vol.706 鶏卵GPセンターのCCP

2013/06/14 13:41 に 加藤光夫 が投稿   [ 2013/06/15 20:58 に 松本リサ さんが更新しました ]

農場から来た卵を洗浄消毒してサイズ選別し、パッケージするのが鶏卵GPセンター

まず洗浄殺菌するが、ここをCCPあるいはOPRPにすることが多い。卵は殻の中に入っているから、中の卵そのものは問題無い(わずかな確率で最初から中にサルモネラが入っている問題は別にして)。しかし、卵の殻の表面が食中毒菌に汚染されていると、卵を割った時に落ちて混入するので、殺菌工程をCCPにすることになる。

そのあと、ヒビの入ったものを発見・除去する工程を経て、選別、パッケージして倉庫に行くのだが、問題は製品倉庫の温度だ。

卵の理想的な流通は冷蔵で、610℃程度だ。

メーカーでの保管、物流過程、出荷先での保管、販売店での陳列温度が全て冷蔵になっていることが理想だ。欧米ではこれで流通しているところが多いが、日本は未だそうはなっていない。

夏の暑い盛り、温度管理を全くしていない開放式荷台に、出荷元で冷蔵管理していた卵を積んだらどうなるか。あっという間に汗をかき、水滴が卵の表面にびっしりとなり、そこに細菌を初めとする汚染が付着する。

これで表面が汚染された卵になり、納入先で汚染が増殖され、それが一般消費者の所に行ったら危険である。

そこで、この問題を解決するためには、気温が高い時には冷蔵保管ではなく、温度をある程度上げて保管する。これにより開放荷台の車に積んでも汗をかかない。あるいは汗をかかない温度に保管しておく。このための対応温度は、外気温マイナス7℃程度で行なっているところが多い。

NHKの気象情報などの確認基準を設けて、例えば30℃になる、という場合は、30マイナス7の23℃に出荷倉庫の温度を設定する。

「そんなのがCCPであっていいのか?」と考える人も多いとは思う。何しろCCPは製品そのものからハザードを除去する工程なのだから、CCPには当たらないと考えても間違いでは無い。しかし、今の日本の鶏卵のロジスティクスの状態だと、こうすることがハザードを減らす方法なのだ。いわば「苦肉の策」のCCPといえる。


ある鶏卵GPセンターは、業務用のみを行なっているので、冷蔵保管、冷蔵車での物流、納品先でも冷蔵保管が条件になっている。これなら製品保管は冷蔵で問題無い。

しかし、冷蔵でのロジスティクスが出来ているルートと、開放荷台型のルートと、二つのルートがあるセンターでは、製品倉庫は2つに分けることになる。冷蔵倉庫と、高温外気の場合のマイナス7℃倉庫の2つだ。

この苦肉の策のCCPは、これから少しずつ変わってくるだろう。次第に冷蔵ルートが増え、あるいは何らかの規制かガイドラインが日本にも出来て、それに対応して行けば進化して行くことになる。

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