安全対策の仕組みを作る

2013/04/25 2:25 に 松本リサ が投稿
認識がなければどんな情報があっても意味が無い。

北海道発で、牛肉挽肉と、大ブランド菓子で、不祥事が続いて起こった。
「白い恋人」メーカーでは、取締役も交じった会議で、賞味期限表示違反を許可したという。
この会議を何回かやっている時期は、ミートホープの事件の報道の真っ最中だったはずだ。にもかかわらず、こういう違反の判断を行なったのは驚きだ。しかも取締役が入っての会議だというのに。
賞味期限についてだが「砂糖や塩などの調味料、チューインガム、アイスクリーム類・氷など特に長期保存が可能なものには賞味期限を省略することができる」

では、今回のような菓子の場合、どうして賞味期限を決定するかというと、メーカーが自社の検証(継時変化、細菌検査などの科学的検査)で自主設定する。石屋製菓の場合「科学的根拠が認められない」と言う保健所の見解だ。そして、科学的根拠の無い状態で設定した賞味期限を、在庫の状況や、夏などの繁忙時の作り溜めの状況によって決めていたという。
その上更に、返品をリパックした際にも期限を偽装していたという。
HACCPだろうが、ISO22000だろうが、安全対策のシステムは色々ある。
しかし、基本的な認識、モラルが欠けていれば、なんの効果も無い。
もっとも、認識がなければ、HACCPもISO22000もないだろうが。

ISO22000には「組織と、取引関係者、および規制当局のフードチェーンと協力して、安全な製品を製造販売するため」と言う「目的」が最初に掲げられる。
そして「直接的または間接的に消費者に危害をもたらさないように管理されることを確実にする」とある。「確実にする」と言うことは、言い換えると「仕組みを作る」と言うことだ。
また「マネジメントレビュー」と言うのがあり、重要な問題が起こった時や、緊急事態、検証結果(例えば細菌検査の結果が悪い、逸脱しているような場合)といった重要なことは、社長などの最高責任者に報告をし、社長はそれに対して「指示」を出さなければならない。
更に、安全であることを「判定可能な目標」で管理しなければならない。

判定可能な目標、と言うのは例えば、

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弊社は、以下を、安全な製品を造る為の目標にする。
  1. CCPの数値と、逸脱した場合の修正と是正処置の実施。
  2. OPRPの数値と、逸脱した場合の修正と是正処置の実施。
  3. 規定した頻度の細菌検査の実施。
  4. 規定した頻度の教育、パトロール、監査の実施。
  5. 主食材(別添リスト)サプライヤーへの定期的訪問と、新サプライヤー選定のための訪問の実施。
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といったものだ。

今回の「白い恋人」メーカーの場合、細菌検査の結果が悪かったのを、取締役も含めての何回もの検討をやったのにもかかわらず、結果的に期限表示の偽装にしてしまった。

「製品の検証」で、細菌検査の結果が悪かったのを、改善活動にしないで、逆にごまかしにしてしまった。逆だ。

おわび発表で「衛生管理の確認」と言う言葉がマスコミに出て来ているが、衛生管理、清掃洗浄といったレベルでは無く、企業の責任、モラル、常識、認識といった、基本的なことが問題なのだ。

認識がなければ、どんな対策をしても、いくら工場内の衛生管理を徹底しても、効果は無い。製造現場がいくら安全対策を徹底しても、偽装はいくらでも出来るのだから。

HACCPやISO22000などの情報を得ている組織、皆さんは、この基本的なことはしっかり出来ているはずだ、出なければこれらの情報は入らないのだから、興味も無いはずだし。

問題を出さないためには、認識をしていることが土台で、その上に、問題を出さない為の「仕組み」を作れば良い。

「仕組み」は、
  1. 判定可能な目標
  2. コミュニケーション
  3. マネジメントレビュー
と言ったことになる。

これらはISO22000にしっかりと組み込まれている。
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