検査頻度はもちろんリスクとコストに影響します。

2012/12/17 20:06 に 松本リサ が投稿   [ 2012/12/17 20:06 に 加藤光夫 さんが更新しました ]
私は、毎週一二回、6キロ1万歩1時間半のコースを歩かないと体重が増えて気分が悪い。頻度を決めて歩いていれば、体調良好。

食品工場の衛生管理も頻度を決めて実施し続けなければならない。
「そのうち」「汚れたら」掃除をしようと思っていても、忙しくもあり、ず〜っとやらなくなってしまい、気がついたら異物混入クレームの増加になってしまう。

新設のバーベキュー店ダクト

炭火で焼くバーベキュー居酒屋が新設オープンしてから3ヶ月ほどして衛生管理のチェックで行ったら、ダクトが雪が積もったように汚れている。
肉の脂が炭火であおられてびっしりと付いている。ぴかぴかのステンレスだったのがあばたの汚れだ。

「料理にゴミがついているというクレームが無いか?」と聞いたら「よくわかりますね〜、最近増えているんです」。
ダクトに溜まったゴミが増えすぎ、外を通る車の振動で落下し、料理に落ちて付着しているのだ。

このダクト、いつ掃除するのかと聞いたら、「汚れたらやろうと思って……」

たっぷり汚れているのに、気が付かないのか……?

毎週木曜日だか暇な日があるので、必ず掃除するようにしたら、異物混入クレームは無くなった。店の清掃洗浄もすべて頻度を決めて行うように改善した。

清掃の頻度は4つにするとよい。
毎日、毎週(曜日を決める)、毎月(毎週の曜日と合わせる)、年2回(大掃除で、食中毒シーズン前の5月と、年末の繁忙期前の11月が一般的)といったところ。

教育の頻度

毎月一回の部門長ミーティングと、毎週一回の部門内従事者衛生教育を実施すると決め、1年間ほど続けていったらクレームがかなり減ってきた工場で、
リーダー格が定年退職したのと人事異動が重なり、製造が安定するまで教育が出来なくなってしまった。

しばらくしてやっと安定してきたが、ミーティングと教育はなかなか元通りにならず、ズルズルと日が経ち、気が付いてみたらクレーム件数が人事異動時を境に増えている。

部門内衛生教育で新人の基礎教育も皆でやっていて、それも一緒にできなくなっていた。新人へ、作業衣と帽子の装着、ローラー掛け、手洗いといった重要で基礎的が教育訓練をする時間が無く、その場合わせでやっていたのが原因のようだ。その証拠に毛髪混入クレームが増大している。

これではいけないとしっかりと再開し、半年したら元に戻った。


製品検査の頻度

魚介類のパックを行っている工場で、製品の細菌検査はどうしているか聞いたら、「時々している」という。
最近一年間ではと聞いたら「そういえば一回しかやっていないですね〜」といって見せてくれた一回だけのそのデータは、かろうじて合格、ぎりぎりの数値だ。

「ぎりぎり合格は合格ではない」という原則を教えて、毎月一回の検査を一年間続けてみたらどうかと勧めた。

一年後「大変です!」と連絡が来た。2回不合格で、2回ぎりぎり合格という結果だ。検査した製品は生食用なので、こんな状態ならいつ事故が起こっても不思議ではない。
原因は清掃洗浄の不備か、従事者のほとんどあるいは一部の手洗い不備などの個人衛生からだろうが、すぐに徹底した対策が必要だ。

製品の細菌検査の頻度は規模にもよるが、工場として製品を出し続けているなら最低毎月は必要なのではないだろうか。
費用が大変だというなら、シート培地を使った簡易検査をすれば一枚百円程度だ。

素人の簡易検査の精度が心配だろうから、3ヶ月に一度程度でも、簡易検査をしたのと同じサンプルを公的機関で検査してもらい、その差を見たらいい。これなら毎日検査が出来る。

頻度を減らしてコストダウン

検証をして安定して安全レベルになっているなら、検証頻度を減らしてもよい。

ATP検査によるふき取り検査を始めた工場で、最初毎日10ヶ所をやり出したら、そこら中汚染だらけで驚いた。

しかし洗浄不備の箇所をどんどん治していったら、次第に良い数値になっていった。そこで検査の頻度を毎週ランダムな曜日に20ヶ所にした。ランダムな曜日というのは、曜日を決めるとその前日意識しないでも洗浄を強化してしまうためだ。安定した数値を見るためにあえてこうした。

多くの場所は合格だが、検査する人を変えてみたら「こんな所が?」といった場所の汚染が次々と見つかったので、これは良いと、ATP検査が出来る人を増やして交代でやることにした。

これを半年ほど続けている間に、洗浄手順が順次改善され、数値が良くなったため、頻度を毎週ランダムな曜日に10ヶ所にした。
この一連の過程で、製造環境が飛躍的にきれいになったし、費用も次第にコストダウンになっていった。

維持と油断

昔のニューヨークの地下鉄は落書きで有名だったが、書かれても書かれても、根気よく消し続け、きれいな車両を維持し続けていったら落書きは無くなり、これをきっかけに街そのものが安全になっていった。
やはり米国で、きれいな自動車を街中に放置して置いたら、車両にいたずらや壊して泥棒もいなかったが、窓ガラス一つを壊して置いたら、どんどん壊され、ラジオだのタイヤだのが持ち去られ、あっという間にぼろぼろになった。
きれいなのは維持出来る、ちょっと油断すればダメになる。


まとめ

頻度を決めなければならない重要なものは
  • 清掃洗浄
  • ATP検査等の製造環境の清浄度
  • 製品検査
  • 教育
といったところ。

これらの頻度は決まっていますか?
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