コストパフォーマンス良い真空調理

2013/04/26 0:18 に 松本リサ が投稿
東日本の弁当惣菜工場。 
弁当主体の為、製造時間は深夜から早朝にかけて行い、朝の出荷が終わったあと、昼前には洗浄が終了する。実質的な製造作業は少なく、せっかくの設備が空いている。 
そこで、工場の空いた時間を使って真空調理システムを稼働させることで、自社製品と給食施設への納入も行い、工場の操業率アップとアイテムと売上の増大、利益アップを目指した。 
真空調理は、下処理した食材とソースを真空パックし、そのまま65から90℃〔調理素材や料理によって温度と時間が変ってくる〕に中心まで加熱し、急速冷却して保存する。歩留まり100%、個パック料理も大型パックでの調理も出来る。 
給食施設に供給すれば、施設で簡単な加熱をするだけで、温かい料理を大量に一気に提供することが出来る。 
真空調理製品の保存は5日間程度が一般的だが、そこまで保存せずとも、3日間の間に提供あるいは使用するだけで、安全性と安定供給が出来る。 
真空調理システムのテストランは問題無く出来たが、これを弁当素材に入れるのに、保存してあるパックをどの程度再加熱するかが問題になった。どうすればいいのか…… 
そこで、専門家に相談をしたら「なぜ二次殺菌をする必要があるのか?」 
真空調理したパックを開けて、弁当容器にそのまま入れればいいのだ。しかし念のため細菌検査と官能検査で検証をし、問題無し。効率良くなりコストパフォーマンス効果も素晴らしい。考えてみればその為に真空調理に挑戦したのではないか。

弁当に入れる料理では、クックチルとの併用を行う方法もある。一般的に弁当の料理は調理してから急冷し、具材が揃ってから弁当容器に盛り付ける。これもクックチルに近いのだが、科学的な「T・T管理」にすることで、より確実で安全な管理ができる。 
クックチルで行うメニューと、真空調理で行うメニューを割り振り、製造ラインの時差管理を行うことで、効率良い生産管理ができる。

チャーシューを真空調理したらどうなる?

今度は西日本のある惣菜工場。 
中華風サラダに入れるチャーシューの調理を、豚肉ブロックをまずボイルして臭みを出し、そのあと追加しながら使ってきているタレで煮込み、冷却し、スライスしてサラダに入れている。歩留まりは60%ぐらいだという。一般的な方法だ。 
そこで、真空調理の提案をしてみた。 
豚肉ブロックをタレと一緒に真空パックし、コンベクションスチーマーでも蒸し器でもボイルでも加熱調理し、そのあと急冷したらどうか。歩留まり100%。これで豚肉の臭み〔原材料の豚肉の品質にもよるだろう〕の問題、味の問題など、検証してみたらどうか。 
タレを使った真空調理〔パウチクッキング〕のローストポークということになる。 
「そんなことは考えたことなかった」ということだが、テストが始まる。どうなるか楽しみだ。

T・T管理について、加熱については、加熱温度と時間によって違ってくる。例えば、90℃で10分、85℃なら36分というようになる。食材や料理によっても違い、例えば、肉料理なら63~70℃、魚料理だと65~75℃、野菜・果物なら90~95℃といった具合。 
冷却については「加熱調理後2時間以内に21℃、さらに4時間以内に7℃まで冷却の場合、4日間の保存期間。また、加熱調理後2時間以内に21℃、さらに4時間以内に5℃まで冷却の場合、7日間の保存期間」といったようになる。 
いずれも、クリーンな製造環境の中で行うことと、温度と時間の関係で保存期間が変わって行くので、レシピ毎の検証が必要だ。
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