埃の付いた段ボールやクラフト袋を、清潔ゾーンに持ち込まなければならない場合

2013/04/04 16:15 に 松本リサ が投稿

納豆工場で、段ボールに入れた内包材を、清潔ゾーンに持ち込まなければならない例


ある納豆工場で包材を2種類使用している。一つはカップ、もう一つは発泡スチロールパックだ。

納豆の製造では、大豆を蒸煮したあと、納豆菌をまぶしてから包装機械でパックしてから熟成室に入れ、納豆に出来上がってから段ボールあるいはサンテナに入れて製品倉庫に入れる。

さて、納豆菌をまぶしてから包装機械でパックする時、パック包材を持ち込むのだが、この包材は大型の段ボールに入っている。段ボールであるので汚染ゾーンである倉庫、あるいはせいぜいそのあとの凖清潔ゾーンの入り口辺りまでしか入れられないのが一般的なのだが、この工場の場合、包材パックの場所は当然清潔ゾーンになる。
つまり、包材が入った大きな段ボールを、パッケージをする清潔ゾーンに持ち込み、段ボール表面の埃が清潔ゾーンに入ってしまうことになる。
これを防ぐには、きれいなプラスチックコンテナなどに、包材の中身だけを移して清潔ゾーンに持ち込むことになるのだが、その移す場所が包材倉庫でやるとすると、汚染ゾーンで行うことになる。凖清潔ゾーンで行うとしても、かなりの数の段ボールを開け、コンテナに移している間に埃はどんどん出ているわけで、問題はある。
ではどうしたらいいかと問題を保留している間に、カップ包材の方が、大きなビニール袋にそっくり入れられるようになった。段ボールを開けると、ビニール袋に数百のカップが入っているので、ビニール袋ごと抜き出し、そのまま清潔ゾーンの包装機の横まで持っていける。
これでカップの持ち込み問題は解決した。

しかし、発泡スチロールの方は未だそのままなので、こっちもそうならないかとメーカーに相談したが、出来ることは出来るがかなりのコスト増になるということだ。
そこで、発泡スチロールの方は、段ボール1個分をキャスターに乗せて包装横の横に持って来て、これが無くなってから次の箱を持ち込むことにした。
というのは、今まではまとめて数個積み重ねて持ち込んでいたため、上の段ボールが包材機でパックに豆を投入する高さよりはるかに上になり、埃の落下の危険があった。しかし、段ボール1個だけなら、投入場所よりも低い位置にあるので危険は無い。
ということで、カップは解決、発泡スチロールはある程度改善はしたが、問題は未だ残っている状態のまま製造を続けている。
とりあえず、今出来る状況の中で、できる限りの改善をして、次の対策が出来るまで待つ、あるいは課題として頭の隅で考えることにした。

菓子工場で、クラフト袋に入れた粉体材料を、ミキシング室に入れなければならない例

クラフト袋の表面は段ボール箱と同じで、埃、ゴミの付着がある。ヘタに開ければ袋の破片が食材に混入する危険もある。

これを防ぐには、クラフト袋の中身をコンテナなどに移してからミキシング室に持ち込む方法があるが、この作業を行なう場所がクラフト袋の汚れで次第に汚染されて行くことは、納豆工場の段ボール箱と同じことだ。
クラフト袋入りの原材料は、一部の製品に、プラスチックの中袋に入ったものがある。これだとクラフト袋を開け、中のプラスチック袋を抜き出してミキシング室に持ち込めば良い。
メーカーにこの対応が出来るかと聞いた所、出来ないという回答だった。他のメーカーを調べたが、あることはあるがコストが高くなるという。
そこで、当面の対応として、2つの対応を行なうことにした。
一つは、クラフト袋の搬入の時、エアプレッシャーで表面の埃を出来るだけ拭き落とす。
もう一つは、倉庫からミキシング室にクラフト袋を持ち込む時、表面をダスターで拭く。

当面、この方法で、原材料パックの衛生安全対応、あるいは他の何らかの方法が思いつくか出来るまでの対応にした。

飲料水製造工場でのドラム缶

ブラジルなどの海外産地からの果汁原液などは、ドラム缶で輸入される。

ドラム缶の表面は荷役、船、そして国内に入ってからの荷役で、かなりの埃と汚れが付着している。製造するには、この汚れたドラム缶から中の果汁をとり出さなければならないが、ミキシング室に持ち込むとドラム缶の汚れで汚染されるし、果汁を吸い出す時、異物混入の恐れがある。

ある工場では、原材料を運んでくる輸送車が停車する搬入口に、エアプレッシャーガンが設置してある。ドラム缶だけでなく、全ての埃が付着した搬入物の表面をこれで拭き落としてから工場内に入れることにしている。
多くの入荷がある時には、搬入口は拭き落とした埃やゴミなどでかなり汚れているので、清掃が欠かせない。これを見ると、エアプレッシャーをかけなければ、これらの汚れが全て工場内に持ち込まれることになってしまうことに愕然とする。
段ボールなど、埃の付いた搬入物を工場内のどこまでいれて良いか、その工場の状態によって決めなければならない。ある工場では汚染ゾーンである原材料倉庫まで、ある工場では搬入時に段ボールを外して中身だけを原材料倉庫に入れる。と、決めている。これが原則なのだが、中にはこれらの例のように出来ない場合もある。こういった場合、現在の状況で完全でなくとも、出来るだけ安全に出来る方法を検討することだ。そして、課題として、何時か解決しなければならないこととしてリストしておき、皆で考えて行くことだ。

一気に解決出来ないことも多いので、出来る所から、出来るだけ対応する。安全にするという目標を決め、時間をかけて次第にそれに近づいて行く、これも安全管理の考え方だ。
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