vol.856 表面温度測定によるCCPと検証-1 パンフライ調理のCCP

2016/09/02 20:02 に 加藤光夫 が投稿

パンフライは、炒めもので、飲食店では野菜炒めやチャーハンといったメニューでフライパンを使う調理になるが、大量調理では回転釜を使うことが多い。


パンフライでは、大きな食材の塊はない。スライスした肉、小型のエビ、ざっくりとカットあるいは小さく角切りにした野菜といったものだ。

この調理で、たとえ小さな食材でも、中心部まで加熱されていないと食中毒菌の生残リスクがある。

それなら中心温度を測定すればいいとなるが、中心温度計のセンサーは、先端部分ではなく、それよりも少し元の方にある。温度計によるが、どの程度上のほうがセンサーの中心なのか微妙だ。

そんなセンサーの状態で、小さな食材の中心を測定するのは不正確かもしれない。まして、中心部分72℃を1分、などという基準では難しい。測定している間に温度は下がってしまうし、挿し込むセンサー先端の挿し込み時の温度が低ければそれも影響してしまう。

また、パンフライでは美味しさのためということで、強火でさっと炒める方法を取るところが多い。そのため回転釜の火力は重要になる。表面パリッで中ジューシーとなると、益々測定が微妙だ。

そこで、このような場合、表面温度の測定をCCPにする方法も採れる。

まずは検証をする。

いつものように調理してから、最も大きい、あるいは中心までの加熱に時間がかかる食材の表面温度を測定しておく。製品の違い、食材の違いなど、幾つかのパターンでこれを行う。

次に、これらのサンプルを、いつものように急速冷却し、製品パックにして、細菌の経時変化を見る。

その製品の賞味期限が48時間なら、24,48,72時間の3パターン、あるいは更に加えた虐待テストで96時間後にどうなるかを検査する。ホールド温度も10℃と5℃程度の複数のパターンでやってみる。

このテストの最初は「いつもの様に炒めて」から行うので、もしこのテストで問題なければ、最初の炒めた後の表面温度そのままで安全だということになる。つまりその表面温度測定をCCPにすればいい。

問題が出れば、例えば細菌の増殖があり、ぎりぎり安全とか、不安全な結果になった場合、今度は表面温度を更に上げる調理にする。

最終的に、安全な範囲の表面温度を突き止め、それをアイテムごとにCL(クリティカルリミット、安全範囲)を決めればいい。これで十分な検証を行った結果のCCPが決まる。そして、調理現場では、シンプルな表面温度測定で運営できる。

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