工場全体に普及!清掃洗浄作業の成功例

2012/12/17 18:59 に 松本リサ が投稿   [ 2012/12/17 18:59 に 加藤光夫 さんが更新しました ]
一般的衛生管理の活動は、下処理室から始めたが、製造作業が終了したあとや、比較的作業量が少ない曜日などに集中してやったので、2ヶ月ほどの時間がかかった。

しかし、結果はほれぼれするもので、すき無くシェイプアップした作業室は、ドライブ好きの責任者にとってはチューンナップしたスポーツカーのように見える。作業後の徹底した清掃洗浄が終わってピカピカ光る作業室を見るとついにんまりしてしまう。以前のあの大混乱ごみ溜め状態の作業室を思い出すと、悪夢から脱したすがすがしい朝のようだ。

出来たという自信は、完走を喜ぶマラソン走者のようだ。

これで、異物混入や食中毒危害の元が激減した。作業室内の動線とゾーニングも改善したので、作業効率も上がる。

このゆったりとした激変は、なんにもしていない他の作業室の全員が、最初は横目でちらちら見ていたのだが、目に見える変化になってきた頃から興味深く見るようになり、完成出来てきたら「ひょっとしたら我が作業室でも……」

この一連の過程はデジカメに収められていた。
写真を整理して、一体どういう手順でやったのかを分析しようとした。
「5S活動の象徴になった」という説明を下処理室全員に説明している写真は「えーーー、何でここが?」といういやそうな顔の面々。中はほとんどゴミの事務机を出す写真。不用品を放り込んだたくさんの段ボール箱。解体されてゴミトラックに乗せられる棚。棚の形が白く残った壁。洗剤を使って天井から全て泡だらけになった作業室。壁から20センチほど離して置かれたシンクや製造機械。明るくなった蛍光灯の下で笑顔で清掃しているパートの千代さん。

分析の必要なんて無く、これらの写真を並べるだけで改善の方法手順は工場全員に伝えられる。
下処理室でやったことをプロジェクターの写真投写と解説だけで説明し、誰でもいつでもこの過程が分かるように当分の間貼り出しておいた。

「各作業室の自主的判断で、この改善をなるべく早くやって欲しい」という要請がトップから出された。
工場の1割の場所で行われた活動は象徴となり、この後最初少しづつ、次第に加速し、工場全体に普及するにはあまり時間はかからなかった。


世界には面白いグループがあるもので「退廃した町を再生する」目的のグループがある。一流のデザイナーや街起こしなどの世界規模の専門家グループで、年に2回、世界のどこかの街を対象にして、寄って集ってその町を良くしてしまう。メンバーは80名ほどで、自腹ボランティア。達成の喜びと経験蓄積になる。

30年ほど前、北日本の町が対象になったのだが、その時は「ブルーのペンキ」が象徴になった。
経済的にダメになった街はうなだれた雑然とした街になっていて、光っている所はどこにもない。しかし、経済再生する方法はあり、グループによって示された。ところがそれを説明してもあきらめ切った町民はだれも信じない動かない。
そこで、その最初の象徴として、家の屋根をブルーに塗り、ウチはやる、という意思を示そうと提案した。ブルーの屋根は光り、元気の象徴になる。
最初ちらほらしか無かったブルーの屋根は、じわじわと、そして次第に急速に普及し出し、山の上から見る街はブルーに輝き出した。そして復興は成功した。全てはブルーのペンキを開発本部に置く所から始まったわけだ。

先行した下処理室は、次のステップ、重要な一般的衛生管理(OPRP)の検討が始まった。
Comments