食品機械メーカーの方へ。これからの食品機械はこうなります。

2012/12/17 20:40 に 松本リサ が投稿   [ 2012/12/17 20:40 に 加藤光夫 さんが更新しました ]
食品機械の衛生基準については「欧州衛生装置設計組合(EHEDG)の食品機器の衛生的設計基準」があり、詳細に基準が記述されている。括弧内は抜粋。

全てを分解泡洗浄出来ること(点検、洗浄が容易なこと。部品は容易に外せること。自然に水切り、自己浄化が出来る構造であること。)

ある惣菜工場でコロッケ製造に使うパン粉付け機を購入することになり、ある機械をテスト使用していた。
製造機能は問題無いが、製品の細菌検査を継続して調べていたら、次第に汚染が増えてきているので、原因を調べたら、機械内部のベルトとプーリーが入っている所があり、この中が洗浄出来ない。そのため次第に汚染が溜まり、製品の汚染増大につながって行っていたのだ。
このパン粉付け機の場合、ベルトの部分を洗浄する場合、かなり手間のかかる根本的な分解をしなければならない。
メーカーに聞いたら「はい、そうです。洗うのは大変なんです。」と、とんでもない返事が返ってきた。
この試験機はすぐに採用不可になったが、食品機械は分解が容易で、洗浄しやすく、全てを丸洗い出来なければならない。

スイッチ、電源ケーブルやコンプレッサーとの接続部分などは防水にしてあることが望ましい。
欧米のまともな食品工場で泡洗浄は常識だが、日本では余り多くない。

人は風呂で石鹸とシャンプーを使うが、大量の食品を製造する工場でも泡洗浄はしなければならない。たんぱく質は汚れになり、時間が経てば酸化し、細菌、カビの元になり、どんどん増殖する。
毎日全ての食品機械を泡洗浄出来なければならない。分解を簡単にし、外した部品やカバーを機械の横に置き、全てまとめて泡をかけ、20分ほど置いて汚れを浮き出させ、水で流し、乾燥させる。これが出来なければならない。

洗浄の水が溜まらないように「流れ落ちる」構造でなければならない。溝や隙間が無いようにする。

ネジは極力無くしてはめ込み(食品の通り道に露出したネジ部を設けないこと。ガードが清掃や点検の妨げになる場合は工具無しで外せること。)にする。

ある給食工場でネジの混入事故があった。原因は野菜カット機で、カットされた野菜の排出口に、野菜が飛び散らないようにカバーが付けてあり、このカバーを止めているネジの1つが落下したのだ。
ネジがあるということは落下の危険があるということと、分解洗浄しにくいということでもある。そこでこのカバーをはめ込み式に改良した。手ですぐに外せるので、洗浄と組立も簡単。安全で作業時間のコストダウンになった。

ネジがあるということは、溝があるので汚れが溜まることにもなる。異物混入の危険と汚染の元になるので、出来るだけ少なくしなければならない。これは洗浄しやすいことでもある。

塗装、新品カバー無し(食品非接触面:耐腐食性のある材料を使用。塗装する場合は強固なものであること)にする。

塗装すれば、時間が経てば必ず剥げる。であるから、塗装無しが良い。塗装しなければならない場合は強固な剥がれにくいものにする。
何故塗装をするのかとなると、錆びるから、となるだろうが、それなら錆びない素材、ステンレスが主体になる。
新品の機械で接合部分にビニールや軟質プラスチックのカバーシートが挟み込まれているのがある。しばらく使うとこれば変質し、外れ、異物混入になる。防水などの目的のパッキンなら分かるが、シートをわざわざ挟み込むなど、日本では新車のシートカバーのように考えられているのかもしれないが、意味無い。

食品接触面の安全性と性能(表面はピット、ひだ、クレバスがなく、滑らかなこと。溶接は平坦な連続的溶接のこと)

性能の良いグラインダー(ミートチョッパー)と、悪いグラインダーが、どう性能が違うか、同じ挽き材を使ってミンチを作り、経過を調べた。悪い方はすぐに変色し、ドリップが出て来たが、良い方は数日間びくともしなかった。何故違うかを調べたら、肉を挽くホッパーと呼ばれているら旋状のパイプの面が、悪い方はガタガタで、良い方はツルツル。悪い方の場合、肉はガタガタの面を押されて潰され、摩擦によって繊維が壊された上に温度が上がり、肉を細かくカットするのではなく、潰し擦ることになる。良い方はツルツルなので、抵抗が少なく、肉が傷まないのだ。

ツルツルの技術だが、ロストワックスという高品質のステンレス鋳型で製造したり、高性能の樹脂を使ったりしている。
食品接触面は、洗浄しやすく、食品に影響をなるべく与えない材質と性能がなければならない。


これから食品機械を開発改良するには「EHEDGの食品機器の衛生的設計基準」の適合を目標にすべきである。
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