結露対策!落下による汚染を防止する

2012/12/11 0:00 に 松本リサ が投稿   [ 2012/12/11 0:00 に 加藤光夫 さんが更新しました ]
ある魚加工品工場の製品の定期検査で異常な一般生菌数の製品が見つかった
検査は納入先の流通センターで行われたため、すぐに出荷停止処置をされた。同じロットのいくつかの製品を追加検査したところ、他のパックでは問題なかった。なぜ一パックの製品だけが問題になったのか不明なまま、原因の追跡がされ、約一ヶ月分の納品が止まってしまった。

工場内をくまなく調査したところ、最終のインナーパック機の天井部分に結露があるのが見つかった。調べたところ、一般生菌がたっぷりと含まれていたのである。結露はちょうどフィルムパックする手前の部分の上辺りにあり、これがパッケージ直前の製品の極く一部に落下していたわけだ。たまたまこの結露が落下してしまったパッケージが、偶然にも検査サンプルになってしまったわけである。1ヶ月の大損失になった。

工場での対策は、パッケージ機の上にカバーを付けたのだが、この調査で工場の一般的衛生管理がかなりひどい状態だと分かり、これをきっかけに工場全体の衛生管理向上が始まった。

ムースや冷凍菓子メーカーで、パッケージ機の上で結露が見つかった
この工場は大型の製造機械がかなりあり、天井が高いのだが、パッケージ機のちょうど上の位置に空調機の吹き出し口があり、その周りに結露が溜まっている。

この製造室には数台の釜があり、蒸気の排出が間に合わなくて結露になっているのである。パッケージ前の製品に入るように上手く落下する可能性は少ないのだがわずかにはある。汚染された結露が万一パッケージに入った場合、危害になる可能性があるのである。

この対策としては、パッケージ機の上をカバーするか、空調吹き出し口の少し下に結露受けのためのトレイでも設置して、毎日清掃するといった対策が必要になる。

この工場では、蒸気窯のあるエリアと、パッケージ機のある場所の間の天井から、吊り壁を設置して、蒸気がパッケージ機の方に行かないようにできた。

このようなことがあるので、工場クリニックではパッケージ工程部分の上からの結露やゴミの落下が無いかチェックするようにしている。

ある豆腐工場は、かなり古く、建物は大きく、天井はボーリング場のように高く斜めになっている。蒸気が多いために、天井部分は黒カビがびっしりと付いている。
製造時にはかなりの蒸気があり、これが結露になっている。
操業が終わってから蒸気を排出しているのだがとても間に合わず、湿気によってカビがどんどん増殖しているのだ。二年に一度ぐらい大掛かりなカビ清掃をやっているのだが、カビはすぐに発生してきてしまう。
豆腐のパッケージ場所の上ももちろん結露とカビで、これを何とかするために、3メートルぐらいの幅で、長さ百メートルのロールになっている物流パッケージ用のビニールシートを持ってきて、パッケージの上部分にだけ張ったところ、2週間でかなりのゴミ、結露が落下していることがわかった。

その後、右の写真のような巨大なトイレットペーパーのようになったビニールシートを、他のパッケージ部分も含めて張り、2週間ごとに取り換えるようにしている

別の豆腐工場なのだが、やはりパッケージ機の上部分に、パイプや電線ケーブルなどが走り、落下の危険があったので、ここではパッケージ機のコンベア部分の上に取り外しが簡単にできるカバーを作って乗せることにした。製造終了後このカバーは乗せてあるだけなので簡単に取り外して洗浄できる。


ミニパックの納豆製造は、加熱した大豆に納豆菌をかけた後、ミニパックに入れ、インナーフィルムを乗せ、その上にタレと辛子のミニパックを入れ、それをサンテナーに入れてから発酵室に持っていく。発酵して納豆になった後、パッケージ機に持っていき、トップシールを貼って箱詰めにする。

ある納豆工場では、ミニパックに入れてからサンテナーに入れるまでのコンベアラインが長く、その間に虫が飛び込み、クレームになってしまっていた。そこで、結構大きな改造をすることにした。

納豆パックのトップシールは昔からのは通気性が無いのが当たり前だったので、発酵して納豆になってから張っていた。しかしその後通気性のあるシールが技術的にできるようになったので、カップに大豆を入れてから最終のトップシールまでしてしまい、その後発酵室に入れる製造方法が出来るようになった。トップシールまで張ってしまえば、虫だけでなく埃やゴミに対するプロテクトにもなる。
このシステムに変えると同時に、カップに大豆を入れてからトップシールを張るまでの距離も出来るだけ短くし、更にコンベアラインの上にカバーできるところはしたのである。また、工場が老巧化していて、排水の状態が悪かったので、内部発生の虫の元になる汚水が溜まらないように改善もし、清掃しにくかった蒸煮釜の下の部分を埋めて清掃しなくても良いようにするなどした。つまり、パッケージシステムと一般的衛生管理の徹底と工夫を総合的に行ったのである。クレームの減少になったのはもちろんである。
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