できるところから泡洗浄

2012/12/17 19:39 に 松本リサ が投稿   [ 2012/12/17 19:39 に 加藤光夫 さんが更新しました ]
ある総菜工場でコンベアオーブンがかなり汚れていたので、泡洗浄をしたらいいと提案したが、しばらくしてから「納入業者から、洗わないで欲しい」と言われたと連絡が来た。
古い型では洗浄を考えていないものもあり、まだ使用していることもあるのだが、この機械はそれほど古いものではなく、念のため確かめたらたった3年前のものだ。

製造現場としては泡洗浄の効果は聞いていて、是非取り入れたいということなので、
今度は製造メーカーに聞いてもらったところ、胸を張って「この機械は洗えません」と、まるで自慢しているようだ。

家庭の台所でも、グリルやガス台はちょいちょい洗うのに、大量に食品を調理する機械を「洗うな」とはどういう感覚なのだろうか。人は風呂に入って石鹸を使うが、同じことだろう。

食品機械には電気系統やスイッチ類が付いているので、水をかけてはいけない部分もあるが、直接調理する部分、食品残さが落ちるところ等、洗わなければならないところが殆どだ。
「ここを、こうカバーして、このように泡洗浄する」という手順を決めれば洗えるはずだし、それを提案しなければならないのがメーカーだ。
別の総菜工場では工場の移設を行った時、オーブンや釜等数台の古い調理機械も一緒に移設した。移設後全面的に泡洗浄にすることにしていたので、焦げ付き、こびりついた汚れを時間をかけて丁寧に落とし、ピカピカにしてから移設をし、それから泡洗浄を始めたら、ごしごしこすらなくても、泡をかけてしばらく置いてから水で流すだけできれいになるようになった。

以前はコンベアの裏側やコンベアそのものに焦げ目が次第に溜まっていき、熱効率が悪く、焦げが食品に落ちて異物混入クレームになったりしていたが、泡洗浄を始めてからそんなことは無く、しかも洗浄効果抜群で時間も極端に短くなった為、大幅なコストダウンになった。

古い工場では壁側が木で水をかけられなかったり、古い機械類で全面的に泡洗浄できないものがあったりで、泡洗浄による大きな改革は出来ないところも多い。しかし、カバーをしたり、かけかたを工夫したりすれば、かなりの部分は泡洗浄出来るはずだ。
フライヤーの油層内部は油を取り替える時に出来る。機械上部や外側は油が飛び散ったり食品残さが付着するので、スイッチ部分をカバーするなりかけないようにして泡をかければきれいになる。機械が置いていある床下や壁側の隙間は最も汚れるところなので、これこそ泡洗浄が必要だし、ここなら問題無く出来る。

大型のコンベアフラーヤーでは床との間が狭くて複雑のパイプが設置してあるため洗浄しにくいものも多いため、洗浄しないで放置している所も多いが、そうすると油がこびりつき、目を覆うような状態になってしまう。こういう所は、虫,バクテリアの住処、大発生源だ。

これを何とかするには、洗浄業者を入れてもいいから、一度徹底的に洗浄し、そのとき泡洗浄をすると問題になる個所があれば塞ぐなり覆うなりの修繕をする。
一度この「大掃除」をしたら、後は毎日泡を奥まで噴射し、30分ほど放置して油分を浮かせてから、水で流す。これだけできれいな状態を維持出来る。
ダクトと周囲がドロドロに汚れているのもよく見かける。高い所だから洗いにくく、放っておくので、どんどん汚れが溜まってしまうのだ。これを放っておくと、汚れが落下し、食品に混入することになる。

ダクトは古い施設でもステンレスで出来ている所が多いので、これこそ泡洗浄しやすい場所だ。

ここも同じように一度しっかり大掃除してきれいにすれば、後は下から水鉄砲で遊ぶように泡をかけ、30分して水をかければきれいになる。毎日やるのも簡単だし、そうすればいつもピカピカだ。ダクトから泡が下の調理器具に落ちる、と言ってやらない所があったが、それこそ調理器具も一緒に泡洗浄出来る。

東京駅丸の内の三菱ビル一階に良いワインを置いてある中華レストランがあったが(現在改築中)、ここは夜10時までがディナーメニューで、それから午前3時までは点心などの簡易メニューになる。ここら辺はミニマンハッタンみたいで、24時間ビジネスが動いている所も多いので、このようなレストランが成り立つ。

さて、このレストランは厨房がガラス張りで、客席から見えるのだが、10時になるとこのメイン厨房は一斉に洗浄を始める。
洗浄は、泡をダクトや客席との境のガラスの上、つまり天井から一斉にまき出し、調理機器にまき、最後に床にまく。これが終わると天井側から水をかけて泡を流していく。15分ほどでこの全面的泡洗浄が終わるのだが、観客席からこの泡洗浄が丸見えなのだ。これを見ながら中華とワインを楽しむのはまた格別。中には時々「落ち着かない」と文句を言う客も居るらしいが、殆どの客は喜んでいた。

きれいな厨房だから、安全で鮮度良くおいしい料理が出来る。食品工場も同じだ。泡できれいにする工場なら、異物混入や食中毒入りの製品は出てこない。
泡洗浄には、水道の水圧を利用する簡易型、20万円ぐらいのコンプレッサーを使う中型、100万円ほどになる大型と、3つのレベルがある。洗剤は汚れの性質に応じて選定するが、理解している業者なら相談に乗ってくれるだろう(分からなければ最初から付き合はないこと)。試験的に簡易型を借り、どのように出来るのかをしばらくテストしてから、工場の規模と状況に合わせて使う機器を選択すればいい。(簡易側では泡の状態はあまり良く無い)





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