クレームの大半は一般的衛生管理で押さえ込める HACCP構築、初期の10ポイント

2013/04/26 0:11 に 松本リサ が投稿
1. 一般的衛生管理を中心に土台を構築:クレームの大半はPP
クレームで最も多い異物混入は、清掃と個人衛生をしっかり行なうことでかなり防ぐことが出来る。ゴミや発生する髪の毛が少なくなればクレームは減るし、清掃をしっかりとすれば内部発生の虫も減少させることが出来る。同時に、バクテリアを減らすことが出来、食有毒の危害まで減らすことが出来るのである。パッケージ不良など機器の問題やメンテナンスから来るクレームはメンテナンスを強化することで相当安全になっていく。一般的なクレームはほとんど一般的衛生管理で防ぐことが出来る。まず、一般的衛生管理をしっかり行なうことだ。

2. 教育は粘り強く、現場の理解に1年がかかる:朝礼、通信、掲示、活動・・・
基本は教育で、なぜ行なうのか、どうして必要なのか、ではどのようにしたら良いのか、教育することは多いのだが、一遍に行なっても身にならないので、少しずつ、こまめに、例えば毎朝の一分間ミーティングなどで行なうことだ。教育で理解できるようになれば、自主的に衛生管理を工夫するようになっていく。KAIZEN(改善)という言葉が英語になっているが、これは日本で行ってきていた品質改善のための活動、グループ活動から来ている。衛生管理のKAIZENは、教育からスタートをする。



3. 出来るところから取り組み、続ける、工夫する:とるのではなくやる
身近な、直ぐに出来るところから順に行なっていくのなら、自然に構築が進んでいく。難しいことを考えて実施がなかなか出来ないよりも、例えば「扉は開けたら直ぐ閉める、なぜなら虫が入ってくるから」と言ったところからはじめる。HACCPの取得、承認に最初から走ってしまうと焦り、書類は出来たが現場での活動はさあどうしよう、ということになっている例が多い。取ることではなく、実施することがまず大切なのである。実施し、工場のものになれば、今度は取得のことを考えたら良い。まず、安全で、クレームのでない製品が出来る工場にすることが先決なのである。

4. 進行状況が全員にわかるようにする:ステップの何番目か、何を実行して、何がまだか
構築プログラムを一覧表にし、今どこまで進んでいるのかを、印をつけて、掲示板などに貼っておくと、構築の状態がわかる。HACCPは全員が参加するものだから、全員がわかるようにしておくことである。

5. 施設設備の改修改善は、半年ぐらい勉強をしてから行なうと効率的、費用の点でも効果的
改修工事や機器の買い替えなどは費用がかかるものだ。全体を把握していないうちに、先を急ぎすぎてしまうと、無駄な費用をかけることになってしまったり、もっと効率的な金の使い方に後から気が付いたりしるので、ある程度理解してから計画を組み、それから実行したほうが安全だ。

6. 保健所に相談しながら進める
地方ごとにHACCPについては自治体が独自に資料を作ったり、バックアップ制度を作ってきていたりしてきている。どのようなものがあるのかは、都道府県の担当部署(衛生部など)に問い合わせてみると良い。保健所に行くと、別な情報があることも多いものだ。初期の段階で保健所の考え方を聞いておいたら良い。

7. なるべくパソコンを使う:文書・記録・写真管理、情報アクセスなど
マニュアルを作ったり、文書を作成したリの仕事が多くなるが、これらをコピーして別の資料を作ったり、資材や規定を変更したり、表にしてチェックリストを作ったりと、パソコンを使うことで作業がスピードアップする。HACCP関係の情報にアクセスするために、インターネットは欠かせない道具になっている。パソコンを最大限に活用する。

8. 多くの工場を視察研究する:どんな工場でも参考になる
工場をいろいろ見る機会を作ることだ。HACCPを実施している目で見ると、それぞれどのような工場を見ても、工夫している場所、苦労している個所は良く見えるようになる。そこに自分の工場の問題を解決できるヒントがあったりする。日刊工業新聞社から「食品工場で学ぶ遊ぶ」と言う本が出ている(1300円)、これに数十の見学可能工場が紹介されている。

以下は、ホームページで工場の見学ができるようになっている。
ここの工場は、隔月に工場視察セミナーが開かれている(有料)

9. 最初の時期に、1ヶ所をCCP(又は重要なPP)に仮指定して実施しはじめる(練習・経験)。
例えば加熱調理工程のある製品では、温度計を購入して、温度が何度になっているか計測してみると、状況が良く把握できる。今まで温度という判断基準を知らないまま来ているところに、温度を測って状況を見ることが出来るということがわかっただけで大きな進歩なのである。計測頻度や記録方法はHACCP計画が大分進んできてから決めていけばいいから、最初の段階で「温度を測る」習慣を付けるようにするだけでかなりの進歩になる。

10. サプライヤー、物流、販売先とも共同で進める
問題のある原材料を入れないためには、サプライヤーにも安全管理をしてもらう必要がある。出来た製品を安全に販売先に持っていくには、倉庫と物流が大切で、これを外注している場合には、そこに安全管理体制を構築してもらいたいものだ。製品が販売先に行ってから問題が出ないようにしなければならない。これらをつなげなければならない。これを「HACCPチェーン」と言っている。

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