明らかに顧客側に原因があるクレームの対応-2

2013/04/18 18:39 に 加藤光夫 が投稿   [ 2013/04/20 15:22 に 松本リサ さんが更新しました ]

---先週号「明らかに顧客側に原因があるクレームの対応-1 」の続き---

対応レポートの内容

そこで、小売店経由でのクレーム対応文書作成となる。

まずは、顧客を不快にさせたこと、迷惑をかけたことを(こちら側が悪かったと書かないで)最初の挨拶にする。そして、専門機関に費用をかけて調査してこの虫を特定した際のレポートのコピーを付ける。

次に、この製品が、自社工場から消費者に行くまでの過程を説明する。枝肉が部位別の肉になり、ぴっしりと真空パック(中は真空なので虫は生きていることは出来ないし、第一圧力でつぶれてしまう)されている写真も入れ、それが冷蔵され、トラックで小売店に運ばれる。小売店では真空パックを破ってスライスしている写真が入り、トレイに盛付け、フィルムでパックする。そしてお客様が購入されたのです。

そして、次のページに入って、自社工場でどのような衛生管理を行なっているかの解説に入る。従事者のポケットの無い作業衣への更衣の方法、頭巾型のしっかりした帽子、粘着ローラー、エアシャワー、手洗いと、リストは続き、それぞれに写真が付けられる。この資料はわざわざ作ったのでは無く、新入社員の教育資料をそのまま使う。これが2枚目。


3、4枚目は、工場内の清掃洗浄リスト。これは、この工場では毎日毎週と、毎月毎年の、2種類の実施リストのチェックシートの原紙。これも使っているシートをそのまま。

次は、工場内と機器道具類を泡洗浄している写真。作業室も機械も泡だらけになっている写真と、それを水で洗い流している写真。一般消費者には巨大規模の洗車のように見えるかもしれない。

これらの資料で、どれだけ徹底した衛生管理をしているかが分かるだろう。

そしてこのあと、クレームがあった部位肉を製造したあたりの日付のチェックシートのコピーを十種類ばかり付ける。このコピーには、手書きの個人衛生チェックシート、毎日毎週毎月毎年に行なった清掃洗浄にチェック、ふき取り検査、製品の細菌検査など、多岐にわたる記録があり、それらが次々顧客の目に入る。

「これだけのことをやっているのか……」となるだろう。

そして「弊社工場では宇宙飛行士向け食品の衛生管理で行われているHACCPという科学的な管理をこのように行なっています。今回の問題の原因は工場内で充分な調査しましたが、申し訳ありませんが不明です。今後も厳重な衛生管理をしていきますので、どうぞご理解いただけますよう……今後とも弊社製品をよろしく……」と結ぶ。


このレポートは、小売店経由で虫を発見した顧客に行くことになるが、小売店が「これはウチの作業場所で入ったようだ」と分かれば、そこで止まり、小売店は顧客に独自に挨拶に行くだろう。顧客まで持っていった場合、自分の台所か小売店かどちらかだと分かるだろう。どちらにしろ、顧客も小売店もこれから注意をするようになることを期待しよう。

このレポートを作成するのにたいした時間はかからない。既に使っている資料やチェックリストのコピーが大半だからだ。いつもの衛生管理活動、HACCPの記録が、このようなクレーム対応に役立つ。

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