HACCPとISO22000の審査の考え方

2012/12/27 21:08 に 松本リサ が投稿   [ 2012/12/27 21:08 に 加藤光夫 さんが更新しました ]
HACCPは、工程ごとに安全を確保する考え方だが、これは「プロセスコントロール」と呼ばれている。
ISO22000は、HACCPを、ISO9001の方法でマネジメントと監査を行なう。
そしてISO9001は、プロセスで管理する考え方だ。

「プロセス」とは何か。最も簡単な訳は「やること」である。やることとは「仕事」だ。
企業のやることは、儲けることで、製品を出荷、販売し、金に替える。その金で原材料を購買して、また製品を造る。

企業は、原材料を購買(インプット、入力)して、プロセスで製品を造り、アウトプット(出力)する。

さて、食品工場を見てみると、この中にもプロセスが並んでいる。

製品原材料の保管工程を見てみると、購買した原材料を工場に入れるのがインプットで、この時に安全性を確認する。
生鮮原材料ならば温度を測り、色や臭いを見てから、問題無ければ倉庫に入れ、保管する(保管プロセス)。そして、タイミングが来たら、下処理室に移動するが、この時段ボールを外してから、下処理室に「アウトプット」する。

保管工程という「プロセス」で製品の安全を確保するために、インプットの時に安全性を確認し、安全な温度で保管し、次の下処理工程に送り込む前に段ボールを外して異物混入の危険が無いようにしてからアウトプットすることになる。
このため「保管プロセス」には、入庫時に虫が入らないような設備、温度計、冷蔵庫などのインフラが投入されている。どのように温度を測るかという「手順」が決められ、その担当者はそのための「教育、訓練」を受けている。
つまり、プロセスにインプットされ、プロセスで「仕事」をし、次の工程にアウトプットされる。これが1つのプロセスのやること、仕事になる。1つのプロセスで、安全を確保したうえで、次のプロセスにアウトプットされる。

ISO22000の審査で、審査員はどのような考え方、方法で審査するかというと、このプロセスの考え方で見る。
つまり、1つのプロセスで行なっていることが「それで安全を確保しているのか」という目だ。ISOの考え方でマネジメントを見るのだから、当然そうなる。
そして、HACCPの構築もまさにこの考え方で行なうとうまくいく。


次の下処理工程プロセスを見てみよう。このプロセスのインプットも、安全な原材料になる。段ボールが外されているか、温度は大丈夫か、鮮度はどうかなどだ。このプロセスで行なう仕事は、例えば野菜の洗浄をし、カットをし、洗浄消毒と冷却を行い、決められた温度になっているかを確認(安全確保)してから、加熱調理工程にアウトプットする。このためにこのプロセスに投入しているインフラは、各種設備機器、水や殺菌剤、教育訓練された人とユニフォーム、異物混入の無い従事者の入場と作業方法である。このプロセスで安全が確保されているかを見てみる。

アウトプットされ、次の加熱調理プロセスにインプットされるときはどうか、豚カツの例にしてみよう。豚肉の切り身がインプットされるが、この豚肉の温度が例えば0〜5℃の間にあるかを確認する。この温度のばらつきが大きいと、均一に揚がらない。この温度確認は、豚肉が加熱調理プロセスに入る前、一時保管冷蔵庫にあるならば、このプロセスの担当者が確認をすることになる。しかし、前処理工程から連続して加熱調理工程に入って来るなら、計測確認してから調理工程にアウトプットする方法もある。巨大なラインなら両方で確認するべきだろう。

切り身の厚さも安定していなければならない。自分の工場内で切り身にカットする場合と、既存の製品を購買する場合では違ってくる。もしアウトソース(下請け)しているならば、そのアウトソース側の安全管理も指導監視する必要がある。

加熱料理プロセスはHACCPのCCP工程なので、このプロセスでは調理後の中心温度を計測して安全な製品にするのが「仕事」だ。そして例えば「75〜85℃」に調理し、次の工程にアウトプットする。

次の冷却工程にインプットするときには、正しく加熱されたかどうかを前のプロセスの記録からダブルチェックする方法もあるし、前工程にその責務を持たせ、確認しないで入れる考え方もある。この場合、インプット時に例えば1日3回、突然記録をチェックして検証する方法もある。そして規定の温度まで冷却されたことを確認してから、次のパッケージプロセスにアウトプットする。

パッケージプロセスに安全にインプットされた製品は、金属探知チェックという二つ目のCCPを通って、次の製品保管プロセスに行くことになる。

インプットで、安全を確認し、そのプロセスに入れ、そのプロセスの仕事をし、次のプロセスにアウトプットする。この繰り返しで、製品が出来るのだ。そして、そのプロセスに入れるインフラは足りているか、欠陥はないか、今の方法で安全が確保されているのか? を、見てみる、あるいは審査されるのである。

HACCPの構築前段階でフローダイヤグラムを作るが、そのフローダイヤグラムの箱の1つが1つのプロセスなのだ。
その1つ1つのプロセスの、インプット、仕事、インフラ、そしてアウトプットを、「これで安全にできているか?」と見直す、又は構築することが、HACCPの構築であり、ISO22000の審査の考え方なのである。
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