vol.762 データベースセーフティー:3 成績不良の時期を発見する

2014/09/20 22:24 に 加藤光夫 が投稿

手作業が多い為、大人数で製造しているある工場では、かなり以前から衛生管理状況を検査して記録をしてきた。製造環境のふき取り検査、手洗い後のスタンプ検査、各製造室の温度と湿度、各製品の細菌検査、教育記録、クレームの内容と件数、内部発見の異物混入の内容と件数、等々……

しかしながら、クレームと内部発見の異物混入の数値は長年ある程度のレベルで、減少の傾向に繋がってこない。この傾向はふき取り検査や製品の細菌検査結果も同じようなもので、目標としている低レベルでの安定にはなっていない。

そこである時、傾向を分析してみようという事になった。なぜ低位レベルの安全を安定的に確保出来ないのか、何か原因があるのか?

これだけのデータから、どのように傾向を分析したらいいのか悩んだが、ノロウイルス食中毒は冬場の発生が多く、一般の食中毒は夏場が多い、という単純なところからまず発想した。

ウチの工場の検査や異物混入は、月別にしたらどういう傾向にあるのか?

この傾向分析は簡単で、全てのデータを月別にグラフにするだけだ。

結果、状況が悪い月は集中していて、1月と4月だ。そして9月も悪い傾向がある。

一体この3つの月はどういう事があるのか? 気温とも、食中毒シーズンとも結びつかない。

そこに人事の担当者が登場。「新人が多く入る月だな……」


この工場はパートの女性が多く、ご主人の会社の移動によって3月にやめ、4月に新しいパートが入ってくる。8月の夏休み前後と12月の年内にもやめる人が多く、9月と1月に新人が入ってくる。この傾向と成績悪化の傾向が見事に一致する。

つまり、新人が多く入ってくると、個人衛生や一般的衛生管理が一時的におろそかになり、それがそのまま悪化傾向になっていたのだ。

そこで対策は、

1.新人へ教育訓練を、今までのいきなり現場での作業投入によるものでは無く、5日間のプログラムを組んでの実施。

2.交代時期の一ヶ月前から、熟練者の一時的な現場相互間移動体勢の確保。

3.全社的な力量〔技量〕の登録と、教育訓練体制の確保による、柔軟的な作業の相互融通の体制への改善。

という方向にコンセプトを決め、対応を開始し始めた。

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