マグネットを使った異物混入対策

2013/04/05 19:38 に 加藤光夫 が投稿   [ 2013/04/06 16:07 に 松本リサ さんが更新しました ]

1ミリ以下の金属に対処する

 

オーストラリアの西の果て、インド洋に面した「世界で一番隔絶された百万都市」といわれているパースに住む人々にとって、優良品やブランド物など、この都市で売っていないものを買う時には、飛行機で数時間かかるシドニーか、それよりもシンガポールに行ってしまう。

ここから車で5時間、セスナで30分ほど東に見渡す限り真っ平らの砂漠を行くと、小高い山が連なる場所があり、その手前に東西18キロ、南北8キロほどの塩の平原がある。インド洋からの海の塩をたっぷり含んだ風が砂漠を500キロ飛び、この山にぶつかり、500万年前から塩湖になり、夏場は50℃に達する炎天で渇いて水が無くなり、表面に塩が浮き出て来るのだ。この歴史から塩湖と呼んでいる。シドニーから旅客機でパースに飛ぶと、パース到着少し前に右側に見える。

海のミネラルを自然に含んだ美味しい塩が夏場に削り取るだけで収穫出来る。

塩湖の周囲にはカンガルーなどの動物が塩を舐めに来るが、中央部には動物は入らないし、野鳥も全く飛ばない。そこで、塩湖周囲から採れるのはプールや風呂などの非食品用になり、中央部で採れるのが食品用になる。

この塩は除雪車のような特殊車両で削り取り、オーストラリア大陸を横断する鉄道でシドニーの南隣の都市の工場で微細から大荒粒まで何段階かの粒子にされてパッケージされ、1999年頃から日本にも輸入され、ソーセージなどに使用されている。

 

金属探知機は無いのだが……

この塩を日本に輸入する際、金属探知機が無いのが問題になった。

かなりの量をパッケージしている工場では、マグネットを使って金属を取り除いている。

最高品質のステンレスで作ったコンテナで運ばれてきた元塩は、最初に大型の永久マグネットを通して工場内に入れられる。この段階で、採集車両からと思われる金属異物が除去される。

食品用はこのあと荒く砕かれ、2番目のマグネットを通す。わずかに微細な金属が取れることもある。

更に粒子を調整加工されてから、3番目のマグネットを通す。もうほとんど金属は取れない。

このようにして、採集パッケージ前までに5回ほど別々のマグネットを通すことで、微細な目に見えないような微小金属まで除去される。

マグネットの通し方は、広げて通したり、縦に設置したマグネットの横を落下させたりと色々だ。

この方法により、最終パッケージを金属探知機に通す必要は無く、金属探知機は設置していない。

しかしながら、日本のユーザーは納得しない為、一ヶ月間高性能の金属探知機を借りて通したが、当たり前のことだが結局何も検知しない。そしてこのデータを提示して日本側に納得してもらった。

Comments