健康チェックが重要だ。発熱、下痢をしていたら危険信号。発症するまで1〜2日かかるため、発症した日の前日に製造した製品が汚染されている可能性もある。そうなるとどうしていいかわからなくなるが、基本的に手をしっかり洗い、安全のための規定を守っていることが大事だ。

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