CCPのCL-管理基準(許容限界)の設定

2013/05/19 23:40 に 松本リサ が投稿

重要管理点について、危害の発生を防止するため、管理基準を設定(原則3)

ポイント
  • CCPを決めたわけだが、次に、そのCCPでの指標を決める
  • 限界範囲を決める(例えば75〜85℃)

CCPを決めたわけだが、次に、そのCCPでの指標を決める。指標とは、製造中の製品が安全であると確認できるものになる。例えば温度だ。フライドポテトを調理するときに、何度に上がったら安全なのかを決めるとき、一般的には75℃、あるいは72℃以上といった指標になる。この温度ならばバクテリアを死滅させることが出来るからである。ところがこれだけでは安全性はいいのだが、品質=おいしさの点で言うと少し問題がある。ある学校給食でのデータを見たら、フライドポテトの調理後肉中温度は75℃以上になっていて、計測データの記録は96.4℃になっていた。これは十分に加熱されているので安全性では問題がないのだが、加熱のしすぎで食べてもおいしくない、ジューシーさが無くなって、ぱさぱさの堅いフライドポテトになってしまっている。フードサービスなど安全でなおかつおいしくなければ競争に生き残れない企業はほとんどで、おいしさまで追及するには例えば「75〜80℃」といった具合に規定する必要がある。これが追及しすぎで「75〜78℃」などとなったら今度は逸脱するものが多くなりすぎてロスになる。

温度と時間の関係は多くの食品のCCP指標になる。ハム、ソーセージは63℃で30分維持することでバクテリアを死滅させることが出来る。同じ指標で低温殺菌牛乳がそうだ。牛肉の最低加熱温度というのは温度と時間が広範囲に規定されていて、62.8℃だったら少なくとも15秒、60.6℃だったら10分、55℃だったら97分、といった時間維持すれば安全になる。鶏肉は73.9℃を15秒、牛肉だけのハンバーグパティは68.3℃で15秒、豚肉は68.3℃で15秒、これらの指標はFDA(米国食品医薬品局)、USDA(米国農務省)などの資料に詳しくでている。日本の厚生労働省では「75℃で1分」という、どのような食品にも当てはまる最も安全なポイントを推奨している。

指標は温度と時間だけではない、ペーハー、水分活性、塩分濃度、酸度、圧力、粘度や物性、色や臭気や味といった官能指標も併用することが出来る。これらの指標はCCPだけではなく、PPの指標も同じだ、使用する水の安全性をPPで管理をするがこの指標として塩素レベルを用いる。

ガイドラインや各種資料データで指標についてを調べることが出来るが、一般的には温度や時間が多い。しかし食品によっては独自の基準を設定した方がいい場合が出て来るが、この場合はそれを裏付けるデータが必要になる、独自に実験をしたものや、特殊な文献などを使い、そのデータが正しく指標になることを証明することになる。例えば、一般的には75℃と言われているが、自社の製品は63℃で30分維持にする、ジューシーで味が良くなるからだ、その裏付けとしてFDAやUSDAのデータがあり、工場内での実験結果でも問題がない、ということになる。これは安全性と製品の高品質性、おいしさを追及した設定なのである。

何を監視するかである。調理作業だったら、「温度」が72℃以上、かつ75℃以下、といった加熱調理後の肉中温度にするか、あるいは、連続フライヤーの場合ならば、油の温度とコンベアーのスピードという「時間」にするなどになる。「温度」という監視基準と、「何度から何度まで」といった「範囲、数値」CL(クリティカル・リミット、限界基準)を決めるのである。
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