「ぎりぎり合格は合格ではない」で出て来た検証結果で改善

2013/04/17 17:02 に 松本リサ が投稿
東北の食肉製品をパッケージしている工場ではロット毎や毎日など、多めの頻度で製品検査を行っていた。
検査結果は当然記録され、データとして残してあった。

この工場のトップがセミナーで「ぎりぎり合格は合格ではない」という話を聞き、帰ってから自社のデータを見てみたらこの「ぎりぎり合格」に近いものが一部にあった。

「どうして今まで報告しなかったんだ?」と検査担当者に聞いたら、セミナーで聞いた通りの予測された答えが返ってきた。
「不合格ではなかったから報告しなかったんです」
そして、言いたかったけどそういうルールが無いから言えなかった、とでも言いたげなことが分かった。

そこで、ぎりぎり合格は、不合格になる手前だから、原因を追跡して改善しないと大変なことになると教え、
「で、このぎりぎり合格の製品群で共通のことはあるのか?」と聞いたら「それは分かっています」

このトップ、分かってんだったらなんで言わなかった! と怒鳴りたいのをこらえて聞いたら「オールインワンでスライスした製品がそうです」
オールインワンというのは、数十枚の丸刃を通してスライスが一気に出来るスライサーで、業務用のハムや烏賊ソーメンに使われている。

このスライサー、刃と刃の間の隙間と、刃の溝が洗いにくい。そこに汚れが次第に溜まって行く。烏賊ソーメンにこのオールインワンを使っている工場での検証では、朝一番の製品の一般生菌は少ないが、昼近くの時間、つまりかなり使用が続いて行くと、検査データは悪くなる。汚染が隙間や溝に次第に溜まって行くのだ。

オールインワン型スライサーは分解洗浄が出来るのだが、刃の数が多いだけにかなりの時間がかかり、毎日やるにはかなりの負担とコストがかかる。

そこで改善案は二つほどになる。一つはスライサーを変えることで、これは普通のスライサーにすることになるが、製造時間がかかる。完全な洗浄が簡単に出来るオールインワンタイプはどうもありそうにない。もう一つはこの複雑な機械を簡単に洗浄出来る方法を探すことだ。

試行錯誤していて、ある時テレビショッピングで売っていた3万円弱の蒸気洗浄器を持ってきてやってみたら簡単に解決してしまった。泡洗浄器の泡を吹き付けた後20分ほど置き、そのあと蒸気洗浄器の蒸気を刃の間と隙間に吹き付けたあと、水で洗い流すときれいになる。

この解決から三つのルールが出て来た。

一つは「ぎりぎり合格は合格ではない」から原因を追跡すること。

二つ目は「傾向をみえる化」して早く発見出来るようにすること。

三つ目は、蒸気洗浄器の活用で、家庭用のではなく業務用の活用につなげ、他の機械洗浄にも活用すること。
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