チラー水

2013/05/01 22:21 に 加藤光夫 が投稿

チラー水の設備は結構かかる。もし小型の工場でこれを改善するなら、冷塩水処理という方法がある。塩度0.9%(生理食塩水の濃度)程度の塩水をつくり、氷を入れてしっかり冷やし、これに洗浄したい魚を入れて洗浄する。手を入れたら冷たいので、ざるに入れる等してバサバサと洗い、洗浄と急冷を一緒にする。こうするとびしっとしまり、温度は0℃になるので、水を切り、きれいなカウンタークロス等で拭き、パックするなり、更に切り身加工するなりする。

魚だけではなく、肉、内臓肉でも同じだ。

冷塩水は次第に汚れていくので取り替える。取り替えは、入れる食材の状態と量によるので、目視で様子を見て、一度細菌検査等をして検証して頻度を決めればよい。

スーパーマーケットの鮮魚売り場のバックヤード(加工作業室)で、やはり魚の処理をするのに、シャワーを使って魚を洗浄しているが、これも夏場水道水を使ってのんびり洗ったりしたら、魚の鮮度を落としてしまう。同じように、冷塩水を使うなり、大型店舗ならチラー水の設備をするのが良いだろう。

海鞘(ホヤ)、牡蠣、ホタテを漁港市場から買い、むき身に加工している工場では、減菌冷却海水を使っている。海水を減菌し、冷却してチラー水にしたのを工場内に入れ、これでむき身にした貝の身を洗浄している。そしてロケット包装(チューブ包装)やトレイパックでこの水と一緒にパッケージしている。

ブロイラーの加工工場では、鶏を絞めたあと、羽根を取り、そのあと内蔵を取る。肉本体と内蔵の急冷にチラー水を使っている。

米国ポートランドの雲丹加工工場では、米国ボストン周辺からその北のカナダで捕れる雲丹を水揚げし、身を取り出し、きれいに並べてパックして日本に送っている。

この身を取り出したあと、一度洗浄してゴミを取り除き、そのあと仕上げ洗浄をしてから盛りつけるが、この洗浄水を以前は常温の水道水を使っていた。しかし十年ほど前HACCPを構築し始めたとき、この水の温度ではダメだと分かり、チラー水設備を入れた。温度は4℃設定。これにしたら、雲丹の鮮度がよくなり、ミョウバンの使用量が激減した。ミョウバンを入れるのは雲丹がどろっとしたのを防ぐためなのだが、雲丹を急冷することで、ミョウバンの使用量が減り、鮮度と味が良くなり、販売量が増加して行った。

カット野菜工場では洗浄にチラー水を使っているが、小型の総菜工場等でサラダ用に野菜をカットし、洗浄するのに、氷水を使うとパリッと仕上がる。野菜の場合は塩は使わない、氷だけ。

洗浄水の温度で、鮮度を下げていませんか?


著作:株式会社 フーズデザイン 加藤光夫

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