マネジメントと改善

2012/12/27 22:55 に 松本リサ が投稿   [ 2012/12/27 23:04 に 加藤光夫 さんが更新しました ]
マネジメントは広範囲の意味と方法があるが、主な所は、
  1. 組織内と、取引先との間に、効率的、効果的なコミュニケーションの仕組みを作る。報告、連絡、相談が円滑にできるようにする。
  2. 組織内で、内部監査の仕組みを作る。
  3. 第三者、あるいはグループや仲間などの間の相互でもよいので、外部監査の仕組みを作る。
  4. 製品の安全、品質、企業の信用に関するような重要な問題、データ(例えば製造環境のクリーン度の悪化)、顧客からのフィードバック(クレームやアンケート結果)は、定期的、あるいは緊急に、トップに報告し、トップはそれに対して「指示」を出す仕組みを作る。
  5. 改善し、維持する仕組みを作る。
こういったことが必要になる。


ISOを行っているところは気が付かれるように、これらは「組織内外のコミュニケーション」「内部監査」「外部監査」「マネジメントレビュー」「改善維持」である。もっと簡潔に言えば、HACCPにマネジメントと監査を加える
そしてこれはISO22000(食品安全マネジメントシステム)である。

ISO22000は審査認証に費用がかかるが、この規格を使って自主的に組織に活用するのは自由である。参考資料と勉強代で利用が出来る。そして実施し、必要になったら審査請求し認証を得ればよい。
またISO22000の「1 適用範囲 g)」には「この規格への適合の自己評価若しくは自己宣言を行うこと」とも出来るとある。
「ISO22000を実施しています」と自己宣言することも出来る。大いに利用したらよい。

HACCPは特別な費用をかけなくても出来る

HACCPは「方法」で「ハード」ではない、従って、修理などにかかる費用は別として、特別に大きな費用や投資が必要なわけではない。
HACCPは、特別な費用をかけずに出来る。もちろん土台となる一般的衛生管理も同じだ。マネジメントも監査もそうだ。

どこそこ工場で「○億円かけてHACCPに対応した」とか「HACCP対応工場を建設」といった報道記事を呼んで「ウチは金が無いからHACCPは出来ない」と最初からあきらめているところが多い。しかし、そうではない。

清掃洗浄効果をよりよくするために、頻度を決めたり、手順を再考したりすることで、かなり良くすることが出来る。
異物混入の最終対応として目視による発見を推奨するためには「それぞれの製造作業に加えて、各人が異物を発見するという目で見ていること」という認識があるだけで、大変な効果がある。

ある工場で加熱殺菌行程の作業者にCCPについて質問した。
「ここの製造工程でやっていることは何ですか?」
「はい、75度C以上になっているかを確認することです」

ここまではよいのだが「では、なぜ75度Cなのですか?」と聞いたら、答えられなかった。
そこで「細菌が死滅する温度だからです」と教えたら「ああ、だからですか」と大いに納得した。これで安全管理がより充実するだろう。認識があるのと無いのの違いはほんのわずかな差なのだが、その効果への違いは大きい。

手洗いがなかなか徹底しなかったので、スタンプ検査をして、いかに洗えていないかをビジュアルに見せ、結果、食中毒にどのようにつながるかを、バクテリアの増殖数値を上げて教え、もし食中毒になったらどんなことになるかをわかってもらったら、とたんに手洗いを徹底するようになった。

異物発見の意識でも、温度確認でも、なぜ、どうして、ということが認識されているといないでは全く効果が違ってくる。

他社の問題を自社で考える

食品不祥事を行ってしまった企業がどのようになってしまったか、他人事の様に見ていてはだめだ。
それぞれの事故、事件が、自分の組織でも「起こる可能性がある」として、「では、どうしたら予防できるか」を、具体的に考えなければならない。

中国産餃子への殺虫剤購入事件の原因はわかっていないが、あれが自分の工場でおこる可能性について考えてみよう。
  1. 工場内で虫を発見し、置いてあった殺虫剤で追いかけ回しているうちに、誤ってミキサーの中に殺虫剤を落としてしまった。これだとこの大きなミキサーに入っている大量の食材がだめになる。しかられるか首になるかもしれないからだまっていよう。
  2. 競争が激しい業界、お互い戦争状態の中、パートにまぎれて潜入した競争相手の偏屈的愛社精神の従業員が殺虫剤を持ち込んでいれた。
といった自社での予防を考えてみよう。
新聞の社会面の下に製品の回収広告が乗っていることが多いが、それを見て、自社の可能性を考えてみよう。

この広告は、国民生活センターのホームページに過去半年分ぐらい入っている。原因が発表されているのもあれば、分からないものもあるが、これを定期的にチェックすると、自社でもありそうな事故が見つかる。予防に役立てられる。
http://www.kokusen.go.jp/recall/recall.html
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