962号 タイムゾーン-3 色々なタイムゾーン

2018/11/08 18:56 に 加藤光夫 が投稿


ある工場では4つのタイムゾーンに分けている
1.製造タイムゾーン
製造中のタイムゾーン
2.サニタリータイムゾーン
製造、洗浄、乾燥、ゴミ捨て
3.メンテナンスタイムゾーン
工場内全てのメンテナンスを行う。週に一回などの頻度と、曜日、時間を決めて行う。製造装置が多い工場では必要。これを工程別に行うと交差汚染が起こる。また、製造が連続している場合も工程別には出来ない。
4.緊急タイムゾーン
緊急メンテナンスや修理、装置の入れ替えや新規導入などを行う場合のタイムゾーン。製造をしたまま一部の装置をいじると、不良品が出たりラインの混乱が起こる。

961号 タイムゾーン-2 タイムゾーンとは

2018/11/02 18:14 に 加藤光夫 が投稿


工場内を、清潔と汚染に分けたり、中間に準清潔ゾーンを入れるのは、製造での交差汚染を防ぐ対策だ。平面的に分ける。
これに対して「タイムゾーン」は、時間で分ける方法だ。
タイムゾーンは平面で分けたゾーニングと併用する。
この3階の工場の場合、朝から製造が始まり、夕方(例えば3時)に製造が終わるとする。
3時に製造が終わったら、そのままサニタリータイムに移る。
清掃、洗浄、乾燥、そして出たゴミをエレベーターを通して下ろす。
サニタリーは(出来るだけ)平面のゾーニング別にして交差しないように気をつける。
そして5時に最終のエレベーター内の清掃をしておしまい。
3〜5時の2時間がサニタリータイムというタイムゾーンになり、この間は製造してはならない。時間で決めないでも、製造が終わってからサニタリータイムにすればいい。
これがタイムゾーンだ。考えてみれば当たり前のことで、家庭でいえば食事をしている最中に掃除はしない。
工場なら、製造している最中に掃除はしない。掃除している最中に製造はしない。
これを明確にタイムゾーンの名前と時間を決めることで、安全対策を認識も含めてしっかりすることになる。

960号 タイムゾーン-1 3階の工場のゾーニング例

2018/10/25 18:38 に 加藤光夫 が投稿


工場が3階で、製造に使うエレベーターが一つしかない工場では、エレベーターで交差汚染が生じることになるので、どうすればいいか悩んでいた。
こういった場合、一つの方法は、エレベーターを準清潔ゾーンにし、エレベーター前を乗せ換え場所にするといい。
まず、1階は原材料入荷と製品出荷になるので、ここは外と直接接するので汚染ゾーンになる。
1階で原材料が入荷したあと、奥の方を原材料保管庫にする。
エレベーターの横を原材料の開梱場所にして、外箱から出し(外箱はここで廃棄置き場へ)エレベーター前の乗せ換え場所でキャスターに乗せ、この例の場合は3階まで上げる。
エレベーター内は準清潔ゾーンになるので、原材料は汚染ゾーンで開梱されたあと準清潔ゾーンに入って3階の準清潔ゾーンになっている下処理室に入る。
下処理室で処理された食材はキャスターに乗せられて同じ準清潔ゾーンのエレベーターに入り、2階の調理パックに行く。
2階は清潔ゾーンなので、エレベーターから出た下処理食材はそのまま清潔ゾーンに入り、調理、冷却、パックと製造工程を進み、金属探知機などの検査工程を通れば個包装されているからそのまま準清潔ゾーンのエレベーターに入り、1階に降りる。
1階に降りたら外箱に入れ、製品保管庫に置き、出荷になる。

これで、完全な形ではないが、今まで混乱していた状態がゾーニングされた。
導線とゾーニングの整備というのは、今までの混乱状態よりもより良くなり、交差汚染の危険が減ったと言うだけで進歩になる。安全性が増したのだから。

さて、この事例と全く同じ工場があり、セミナーでこの解説をした後質問が来た。
「ゴミ捨てで、エレベーター内で交差汚染が起こってしまうが、良い方法はないか?」
この解決策は「タイムゾーン」だ。

959号 水を使えない場所のサニテーション-4 熱風送風機

2018/10/20 19:54 に 加藤光夫 が投稿


パン工場などで機械内部に粉が入り込み、それが虫の発生源になっていることが多い。機械内部が複雑な構造だと分解洗浄をするのは大変なことになる。技術者が必要。
そこで、対象の機械を耐熱シートで覆い、熱風送風機で熱風を送り込み、虫の卵も含めてまとめて熱清掃殺菌をしてしまう。
ある工場では、機械の状態によって毎月や半年ごとといった頻度を決めて実施している。
これは、工場用のシステムの製品などは無いようなので「熱風送風機」と「耐熱シート」で検索して自分で作ることになる。

洗浄出来ない工場の、小型工場なら、掃除機とノズル、オスバン液、アルコール、モップとカウンタークロスで出来る。しつこい汚れにはスチーム洗浄機の小型版もある。
中大型工場なら、「ルンバ」の工場版とも言える自動掃除機もあるし、清掃に蒸気洗浄とバキュームが一緒になったロボットみたいなのも数多くある。

958号 水を使えない場所のサニテーション-3 スチーム洗浄機

2018/10/11 17:07 に 加藤光夫 が投稿


スチーム(蒸気)を対象物に当てて汚れを取る。
一般的に知られているのはテレビ通販などで販売されている家庭用だ。これでもよく落ちるが、蒸気が拡散してしまう。
工場用は200ボルト電源を使ったバキューム機構付きのもので、形も大きい。
これは、160℃ほどの高圧蒸気を対象面に当て、汚染を浮き出させ、その汚水をすぐに吸い取り、本体の大型タンクに入れてしまう。したがって、洗浄できない場所に適している。
また、食肉工場でよく見かける冷蔵庫内の脂肪汚れに効果的だ。冷蔵庫の床はコストのためもあるのでコンクリートが多い。脂肪は落ちてこびりつく。庫内の清掃はあまり出来ないので、汚れは着々と溜まっていく。
こういった場所にもスチーム洗浄機(バキューム機構付き)が効果的だ。高温蒸気で脂を溶かして吸い取ることが出来る。これは一回では出来ないが、例えば毎週やっていると次第に良くなっていく。時間が必要だが、例えば半年後に良くなったあと、そのまま続けていけば常にきれいな状態を維持できる。
ノズルは色々あるので、床用、機械用など、目的に応じて使い分けられる。

958号 水を使えない場所のサニテーション-3 吸い込み清掃したあとは「オスバン」で仕上げ

2018/10/05 18:01 に 加藤光夫 が投稿


清掃したあと、オスバン液で仕上げをすると、虫と細菌に効果的対応ができる。
「オスバン」は総称名で、一般名はベンザルコニウム塩化物。薬効分類名は殺菌消毒剤。古くから手指・皮膚の消毒に使われてきている簡便に使える消毒液だ。
この用途の中に「手術室・病室・家具・器具・物品等の消毒」があり「50〜200倍液(0.05〜0.2%溶液)を布片で塗布・清拭するか、又は噴霧する。」とある。(http://www.kegg.jp/medicus-bin/japic_med?japic_code=00058106)
工場での使い方は、清掃したあと、オスバンを200倍程度に薄めた液を作り、床の場合は、モップ用のバケツで濡らしてから絞って抜き、これで拭く。機械やベルトでは、厚手のカウンタークロス(繰り返し洗って使えるタイプで、繊維が落ちない)で拭く。
コンベアベルトの場合、食材がこびりついているベルトなら、コンベアを動かしながらヘラなどで削ぎ落としたあと、オスバンで拭いたり、あるいはアルコールを使う方法もある。
こびりついた汚れも毎日やれば次第にきれいになる。
ある工場で、コンベアベルトのATP検査をしたところ、5桁(万単位)の数値が出た。合格の数値は1000以下なので、とんでもない数値だ。今までの清掃はどうしていたかと聞いたら、ブラシで清掃していただけ。
そこで、この方法(オスバンやアルコール使用)で毎日続けていったところ、最初の一月ぐらいは大した変化は無く、挫折しそうになったようだが、その後徐々に改善されて行き、半年後(かなり時間がかかる)に合格レベル程度までなった。
こういった改善には、単に作業を指示するのではなく、時間をかければ良くなる、という認識、意識、意欲が必要だ。

957号 水を使えない場所のサニテーション-2 まずは掃除機で吸い取る

2018/09/28 18:34 に 加藤光夫 が投稿


コンプレッサーからの高圧空気を使って機械の隅などの清掃を行っているところは多い。隅の清掃はこの方法でいいのだが、吹き飛ばしたあとそのまま、あるいは軽く床清掃をする程度のところが多いようだ。
吹き飛ばすと、粉残渣を飛ばし落とすことが出来るが、その後徹底的な吸い込み清掃(業務用掃除機)をしなければ、残渣はそのまま工場内に留まることになる。
これを毎日行っていれば、残渣は次第に蓄積し、虫発生になる。
時々大掃除をすればいいかもしれないが、せいぜい一週間の頻度だろう。残渣が多い工場なら毎日徹底した吸い込み清掃が必要だ。

掃除機のノズルを使い分ける

業務用掃除機では多くの形のノズルが売られている。多メーカーに対応したノズルの通販も多くある。(「業務用掃除機 ノズル」で検索)
細かい部分は先端の細いもの、局面の部分ならその形にあったものなど、多くの選択ができる。

956号 水を使えない場所のサニテーション-1 泡洗浄出来なければ汚染と虫発生の原因になる

2018/09/20 17:02 に 加藤光夫 が投稿


パン、麺、点心など、小麦粉などの粉体を原材料とする工場では、水を使えないところが多い。また、海苔や削り節といった湿度を嫌う工場でも、環境湿度を上げないために水を使った洗浄はあまり出来ない。洗浄可能な工場でも、スパイス、調味料などの保管庫や汚れが多く出る調合室は泡洗浄出来ない。
しかしながら、こういった工場で多い旧来からの製造を行っている所で拭き取り検査をすると、かなり汚染されていることが多い、というよりも今まで見た中では全て汚染されていた。
では、旧来から長い歴史がある製造のままでいいかというとそうではない。
汚染された工場で製造すれば食中毒の原因になるし、小麦粉などの粉類は浮遊し工場の隅々に入り込む。粉類は虫の餌なので、虫の混入の原因になる。

955号 熱湯殺菌での破壊検査のコストダウンと安全確保-4 CCPの方法を変える

2018/09/14 14:56 に 加藤光夫 が投稿


例えば一ヶ月全てのロットを検査したら、安定してできることが検証できたことになる。
そこで、CCPを、槽の湯温と浸漬時間にする。もちろんアイテムごと、あるいは形、量によって一つ一つ検証してこの温度と時間を決め、これを表にする。
2キロの平たい真空パックより、500グラムの太いチューブパック(ロケットパック)の方が時間がかかる。ガラス瓶とパウチでは違う。パック内の食材の大きさや形でも違う。
こうすることで破壊検査を無くすことは出来るが、完全に無くすことはやめたほうが良い。
そのために、CCPはアイテムごとの温度と時間だが、製造上のオペレーションとして、ランダムに(例えば毎日3ロットなど)測定する。また、季節ごとに再検証をする、特に夏場は検査頻度を増やす、夏と冬の変化があればそれをCCPに反映させる、などの確認や微調整をする。

このようなステップで進めることで、検査と破壊検査のコストダウンと、安全の確保ができる。

954号 熱湯殺菌での破壊検査のコストダウンと安全確保-3 検査結果を見てからの進め方

2018/09/07 1:49 に 加藤光夫 が投稿


細菌検査

2パックずつ取り出したサンプルの一つは中心温度計で破壊検査したが、もう一つのパックは破壊していない正規の製品だ。この中で、中心温度の最も低かったパックと最も高かったパックを細菌検査する。

検査結果を見てからの進め方

細菌検査結果が目標とほぼ等しいなら、今までのオペレーションをそのまま続けるが、当初はある程度の期間、例えば一ヶ月、ロット毎に中心温度測定を続ける。
もし、目標と違うなら、改善する。
中心温度の最低と最高の違いが細菌検査結果に影響している場合、もう少しだけ殺菌工程を長くあるいは温度を高くする必要があるかもしれない。
細菌検査の結果が悪い場合、温度を上げる、あるいは時間を増やすなどの改善が必要になる。あるいは、パック前の作業の環境や食材そのものの問題がある場合もある。いずれにしろこの状態で今まで出荷していたなら、今まで無事だった幸運を認識して、すぐに改善する。
逆に、これならもっと温度を下げる、時間を短くするほうが良い(美味しくなる)という結果になることもある。しかしこの場合、安全のためには慎重に経時変化を確かめる必要がある。
また、もし温度を下げても問題なく、そのほうが味が良くなると確実に検証ができた場合でも、「味が変わった」というクレームにつながることがあるので十分に注意する。
この件で、かなり昔の話だが、戦前(第二次世界大戦前の話で恐縮だが)、牛肉の大和煮の缶詰のメーカーがあった。この原材料だが、それまで物資が不足していたので馬肉を使っていたのだ。馬肉を牛肉と偽って長期間製造していたわけだ。
そして、戦後しばらくして原料が安定してきたので、今度は本当の牛肉を原材料にして製造して出荷したところ、味が変わった、まずいなどと、大変なクレームが殺到した。
あのコカ・コーラでもかなり前だが、新しい味、新製品にして出荷したところクレーム殺到し、「クラシック」を出したこともあった。
このようなことがあるので、温度を変えるということは、味が変わってクレームになってしまう危険もある。そこで、もし変える場合には、新製品として出荷した方がいい場合もある。
いずれにしろ、安全範囲に、安定した殺菌が出来るように、基準(CL)を決める。

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