食品機械によりコストダウンを

2012/12/17 18:18 に 松本リサ が投稿   [ 2012/12/17 18:19 に 加藤光夫 さんが更新しました ]
「日本国内の業者に出すと、直ぐに切れなくなってしまいますが、ドイツの業者に出すと、三ヶ月は持つんです」
ソーセージを作るサイレントカッターのナイフ研摩のことだ。そこで、仲間でまとめてドイツに研磨に出しているそうだ。
洗浄は「実に簡単、洗剤で洗って水で流すだけでピッカピカ。汚れが落ちにくい場所なんて無いですから」
このサイレントカッターは、ドイツ製。
セミナーの資料作成のために、小さなソーセージ工場に行った。長いこと付きあっているところで、ここの社長は若い頃ドイツのメーカーでしっかり修業してきており、まじめな仕事で定評がある。
このセミナー資料は、HACCPの構築と、それを延長してISO22000の構築まで出来るようにするという目的で、そのためにどうしたら分かりやすく理解できるかいろいろ考えたが、小さな食品工場をモデルにすればいいと考えた。そして、その製造工程の写真撮影だ。

食品機械は、洗浄とメンテナンスがいかにやりやすいかが大切だ。洗浄とメンテナンスが満足する機械は、耐久性も大丈夫だ。

欧州衛生装置設計組合(EHEDG)の食品機器の衛生的設計基準を見ると、
  • 洗浄しやすく、耐久性がある。
  • 水切りできる構造。
  • 溶接以外の金属と金属の接合が無いこと。
  • シールガスケットにクレバスがあってはならない。
  • 鋭角なコーナーがあってはならない。
  • 洗浄性、無菌製が維持されやすいこと。
  • 洗浄性に優れたプラスチックの推薦リスト。
といったことが書かれており、これらに対応した更に詳しい基準も入っている。
この基準に合わせて食品機械を設計製造すると、当然部品点数も少なくなっていき、これは更に洗浄とメンテナンス性能に貢献することになる。

洗浄性能が良いということは、汚染に対する危険性、つまり食品の安全性に貢献することになる。
メンテナンスがやりやすいということは、故障や誤作動がしにくくなることになり、これも食品の安全性につながる
更に、両方とも嬉しいことにコストダウンにつながっていくことになる。 

ある総菜工場で、コロッケのパン粉を付ける機械から出て来る半製品のバクテリアカウントがかなり悪く、原因がなかなかわからなかった。パン粉付け機は新品で、洗浄もしている。
この機械に入れる前の成型機から出て来たパティを調べると、細菌は最少状態で問題無い。大メーカーのパン粉がまさか悪いはずが無いが一応調べたら問題無い。
そうなるとやはりこの新品の機械になるので、徹底的に調べたら、機械を回転させている大きなシート状のゴムベルトの裏側が汚染されていることがわかった。ここからのバクテリアが汚染の元だったのだ。
このゴムベルトだが、機械の中に完全に入り込んでいて、数センチのすき間からしか見えない。分解洗浄は技術者でないと不可能な状態。汚れないのならいいが新品を使い始めたばかりで既に食品を汚染している。
この機械は、直ぐに返品になった。
 
コンベアオーブンでは、私が行っている複数の食品工場で同じ問題を抱えている。網状のコンベアを引っ掛かけて回しているバー状のプーリーに、焦げがこびり付いて清掃出来ないのだ。
コンベアを外すことが出来れば簡単に清掃できるのだが、外れない。
メーカーに外す方法を聞いて清掃しないと、異物混入のクレームになる危険があると言ったら、メーカーからの返事は何と「外れない」というものだった。
メーカーの技術者がやらないと外せないのか、それほどの大仕事なのかわからないが、これは困る。

米国の食品機器の衛生については、NSF(National Sanitation Foundation:www.nsfwhitebook.org)が認証システムを行なっており、日本でも活動をしている。
米国の食品施設は、フードサービスも含めて、NSFの認証を得たものでないと採用しない。機器が原因で食中毒を起こしたら、その機器を採用した施設に責任があるし、認証を得た機器でないと、安全面で不安だからだ。

小さなソーセージ工場に戻るが、ひき肉機(チョッパー、グラインダー)を見て驚いた。チョッパーにはホッパーという肉を挽くための本体部分があり、この中に、螺旋状の押し棒と、
挽く目に合わせたいくつもの穴が空いたプレート、そして肉をカットする回転する刃がある。これらが、昔の機械に比べて、実に清掃しやすく、おまけに高機能になっているのだ。

ホッパーが入る筒の内面は、普通螺旋状にカットされているのだが、この機械は全くのツルツルの筒状態で、洗浄が簡単にできる。それでは螺旋状のカット部分はどうなっているかというと、ステンレスの螺旋構造のものが挿し込まれるようになっている。ということは、洗浄時は、プラスチックの螺旋構造のものと、押し棒が一緒に抜き出せる。

更に、刃とプレートは、2つ、あるいは3つの組み合わせが一緒にできる。

挽き肉は、肉のブロックを、キドニープレートという大きなプレートを最初に使って4センチぐらいにカットをし、そのあと1センチぐらいに粗びきをし、最後に3ミリの細引きにするが、これが一回で連続して出来る。ホッパーの内部にこの三つのプレートを組み込み、一気にやってしまうのだ。


食品機械の選定は、安全性だけでなく、洗浄とメンテナンスのコストダウンにもつながっていく


Comments