整理整頓でコストダウン!-これ捨てていいの?というものはどうするか

2012/12/17 19:54 に 松本リサ が投稿   [ 2012/12/17 19:54 に 加藤光夫 さんが更新しました ]
私は引っ越しが趣味でもある。
成人してから今まで6回引っ越ししている。引っ越しすると不要なものが無くなる。環境も変わる上にさっぱりするのだから病み付きになる。うるさいDMも来なくなる。

引っ越しのとき「これはもう要らないだろう」というのがたくさん出て来る。
「だろう」というのは、もしかしたら要るかもしれないということで、捨てられない。
そこでこれらを段ボール箱にどんどん入れていき、その箱に「次の引っ越しのとき捨てるもの」と書き込んで引っ越し先の天井裏や駐車場の奥に積んでおく。かなりの量だ。

さて、次の引っ越しの時、この箱を見ると、すべて開封していない。つまりは完全に要らないものだった訳だ。
だったら最初から捨ててしまえばいいものを、となるが、まあいいだろう、これで捨てることが出来るのだから。

見ないで捨てればいいのだが、燃えるものと燃えないものに分別しなければならないので、仕方なく開けると、よくもまあこんなくだらないものを数年間も大事に取っておいたものだとあきれる。

これらは未練の塊だ。
かくして新生活は身軽にさわやかに始まる。

これを食品工場の一般的衛生管理に応用する。

一般的衛生管理のスタートは整理整頓から始まる。
整理は要らないものを捨てる、整理すると広々するから、それだけで清掃がやりやすくなる。
そして整頓で必要なものの置き場所を決める。決める時、一番いい場所を選定する。こうすると作業効率、つまりは生産効率が良くなる。
清掃しやすくなり、効率が良くなるということはコストダウンにつながる。厳しい価格競争に整理整頓が貢献する。

ところが、整理を工場中に指示しても、それだけでは何も起らない。
どうしたらいいか分からなかったり、捨てていいかどうかの判断がつかないからだ。
自分が捨てて、あとで必要になったらどうしよう。もしかしたら使うかもしれない。要らないと思うけど一応取っておこう。となる。これで整理が出来ない。

これら「要るかもしれない」というものを総称して私は「未練物」と呼んでいる。
そこで「未練倉庫」をお勧めする。

まず、工場内に場所をもうけるなり、リースのコンテナを入れるなりして、場所を確保する。このエリアを「未練倉庫」と名付ける。
この中に、未練物をどんどん入れていく。未練倉庫に入れたものは「必要ならすぐに取り出せる」ルールにしておく。でないと未練物が出てこないからだ。このルールがあるから、未練物はどんどん出て来て、工場内はあっという間にすっきりする。

すっきりしたら整頓し、効率の良い作業環境が出来、清掃がやりやすくなる。

さて「未練倉庫」に入れたものは「必要なら取り出せる」ようになっているが、殆どの場合取り出すことは無いようだ。結局要らないものだったのだ。単なる「思い出」と言ってもいいかもしれない。
そして、1年後、見ないで捨てる。大事なのは「見ないで」という所だ。見ると未練が出て、また取っておくかもしれない。

ある総菜工場でこれをやったら、不要品がどんどん出て来た。もう使わない包材、ラベルと等と同時に、鍋、ボウル、バット、調理道具等、余分にあって使っていない「余剰物」も大量に出て来た。「余剰物」は分析してみると「足りない場合に使うかもしれない」「調理方法が変わったので使わなくなったが、一応取っておく」といったものだ。

これらを「未練倉庫」に全部移したら「この工場、こんなに広かったのか」となった。清掃洗浄が楽に早くなった。そして「余剰物」は、現場で使えなくなった補充用としての在庫になった。効率が良くなり、資材の在庫も増え、コストダウンになった。

工場内がごみごみしている所は、事務所も大体同じだ。逆に事務所が汚い所は工場内も汚い所が多い。そこで事務所の整理整頓から始める方法もある。事務所がきれいにあれば工場もつられてきれいになる仕組みだ。

事務所の未練物は2種類ある。資料と記録だ。

資料は一応取っておこうと、机に横積みになり、地震が来れば最初に崩れる状態で、下の方にはもう何があるのか覚えていないし、掘り出したとしても古くなっているので使えず、結局新しいのが必要になる。いったん横積みになったらそのまま未練物だ。

そこで、未練箱をグループごとか個人ごとに二つ用意する。
A4コピー用紙が5束入る程度の箱がいいだろう。
雑誌や資料に目を通し、必要なものはスキャナーを通してPDFにしてパソコン内に取り入れたら一つ目の未練箱にどんどん入れていく。忙しくて目を通せない資料は殆どだろうから、スキャンしてから出張等に持って行き、ゆっくり見たら行き先で捨ててしまう。箱がいっぱいになったら二つ目の未練箱にどんどん入れていく。これもいっぱいになったら、一つ目の未練箱の中身をそのまま廃棄する。一つ目の未練箱を廃棄するまでに、必要になった資料が出て来たら取り出すことが出来る。必要なものが出て来るかというと、殆どそういうことは無い。そしてこれを繰り返していけば、常に最低一箱分の未練資料はあるのだから安心出来る。未練資料が箱二つ分以上に増えることは無い。

HACCPと一般的衛生管理の記録類は通常一年間の保管だ。
ならば一年経ったらすぐに捨てられるかというと未練が残る。そこでこれもPDFにして保管すればいい。

スキャナーもコンパクトで廉価高性能のがあり、著者は「ScanSnap」を愛用している。名刺のOCRも出来る。

未練用ハードディスクも一台用意したらいい。
1テラバイト(10ページ、1メガバイト程度の資料なら100万ファイル入る)のが2万円程度だ。
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