米国の中小規模水産加工施設Bornstein SeafoodのHACCP事例

2013/05/10 17:26 に 松本リサ が投稿
  • 概要
    • ワシントン州シアトル北のカナダとの国境にあるBellingham
    • 扱い魚種:深海魚、ロックコッド、ヒラメ、サケ、オヒョウ
    • 原料:アラスカ、カナダ、北カリフォルニア
    • 加工内容:フィレにカット加工、加熱調理済みの「レディ・トウ・フィッシュ」
    • 製品リスト

  • HACCPの歴史
    • 5年前かあらHACCPを独自に行っている。
    • 最初のきっかけは、軍隊に製品を販売するために必要だったから。
    • その頃は、政府サイドは、商務省だった。
    • ワシントン州の場合、HACCPはFDAが商務省に委託をして進め始めた。これは、週ごとに違っていて、たとえばオレゴン州ではUSDAがFDAから委託をされてHACCPを進めてきた。
    • 98年からFDA管轄になった。
  • HACCPの効果
    • 歩留まりが上がった
    • 温度、重量、においなどを記載する。
    • 問題を起こすケースが少なくなった。
    • 工程上で問題点をチェックするというシステムなので、各工程ごとに問題を解決できる。
    • 汚染のケースが少なくなった。
  • 費用
    • 5年前から少しずつ進めているので、費用はそれほどかかっていない。
    • 政府に検査を独自にしてもらうと、1時間あたり120ドルの人件費と、1枚あたり100ドルに認定証が必要になる。しかし、独自にHACCPを行えばこの費用は要らなくなる。
    • 社員の一人をHACCP担当者に指名して、シアトルのSure Fishの教育を受けさせ、HACCPを始めた。この一人の人件費は年間4万ドル。しかし、もともとの社員を教育して、HACCPを始めただけなので、新しく出てきた費用ではない。
  • 漁船から工場内への運搬:なるべく人間の手を介さない
↓漁船の上で魚を上げて、海水と一緒に、太いパイプで魚を工場内に流し込むポンプ



↓左に船、右は魚体の大きさが不ぞろいのものを、選別しながら上げる機器。奥の円柱形のものは製氷機。



↓製氷機。原料水は水道を使う。FDAのインスペクターは、水のチェックを最初に行う。


↓作業用のコンテナーは、すべてプラスチック。ワシントン州ではプラスチックでないと許可にならない。(東部のボストンでは木でも許可になる)



エビの加工システム

受け入れが、最初のCCP
↓水揚げされたエビは、ボイル機に入る。

85℃でのボイル:CCP

コンベアスピードと加熱温度で、連続した管理をする。
エビの場合、大きさによってコンベアスピードと加熱温度が違う。大きなエビは、肉の中心まで加熱するのに時間がかかるので、コンベアスピードが遅くなり、小さなエビは、素早く加熱できるので、コンベアスピードが速くなる。
エビのサイズは、1ポンド当たりに、何尾あるかが、世界共通のサイズ表示。たとえば、8/12,というのは、1ポンドの中に、8〜12尾ある、大型のもの。13/15,16/20,21/25,26/30,といったことになり、このサイズによって、コンベアスピードと温度を調整をし、連続して均一の加熱調理を維持する構造になっている。
加熱をしすぎると、オーバークックと言って、堅く、味が抜けてしまう。理想的な仕上がり肉中温度は、72℃程度。

↓ボイル工程を出たところ。



↓ボイル後、皮と背わた(エビの内臓の一部)を、針で引っかけるような構造の特殊な機械で取る。右側の機械で、90%以上除去



↓左側にある機械で、残りの数%を取る。



↓最終的に細かい異物を取り去り、急速凍結機にコンベアーで移動する。



↓コンベアー式の急速凍結機。ここはCCPで、コンベアーのスピードで連続した凍結加工管理をする。



作業、カッティングライン

↓作業後の状態。作業者用の台の下、裏側まで洗浄され、立て掛けた状態にする。こうすることで、完全に洗浄されたことを確認し、水分を切り、バクテリアの繁殖を押さえる。



↓12月が季節のシアトルのカニ。

カニのCCPは

85℃でのボイル
ボイル後、14.4℃までの急速冷却

↓棚などは、極力シンプルに、必要なもの以外はつくらない、置かないことがGMPの基本



↓急速凍結用のキャスター式冷凍パン。すべてステンレス。


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