971号 効率の良い拭き取り検査と改善-5 不合格になった場合

2019/01/17 17:18 に 加藤光夫 が投稿


ISO22000のOPRPの場合、再洗浄して合格を確認してから製造を開始する。合格にならなくては製造をしてはらない。これは、汚染された状態で製造をしてしまえば、汚染された製品をパッケージしてしまうことにつながるからだ。厳しさはCCPと同じだ。OPRP以外の特別清浄箇所も同じ扱いにしてもよい。
一般箇所は、不合格になったことを現場に伝えて、翌週同じ箇所を検査してみる。

継続

このランダム検査を続けていくと、時々不合格箇所が発見される。
発見されたら、前述したように治していく。
こうすることで検査箇所が少なく、しかも工場全体をじっくりと検査できる。コストも少ない。

グラフはある工場のOPRP部分のATP検査拭き取り検査の結果だ。
ここには3台のOPRP対象の充填機があり、当初そのノズルとタンクを調べたら、かなり結果が悪かった。この状態ではバクテリアと汚れも一緒に充填してしまう。
そこで、毎回使用する前に拭き取り検査をして、不合格の場合は再洗浄して合格を確認してから製造を行うようにした。
グラフの300の位置にある横線が限界値で、ここの一回目の拭き取り検査の結果をグラフにしてあるので、不合格の数値がそのまま出ている。
当初はかなり不合格があり、限界値の上に行ってしまっている結果がかなりある。しかし、続けて行くに従って多くが合格になり、約5ヶ月後には安定した定数値になっている。
こういった数値を元に安全を確保するのをフーズデザインでは「データベースセーフティー」と呼んでいる。
ATP検査では数値が出るが、スワブでも可能だ。スワブの場合は、色の変化を数値化したり、プラスとマイナス、あるいは1と0にするといった方法で変化が分かり、自然に対応策を現場が検討するようになる。

970号 効率の良い拭き取り検査と改善-4 ランダムに調べる仕組み

2019/01/10 17:13 に 加藤光夫 が投稿


次のステップは、ランダムに検査をして、不合格箇所を発見する。
一つの例を述べるが、
週に一度、
重要清浄箇所を3箇所
一般箇所を3箇所
をランダムに選んで、検査をする。
検査の方法は、
1.検査箇所の担当者以外が検査をする。
つまりは、洗浄した人以外が検査をする。
このために、事務方が行なったり、相互検査、例えば下処理室と調理室がお互いに検査をしたりする。これによって第三者的に検査が出来る。
2.曜日を決めない
毎週決まった曜日に検査をすると、その日を特にきれいにする傾向が出てしまうので正常な判断が出来ない。検査者の仕事の都合や、気分によって検査日を決める。
3.検査は、洗浄が終わったあと、または作業が始まる前に行う。

969号 効率の良い拭き取り検査と改善-3 最初はできるだけ多くの場所を調べる

2019/01/03 19:07 に 加藤光夫 が投稿


拭き取り検査を始めて行う場合、最初はできるだけ多くの場所を検査してみる。例えば100箇所。
合格したところは、それを手順書にする。
しかし、不合格になる場所がどんどん出ることが多い。
不合格になった場所は、洗浄方法(手順)を改善して合格になるようにする。
手順が決まったら、その洗浄手順通りに出来る人を決める。これを「力量」というが、これを出来る人以外はそこの洗浄をしてはならない。
「手順」と「力量」の仕組みを守ることが工場内の環境を維持することにつながる。
不合格になったところを一つ一つ改善していくことで、時間はかかるが工場内をきれいにしていくことが出来る。
工場内がだいぶきれいになったら、次のステップに進む。

968号 効率の良い拭き取り検査と改善-2 拭き取り箇所を2つに分ける。

2018/12/20 19:33 に 加藤光夫 が投稿


一つは、重要清浄箇所で、食品食材が直接触れる場所になる。特に、加熱殺菌後の冷却からパッケージにいたるところは、ISO22000ではOPRPになる。
もう一つは、それ以外の場所。製造装置そのものだけではなく、多くの人が触って汚染拡散の場所になる取っ手やスイッチボタンなども含める。

最初はできるだけ多くの場所を調べる

拭き取り検査を始めて行う場合、最初はできるだけ多くの場所を検査してみる。例えば100箇所。
合格したところは、それを手順書にする。
しかし、不合格になる場所がどんどん出ることが多い。
不合格になった場所は、洗浄方法(手順)を改善して合格になるようにする。
手順が決まったら、その洗浄手順通りに出来る人を決める。これを「力量」というが、これを出来る人以外はそこの洗浄をしてはならない。
「手順」と「力量」の仕組みを守ることが工場内の環境を維持することにつながる。
不合格になったところを一つ一つ改善していくことで、時間はかかるが工場内をきれいにしていくことが出来る。
工場内がだいぶきれいになったら、次のステップに進む。

967号 効率の良い拭き取り検査と改善-1

2018/12/14 0:56 に 加藤光夫 が投稿


洗浄効果の検証は拭き取り検査で行う。
しかしながら、検査箇所は多くあり、人的にも時間的にもコストがかかる。
そこで、効率の良い方法を考えてみよう。

道具を選ぶ

拭き取り検査はその場でわかるほうが良い。その場でわかればすぐに再洗浄して安全確保が出来る。
そのための道具として、一つはATP検査で、数値管理が出来る。食品食材が直接触れる箇所で500以下、それ以外の箇所で1000以下、手洗い後の手は2000以下、といったところが目安。本体は9万円台で、拭き取り綿棒は一本240円ほど。
もう一つはスワブ検査で、綿棒で拭き取って汚染していると拭き取った部分の色が変わる。汚染度によって色が変わるタイプもある。このタイプは低価格で、最も安いタイプでは一本税別で30円。綿棒の両端が使えるので一箇所17円だ。

このスワブ検査は右側の「機器資材ご紹介コーナー」にあります →

966号 製造中に蓄積する汚染対策-3 複数の食材を一つの機器やラインで行う場合

2018/12/07 1:45 に 加藤光夫 が投稿


例えば鶏肉のスライスの場合、汚染度の少ないものから始めていく。
まずはササミのスライス。そのあと胸肉、もも肉、端材、最後に皮。
これは、脂肪が少ない順、あるいは汚染の少ない順、あるいは前の食材があとの食材を汚染するのが少ない順、となる。
長時間になる場合は、やはり2時間毎に洗浄する。
米国の牛肉パッカーの例だが、日本向けの枝肉から部位肉へのカット加工とパックをしているところで、朝の最初の最もクリーンな環境で日本向けの製品をするところがあるが、これも同じ理由だ。
ISO22002の10.3アレルゲンの管理で「製品は、清掃・洗浄及びラインの交代手順、及び/又は製造順序による意図せぬ交差接触から保護されなければならない」という要求事項がある。
この「製造順序による」というのは、朝一番にノンアレルゲンの製品を製造し、そのあと一般の製品を製造するという順序にして、交差汚染、コンタミネーションを防ぐ、という方法になる。

965号 製造中に蓄積する汚染対策-2 マルチスライサーの場合

2018/11/29 16:14 に 加藤光夫 が投稿


マルチスライサーは数十枚の刃と、それと組み合わさる溝側のロールで出来ている。
この刃と刃の間、そして溝と溝の間がカット作業を続けるにつれて汚染されていく。
この対処もチョッパーと同じで2時間毎に洗浄すればいいのだが、マルチスライサーの場合チョッパーとは違って、隙間が小さく、多く、奥が深いので、洗浄に時間がかかる。
そこで、費用はかかるが、刃と溝のセットをもう一組み入れる。
8時から製造を開始したら、10時に刃と溝のセットを取り替える。
取り外した8時から使っていたセットは、洗浄し、必要であれば殺菌水に浸けておく。
洗浄方法だが、まずは高圧水かスチームで溝の奥まで圧力をかけて掃除をし、そのあと泡洗浄をする。泡洗浄は気圧式(コンプレッサーの高圧空気使用のタイプ)を使うと、泡が細かいので溝の隅々に張り付かせることが出来る。
そして、必ず20分以上置いておくことが重要だ。すぐにすすいでしまうと、脂肪が浮き出る前に泡を落としてしまう。20分以上おいておくと、泡が脂肪を浮き出しているので、そのあとすすぐと効果的だ。
この作業で、湯を使うとなお効果的だ。
食材の状態と、汚染状態によって、洗浄の効果が違うので、拭き取り検査をして確かめ、手順を確立すること。そして決まった手順通り洗浄できる人を決め、その人以外に洗浄させないようにする。
これは力量システムと言い、作業の能力と技術を評価して登録する方法で、ISOで要求されている。このシステムだと、作業と結果のブレがなくなり、安全をより確保することが出来る。

964号 製造中に蓄積する汚染対策-1 ひき肉の場合

2018/11/22 19:45 に 加藤光夫 が投稿


ひき肉をチョッパー(グラインダー)で挽き、出来た製品の細菌検査をすると、検査する製品によってバラつきがあることがある。
どういう背景でバラつきがあるかを調べると、朝一番の製品と、昼近くになって昼食前の最後の製品の差が大きい。
多くの事例を調べてみると、製造環境の温度が高いほど昼前の検査結果が悪い。
また、刃が切れなくなっているときも差が大きい。
これは、製造過程での細菌汚染が原因で、連続して製造し続けると次第に汚染されていくのだ。
チョッパーは、ロールという螺旋状の軸で肉を刃に向かって圧力をかけて押し出し、そのあと刃とその外側にあるプレート(穴の開いた外から見える円盤)でひき肉にする。このため、ロールと刃の両方で摩擦熱が生じて細菌増殖を促進することになる。
ひき肉の原材料も、チョッパーも、細菌がゼロということはなく、ある程度はあるので、連続して製造していくと、次第に細菌が増え、それが時間と熱で増殖するのだ。
これを何とかするには、例えば、2時間毎にチョッパーを洗浄する。朝8時から昼まで製造を続けるなら、中間の10時に一旦作業を停止して泡洗浄をし、殺菌して組み立て、昼まで続きを行うようにする。
また、刃が切れなくなっている場合だが、刃を研ぎに出せばいいのだが、その前に、刃がなるべく摩耗しないようにする。
まず、刃とプレートの組み合わせを変えてはいけない。
一般的にプレートは1分挽き(本挽き)と粗挽きの2枚を使っているところが多いが、それぞれの刃の組み合わせを変えてはいけない。
刃とプレートはかなりの圧力で擦れながら回転しているので、微細な溝が出来ており、この組み合わせを変えると、溝がまた新しく出来るため、刃の切れが早く悪くなる。
次に、ホッパー、刃、そしてプレートを本体に入れたあと、ワッパ(最後に締める大型のナット)で締めるが、これを締めすぎると、やはり刃とプレートの圧力が強くなりすぎて、刃が切れなくなる。手で軽く締める程度でいい。

963号 従来型基準からHACCP導入型基準にしてHACCP導入を発表する

2018/11/15 16:49 に 加藤光夫 が投稿   [ 2018/11/17 15:11 に更新しました ]


従来型基準は、昔から行われている全ての食品工場で持っている営業許可で、保健所から出ている。これにはHACCPの管理は当然入っていない。
そこで、この従来型に、HACCPの管理を入れて保健所に報告すると、認められればHACCPを導入した営業許可とすることが出来る。2年ほど前から順次全国の保健所が対応してきているが、一部導入が未だのところもあるようだ。しかししばらくしたら対応するようになるだろう。
最寄りの保健所が既に対応していた場合、問い合わせれば、管理基準などの文書や提出の方法を説明してくれるだろう。未対応の場合は、対応次第連絡をして欲しい旨言っておけばいい。
これで認められると、HACCPの管理をしていることを広報できることになる。もっとも基本レベルのHACCP認証とも言える。
県や自治体によってはホームページにHACCP導入型基準になった工場としてリストが作られている。このホームページが無い場合、工場は顧客側に口頭で報告することになる。
しかしこれでは広報にはならないので、厚生労働省のウエブサイトにある「チャレンジHACCP」に登録する方法がある。

962号 タイムゾーン-3 色々なタイムゾーン

2018/11/08 18:56 に 加藤光夫 が投稿


ある工場では4つのタイムゾーンに分けている
1.製造タイムゾーン
製造中のタイムゾーン
2.サニタリータイムゾーン
製造、洗浄、乾燥、ゴミ捨て
3.メンテナンスタイムゾーン
工場内全てのメンテナンスを行う。週に一回などの頻度と、曜日、時間を決めて行う。製造装置が多い工場では必要。これを工程別に行うと交差汚染が起こる。また、製造が連続している場合も工程別には出来ない。
4.緊急タイムゾーン
緊急メンテナンスや修理、装置の入れ替えや新規導入などを行う場合のタイムゾーン。製造をしたまま一部の装置をいじると、不良品が出たりラインの混乱が起こる。

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