ぎりぎり合格は合格ではない

2013/04/23 3:05 に 松本リサ が投稿
「ぎりぎり合格は合格ではない」という話をHACCPセミナーで聞いたある総菜工場のトップは「うちはどうなっているか?」と工場に帰って品質検査室に聞いたところ、製品の細菌検査結果が、合格ではあるけれども、あまり良くない製品が2割ほどあった。ぎりぎり合格も結構出ている。数値は突然増えたり、良かったりと、不安定でもある。

これでは駄目だと原因を探るように指示した。

原材料由来、製造工程由来、製造環境由来、従事者由来と、広範囲に調べたが、どこに根本的な原因があるのか分からない。製品別に調べても、この製品だけが悪い、といったのはなく、ランダムに悪かったり、やはりぎりぎり合格もある。

いったいどうしたらいいのか分からなくなり、簡易クリニックの依頼が来た。

半日のクリニックとミーティングにより、「複合汚染」ではないかと結論した。原料、半製品の段階、製造工程、工場のすべての製造室と保管室、従事者全員の個人衛生不備と「衛生管理認識」の甘さ、こういったすべてのことが「不合格」なのではなく、「適当に悪い」ため、つまりは、百点満点で、ある程度合格が80点だったら、それが多くのところで70点レベルで、それが重なり合い、複合されて、結果的に「合格には入るが適当に悪い」製品成績になっているのだろうという結論だ。

具体的にどうしたらいいかは基本的なことで、一般的衛生管理とHACCPの構築だ。
そのために重要なことは「全員の認識」だ。製品成績が不合格ではないがそれほど良くない。これをよくするためには、全員の活動が必要だ。手洗いでも、洗浄でも、整理整頓でも、温度管理でも、各製造工程、各人の衛生管理を見直すことで、製品成績を良くしよう、という活動を活発にすることだ。

一年ほど後「成績が非常に良くなった」と連絡が来たので、「それで、問題はどこにあったか分かりましたか?」と聞いたら、結局分からなかったそうだ。認識で全員が活動した結果、根本的が原因箇所はどこか分からないまま、良くなった。やはり複合汚染だったようだ。

「認識」によって、総合的に良くなったわけだ。
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