vol.891 次第にコストダウンになる汚れの発見から改善までの手順-3

2017/05/18 17:40 に 加藤光夫 が投稿


ステップ3 改善の方法

短い時間で、きれいに

改善のコンセプトは、短い時間で、きれいにすることだ。ただきれいにするという目的だけだと、洗浄の手間が無駄にかかることになりかねない。
上から下へ、排水溝から離れたところから排水溝に向かって、という方向を決めれば、戻ること無く、1回で綺麗にできる。
というのは、あちこちで洗浄の現場を見ていると、体や手は忙しく動いてしっかりやっているようにみえるが、よく見れば、一度流したところをもう一度やったり、汚水を逆流させたりしていて、無駄な動きがかなりある実態を見ることも多い。

泡洗浄の泡を貼りつかせる時間

次に、洗剤を使った泡洗浄にすべきだが、泡を貼りつかせる時間が重要なのだ。
洗剤の泡は20分ほど貼りつかせておくと、汚れを浮き出させて、後は軽く流すだけできれいになる。
ある工場で泡洗浄を導入したが、思うように汚れが落ちないという声を聞いて調べたら、泡をかけてからすぐに流していることがわかった。そして20分の時間を置いたら、すぐに良くなった。
20分ということは、時間がかかると考えるかもしれないが、工場内全てに一気に泡をかけることは出来ない。1つの泡洗浄機で順に泡をかけていくわけなので、端から端までかけるのに時間がかかる。上から下、排水溝に向かって、という原則どおりにかけ終わったら、最初にかけた場所は既に十分時間が経っているので、時間を無駄にすることはない。

vol.890 次第にコストダウンになる汚れの発見から改善までの手順-2

2017/05/12 17:57 に 加藤光夫 が投稿


ステップ2 特に危険な箇所の洗浄に集中して改善

特に危険な箇所は、加熱殺菌後の冷却からパッケージまでの間の工程など、製品を汚染すると大問題になる場所にある器具や製造装置、あるいは製造途中の食品を置く場所などになる。
これは製造製品によって異なるので、特に清潔でなければならない場所を特定する。
問題箇所が分かったら、そこの清掃洗浄手順を一つ一つ丁寧に改善していく。

次第にコストダウンになる汚れの発見から改善までの手順-1

2017/05/04 15:46 に 加藤光夫 が投稿


拭き取り検査をやってみたら、そこらじゅうが不合格で、どう対処していいかわからなくなった。拭き取り検査は手間も含めてコストがかかる。しかし放っておいたら問題になる。とにかく徹底的に洗浄をするように指示すれば、これまた時間もコストもかかる。
拭き取り検査を始めた途端、こうなってしまう所も多いようだ。
製造環境を綺麗に出来て、コストもそんなにかからない方法はないものだろうか、となる。そこで、そのステップを探ってみよう。

ステップ1 拭き取り検査をできるだけ多くの箇所でやってみる

拭き取り検査の方法は、スタンプ検査、シート培地、ATP検査、スワブなど、どれでもいい。最も簡単なのはスワブで、専用の綿棒で拭き取った後の色の変化で判る。数値で分かるのはATP検査だ。シート培地でもパソコンで数値化出来るシステムも出て来ている。
ある工場では最初に百箇所をATP検査したら、不合格がかなり出て来て、これは大変だとなった。しかし、これはいいきっかけになり、どこがどれだけだめなのか、汚染されているのかが明らかになった。

vol.888 加熱からパックまでの重要工程-3 コンベアとコンテナの洗浄

2017/04/20 18:19 に 加藤光夫 が投稿


製品を直接乗せるコンベア、あるいは入れるコンテナには2つあると考える。
殺菌前か、あとか、の、2つだ。
殺菌前のコンベアが多少汚染していても、そのあと殺菌工程があるなら(僅かな汚染はあるものの)、大丈夫だ。
しかし、殺菌後、パッケージまでの間でコンベアを使っていたら、そのコンベアの汚染がそのまま製品に影響する。
前述した事例のすべてがこれに関係する。
コンテナの場合、洗浄殺菌したものを使う。使い回しはやってはいけない。
コンベアの場合、連続して回転しているので、前述のマルチスライサーのように時間を決めて洗浄するといい。しかしながら、コンベアの洗浄や、コンベアそのものの交換は、時間がかかる。
そこで、自動洗浄が出来るか、ということになる。
コンベアの自動洗浄機はあり、コンベアラインの中に設置して、回ってくるコンベアを常時洗浄する装置だ。これは大型のコンベアラインにはオプションとしてもあるのだが、中小規模のラインに設置できるものはあるものの、結構高額だ。
簡易版で小型低額のコンベア自動洗浄装置はあるメーカーで開発が進められていて、2017年春ぐらいには完成する見込みだ。情報を得ている多くの食品工場では待ち焦がれている。
このコンベアの汚染対策を今までどうしていたかというと、多くは気が付いていないまま来ていたようだ。

温湿度の自動監視<良い監視システムの紹介も兼ねて>

2017/04/13 16:40 に 加藤光夫 が投稿   [ 2017/04/13 20:42 に更新しました ]



食品工場にとって温湿度は、製品の安全性の確保に重要だ。
湿度は、多くの食品工場で、天井裏が夏季に高湿度になり、結露の落下、漏電、ひどい場合には水溜り状態になって天井板の落下にまで及ぶ。
天井裏の対策は、扇風機や除湿機を設置するが、これは天候との関係で、常に変わる。天気が良い日は空気を通し、雨の日は除湿機を動かす。
工場洗浄後の除湿をしないとカビの問題になるが、何%まで下げるか、あるいは下がるかについても、天候との関係に左右される。
この温湿度の監視は、従来は例えば2時間毎に確認し、記録を書き込んでいた。しかし、このための人的コストはかなりのものになるし、記録も紙に書き込んでいたのでは、傾向を監視しにくい。
手間がかからずに監視記録が出来、傾向も分析でき、低コストで済むものがないか、潜在的なニーズが高まっている。
そんなところに、以前から良いなと見ていた「ACALA」という、温湿度をクラウドで統合監視記録できる一つのシステムが、この程「第29回 中小企業優秀新技術・新製品賞」優良賞を受賞したというニュースが入ってきた。
これは、手のひらに簡単に乗る電池内蔵(5年ほど持つという)のユニットを、監視する場所に置き、指定時間間隔(初期設定は1分ごと)でクラウド経由でパソコンに記録するものだ。
おまけに問題が起こりそうになるとアラームまで出せる。
低コストの点では、リースなので、初期コストがかからない。
料金が安いので、多くの台数を簡単に設置できる。
遠隔で監視が出来るので、委託工場にも置ける。配送車といった動体でも使える。
天井裏に置いておき、湿度監視による除湿機の運用にも使える。
この監視システムは現在受賞記念のキャンペーンもやっている。
詳しいシステムの紹介ページは<https://tmcn.jp/>
問い合わせは「FD042017」というキャンペーン番号を入れて以下へメールして下さい。
<info@tmcn.jp>

加熱からパックまでの重要工程-3 刺し身でのマルチスライサーとコンベアの例

2017/04/06 22:27 に 加藤光夫 が投稿


イカを細切りにした刺し身でイカソーメンがある。これを工場で製造するのに、イカを電解水やオゾン水などの機能殺菌水で殺菌したあと、マルチスライサーに通す。
スライサーを通ったあとコンベアに乗り、出てきたところを人手でトレイに盛り付けてからパックする。
これでよくある汚染は、マルチスライサーだ。このスライサーは数十枚の丸刃が並んでいるところを通せば一回で一枚のイカを細切り出来る。ところがこの機械の構造上、刃と刃の間や、刃が入る溝が、使っているうちに汚染が始まり、増加していく。
イカソーメンまで細くなくても、マルチスライサーの刃と刃の間は汚染が溜まる。
この対策は、丸刃と溝部分のユニットを毎時間ごとに交換する。交換ユニットがなければ、毎時間スライス作業を止めて洗浄殺菌することになる。
もう一つは、コンベアの汚染対策だ。

vol.885 加熱からパックまでの重要工程-2 サンドイッチや菓子などのフィリングの例

2017/03/30 23:17 に 加藤光夫 が投稿


例えば、チーズインハンバーグで、包餡機を使って内部にチーズを入れた状態で整形したハンバーグを、コンベアオーブンやスチコンで加熱調理をするなら、中心部を殺菌温度まで加熱することで安全確保をすることができる。後は汚染しない環境で冷却からパッケージまでを行なう。
しかし、外側を加熱後に中に挟み込んだりフィリング(詰め物)を注入、あるいはロールケーキのようにシート状のものの内部に入れる場合、外側を加熱調理したあと、内部にフィリングを入れる工程で、フィリングを入れる装置の投入口や絞り入れるノズル内が汚染されていれば、内部に汚染(細菌や異物)を練り込んでしまうことになる。
あるいは、この工程でコンベアを使っている場合、そのコンベアが汚染されていれば、製品表面を汚染してしまう。
コンベアは回転し続けるので、最初はきれいでも、時間とともに汚染が増大されていく。

vol.884 加熱からパックまでの重要工程-1 ハム、ソーセージなどの、食肉加工品の例

2017/03/23 17:33 に 加藤光夫 が投稿


加熱調理をして中心温度を殺菌できる温度まで上げれば製品からハザード(危害要因)である食中毒菌を殺すことが出来る。製品からハザードを除去できるので、CCPになる。
それなら、ここが製造でもっとも重要な工程かというと、そうではない。
加熱後、パッケージまでの間の工程に冷却があるが、この間の環境が悪くて汚染してしまったら、製品に再びハザードが入り込むことになる。
であるから、この加熱後の、冷却とパッケージまでの工程は重要だ。
では、ここをどう安全管理したらいいのか。

ハム、ソーセージなどの、食肉加工品の例

この製品の製造工程は、下処理したあと、整形あるいはケーシング(腸詰め)し、スモーカーで加熱するので、加熱前の工程で汚染されても、スモーカーで殺菌できる。なので、スモーカーの工程がCCPになる。
このあと、冷却してからパッケージになるが、冷却工程で、シャワーの水が汚染されていなければならない。日本で水はきれいだと思いこんで入るが、上水を使っていても、受水槽が汚れていたり、途中の配管やノズルが汚染していれば汚染されてしまう。自然水の飲料供給機で、水は問題なくても、コップに給水する直前のノズルの汚染が問題になっているが、これと同じだ。
次に、冷蔵庫での冷却になるが、ここに入れるまでの環境、あるいは冷却した後のコンテナ、パッケージでの手や装置、機器、道具などの汚染があれば、製品を直接汚染してしまう。

vol.883 ゾーニングの境界をどうするか-4 殺菌マットを置く

2017/03/16 17:36 に 加藤光夫 が投稿


管理者はゾーニング間を時々行き来する。作業者は、応援や確認などで隣のゾーンに行くこともある。この場合の行き来をどうするか。
厳密にするならば、一旦作業室を出て、サニタリールームに戻ってから、別のゾーニングに入り直すことになる。しかしこれでは大変な手間になる場合もある。ちょっと行き来するのに簡単な方法はないか?
この場合、ゾーニングの境に殺菌マットを置く方法がある。
リース、レンタルで、靴拭きマット、玄関マットがあるが、これに殺菌機能がついたものだ。これを境に、汚染側から清潔側に入るときに靴底を拭いて入ればいい。

ゾーニング間の移動は、ある程度合理性と緩和も必要だ。完全にゾーニングすることなど不可能なのだから、今ある状態の中で、合理的で、安全な方法を探ったらいい。

vol.882 ゾーニングの境界をどうするか-3 履き替える方法

2017/03/09 17:03 に 加藤光夫 が投稿


インナーパック(フィルムパック、真空パックなど、製品を直接包装した状態)にしたら、金属探知機やX線の検査ラインを通過して、そのままコンベアで外包装室に移動しているなら、その間にビニールカーテンなどで仕切ればいい。
しかし、検査したインナーパック状態の製品を、一旦冷蔵庫や保管庫に入れ、溜まってから外包装室に持っていくような場合、その間の置き場所に、汚染側と準清潔ゾーン側の作業者の両方が入ることになる。そうすると、その間の置き場で履物による交差汚染が起こる。
そこで、その間の置き場に、インナーパック側の作業者が、その場所の中央場所に置く。これを、反対側の外箱入れの担当者が引き入れる時、その置き場所に入る入口のところで履き替えるといい。
ある工場では、外箱入れの担当者はスニーカーを履いているが、この置き場に入る入口にクロックス(今人気のスリッパ)が置いてあり、履き替えてから引き入れて、スニーカーに履き替えて外箱詰め作業に入る。
ある工場では、外箱に入れる作業室に入る場合、更衣室からスリッパで入り口ホールに入り、その中のラインで区切りした部分で、作業側で使うスニーカーかスリッパに履き替えている。

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