CCPのモニタリング(監視方式)の設定

2013/05/19 23:41 に 松本リサ が投稿

重要管理点を適切な頻度で監視するシステムの設定(原則4)

ポイント
温度なら温度計など、チェックする方法や道具を決める(手順9:測定方法を設定する)

ここでも、内容、頻度、担当者、確認、記録。製造方法によって確実な方法を決める。

管理基準が決まったら、次にそれを測定する方法を決める。確実に、すぐに逸脱したことがわかる方法である。ここで一般的衛生管理で行なった5つの項目を再び使う、内容、頻度、担当者、確認、記録である。内容は管理基準の測定になり、その次に頻度になる。フライドポテトの調理で、フライ後の肉中温度が75〜80℃と設定したら、それを測定する方法は肉中温度計になるのだが、測定する頻度を決めるなければならない。バッジごとに調理するフライヤーだったら、一つのバッジで一回測定すればいいが、フライヤーがコンピュータ管理で、油の温度と、バスケットを油内に入れる時間が自動的にコントロールされていて、一度に入れる食材の量も決まっている場合、連続的に何度フライしても最初の測定がその後も確実に維持できるのであれば、5バッジとか10バッジごとに一回の測定でもいいかもしれない。

これがコンベアーフライヤーだった場合、常に連続して調理されていることになるので、ロット毎ではなく、何分毎に測定ということになる。あるいは、油の温度とコンベアーのスピードの2つを常に監視をすることでもいい、この2つが一定であればフライヤーから出て来たものは常に規定の温度になっていることが証明されていればいいことになる。この条件としては調理する食材の形と重量がほぼ同じだということが必要だ、食材の一つ一つがあまり違っていたら、フライ後の肉中温度も大分違ってきてしまうからだ。

米国ワシントン州にある魚介類の加工工場では、シュリンプ(エビ)のボイル製品も作っている、このボイル工程は、コンベアーでスチームトンネルをくぐらせていて、CCPに設定されている。エビにはサイズがあり、1ポンド当たりに何尾いるかで、8/12,13/15,16/20,といった数値で規定されている。8/12の方が大きい。測定方法は、コンベアーのスピードとスチームの温度なのだが、スチームトンネルの温度は急に変えることが出来ないので一定にして、コンベアーのスピードをエビのサイズによって変えることで監視をしている。大きなエビならば遅く、小さなエビならば早くして、調理後の肉中温度が常に75〜85℃になるように設定しているのだ。

このように連続して監視をする場合でも、何らかの問題で一定になっていない場合を想定して、ある程度の時間頻度を決めた測定を並行して行なう必要がある。コンベアーの温度と加熱温度を信用しすぎ、終日製造した製品が夕方の作業終了時になって規定通りになっていなかった場合、その日一日中製造した製品すべてに問題があることになる。朝一応肉中温度を測って問題がなかった場合でも、その後肉中温度を測ったのが夕方で問題が出たら、どの時点から問題になり始めたのかが不明なので、結局その日の製造製品はすべてだめになってしまうのである。このようなことの無いように、最低1時間毎などのスポットの計測を併用しなければならない。

測定する場所を規定する必要があるものもある。ソーセージをスモークハウスでの調理後温度チェックでは、一番上は1.5メートル、一番下では60センチぐらいになっているので、上と下では温度が違ってしまう。中で空気は回ってはいるが、温度チェックをする場合は最も温度が低い可能性がある下の部分を計測しなければならない。頻度はバッジ毎だ。

次に担当者を決め、確認方法を決める。確認方法はこの場合一般的衛生管理でよくある目視ではなく、大体は数値になる。温度ならば測定した温度を記入する。確認方法は、担当者が温度計で測定をしてそれを確認し、記録をする場合と、機械などに設置してあるグラフ用紙への自動記録を目視で確認をしてそれを記録する場合もある。自動記録の場合、機械が自動的にやっているのだからそのままでいいというのではない、機械は記録をするのだが、それが正しいか逸脱しているかの判断をしないものもある。温度が規定を外れた場合、アラームが鳴るなどの設定は、冷蔵庫の温度監視などにはあるのだが、調理機械などではそうとは限らない、仮に付いていたとしても、正常に作動しない場合も出て来る、CCPというのは重要なチェックポイントなので、たとえ自動記録をしている場合でも、人間が目視で確認をする必要があるのである。機械だけではまた微妙な判断も出来ない、例えば75〜80℃に設定していた場合、いつもは77〜78℃ぐらいに安定しているのに、今日に限って75℃ぎりぎりを動いていたなどという場合、人間が見て、何かおかしいとなる。限界基準値ぎりぎりになっているのは軽い「警告」にもなる。このような場合慎重に監視を続けて、経過を見守る判断は人間にしか出来ない。

記録は、出来るだけ一つのCCPは、一日の製造作業での記録が一枚で一覧になるような表を作って、見やすくする。記録というのは正しければ正しい数値を、逸脱した場合はその数値と改善したまでの記録が必要になる。
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