1051号 微生物制御の実際:ソース入りハンバーグの例で-09 芽胞菌の問題

2020/09/17 18:06 に 加藤光夫 が投稿


工程8は、ハンバーグにする挽き肉と野菜、及び調味料のミキシング(撹拌)になる。

この工程でのポイントは、ミキサーの一般衛生管理管理になるが、時々ある問題は、香辛料などに入っている芽胞菌だ。特にブラックペパーでの問題が多い。

芽胞菌を死滅させるためには、180℃で30分間以上加熱などという厳しい滅菌条件が必要なのだ。芽胞の状態のままで菌が増殖することは無いが、生存に適した状態になると、芽胞から菌が発芽し、再び活発に増殖を始めてしまう。

この問題は例えばローストビーフで、調理しても芽胞菌が残存しており、製品になってから細菌検査すると成績が悪かったり、不合格になってしまう例などがある。

この対策は、殺菌済みのブラックペパーを使う方法がある。使用する香辛料がどうなのか、安全性を確認することだ。

1050号 微生物制御の実際:ソース入りハンバーグの例で-08 加熱殺菌前のポイント

2020/09/11 15:05 に 加藤光夫 が投稿   [ 2020/09/11 15:07 に更新しました ]

加熱殺菌前のポイント

製造工程において、この3つのCCPで細菌汚染の危害を防止できるかどうか考えてみよう。
図-4は、一般的なHACCP危害分析を行い、CCPを設定した例を入れた。

図-5は、これに加えて、細菌汚染危険工程を入れた。細菌に汚染される危害を分析したわけだ。

これを見ていくと、まず工程3から6において、ハンバーグとソースに使う肉と野菜のカット工程になるが、ここである程度の細菌汚染が出てくる。この場所で細菌がゼロということはありえないし、原材料にも多少は入っている。
この工程である程度汚染されても、このあとに加熱殺菌工程が控えているので、問題はないが、できるだけ汚染しないように、機器道具類と環境をきれいにする、清掃洗浄し、作業開始前に殺菌することで、汚染をできるだけ少なくすることが必要だ。これは一般衛生管理になる。
工程7は、ソースに使う肉と野菜を焼成するのだが、これは寸胴鍋で煮込む前工程の、食材表面の殺菌と香り出しの調理になる。これで中心までの殺菌は完全には出来ない。あくまで煮込み前の準備段階だ。細菌の汚染や増殖にはならない、かなりのレベルまでの殺菌にはなる。

1049号 第3段階は頻度を決めた点検メンテナンス

2020/09/04 23:41 に 加藤光夫 が投稿

 

加熱しないワインの製造で、細菌が入ってしまい、ボトリングしたあと膨張してキャップを開けたときに圧力で瓶が割れてしまう事故があった。

どうして細菌が入ってしまったのか調べたら、細菌ろ過フィルターの交換をしていなかったことが分かった。半年ごと、あるいは使用時間によって交換の必要があるのに、やっていなかったのだ。

定期的な点検やメンテナンスが必要になるものがあるのか、工場内の装置全てに渡って調べ、あればチェックリストに入れて確実にするようにする。

この例は細菌汚染危険地帯になる。

1048号 微生物制御の実際:ソース入りハンバーグの例で-06 第2段階は安全なものに替える

2020/08/29 17:41 に 加藤光夫 が投稿


野菜のカッターを使っていて、カットした野菜が飛び散らないようにカバーしている板を接続しているネジが落下して製品に入って顧客に行ってしまった事故があった。
この対策として、ネジが落下していないことを確認しながら作業すればいいのだが、注意し続けることはなかなか大変だ、発見できないことにもつながる。そこで考えた末、飛び散り防止板の形を変え、上にある大きなネジに引っ掛ける、という構造に変えた。これならネジがなくなり、洗浄でも簡単になる。
この例は、異物混入危険地帯の例だ。

1047号 微生物制御の実際:ソース入りハンバーグの例で-05 プロダクトゾーンでのポイントの一般的な例

2020/08/20 19:43 に 加藤光夫 が投稿


食材がむき出しになっている場所の、上と周辺、作業者を詳細に観察して、ホコリ、ゴミ、汚れ、落下物が無いか分析する。危害分析だ。
機器の上の汚れやホコリ、落下する結露、従事者の帽子や作業衣の状態をチェックして、問題があれば対応する。
対応には3段階がある。

第1段階は無くす

一例として、結露の落下は細菌混入の危害がある。
結露を調べてみると、一般生菌が多いことがあり、これが加熱殺菌したあとの冷却工程やパッケージ前の工程で製品に落下すると、せっかく加熱殺菌をしたあとに汚染してしまうことになる。
この例は、異物混入危険地帯と、細菌汚染危険違いが一緒になっている例になる。
結露を無くすには、直接的には拭くことだが、頻繁に天井を拭くなどなかなか出来ないことなので、サーキュレーターなどを使って乾燥させてしまうことだ。常に風を当てていれば結露になる前に無くすことができる。
これでとりあえずの危害防止にはなるが、根本的にはその元の原因を無くさなくてはらない。結露の元は天井裏にあることも多い。特に夏場は工場内の低温管理と、外の高温との温度差で天井裏が高湿になり、露点というある一定の温度差を超えると結露が出る。この対策のためには天井裏の除湿対策が必要になる。

1046号 微生物制御の実際:ソース入りハンバーグの例で-04 プロダクトゾーンの始まりから終わりまで

2020/08/14 16:37 に 加藤光夫 が投稿


ソース入りハンバーグのプロダクトゾーンは、下処理室から始まる。
原料の挽き材の肉や、調味料。ソースの肉や野菜などの下処理を作業台で行い、ハンバーグ用の挽き材をチョッパー(グラインダー)で挽き、副材料と撹拌機でミキシングし、成形機で円盤型に整形してコンテナに入れて加熱室に送られる。
加熱室に運ばれたパティはコンベアオーブンで焼成されたあと30分ごとに中心温度を測定され、加熱殺菌が確認される。ここがCCPになる。
この後(急速冷却しやすいように)鉄板に並べられて冷却室に入れられ、パッケージ室の深絞り包装機の投入口前に運ばれるが、ここに同じく冷却されたソースも一緒になり、深絞りトレイに入れられて包装機に入っていく。
この包装に入る直前まででプロダクトゾーンは終わる。この後シールされるのでもうプロダクトゾーンは無くなる、異物混入危険地帯がなくなるのだ。
この製造工程でプロダクトゾーンがある作業室は、下処理室、加熱室、冷却室、パッケージ室と、4つの作業室を通るのだが、実際に異物混入が起こるのは、それぞれの作業室の中の、機器、作業台の上、コンテナ投入場所で、エリアとしては作業室の中の一部になる。したがって、それほど多い場所ではない。
一般的にプロダクトゾーンは工場内の20%程度のところが多いようだ。(飲料などの配管内での製造ではさらに少なくなる)

1045号 微生物制御の実際:ソース入りハンバーグの例で-03 プロダクトゾーンとバクテリゾーンについて

2020/08/06 18:24 に 加藤光夫 が投稿


プロダクトゾーンというのは、AIB(米国パン協会)のガイドラインで以前から使われている言葉で、製造を行っている場所だ。この解説では特に食材食品がむき出しになっている場所のことだ。むき出しになっているところで異物混入が起こる。
工程から言えば、原材料のパックを破ったところから、パックでシールがされるまでの間になり、ここで異物混入が起こる。
これ以外では(原材料由来の異物はもちろん別にして)異物混入の危険は無い、パックされて保護されているのだから。
バクテリアゾーンというのは、細菌汚染や増殖が起こる危険のあるポイントだ。
図-2は、この解説記事の対象になるソース入りハンバーグの製造動線になるが、CCP、プロダクトゾーン、バクテリアゾーンという、3つのポイントを入れてある。

1044号 微生物制御の実際:ソース入りハンバーグの例で-02 フロー図

2020/07/30 19:43 に 加藤光夫 が投稿


当初、HACCP構築のための製造工程フローは図。
このフローから出てきた総括表は次の図で、CCPは3箇所になっている。

ハンバーグの方の加熱殺菌と金属探知機、それにソースの方の調理だ。
この最初のHACCPでは、3つのCCPは常識的なもので、文書から見たら問題無いように見える。
しかし、大きな問題があり、ある意味でCCPよりも重要な安全確保対策が抜けているのだ。

1043号 ハンバーグにおける微生物制御-01 製造のHACCP概要

2020/07/24 18:28 に 加藤光夫 が投稿


ソース入りハンバーグの例で

小型の工場で、コンベアオーブンでハンバーグを焼き、寸胴鍋でソースを手作りし、深絞りパックにハンバーグとソースを入れてシールする例で、既存の製造工程を検討して、改善する例で見てみる。

製造のHACCP概要

上の図は、この工場の配置、動線、ゾーニング図だ。
図面の左下から原材料が入荷して、工場左隅にある冷蔵、冷凍、常温の副材料保管庫に入る。
原材料を出して、下処理室に入り、ハンバーグの整形まで行ったあと、加熱室に行き、ジェットオーブンで焼成される。
焼成後、鉄板のバットに並べられて、冷却室に入れられ、急速冷却されたあと、深絞り真空包装機の投入側に行き、トレイに入れた上にソースをかけてからパックする。
一方、ソースはガス台で調理され、これも冷却室で冷却されたものだ。
ソース入りハンバーグがパックシールされたら連続して置かれている金属探知機を通してから凍結される。
そして箱詰めされてから出荷になる。
下の図は、ゾーニングと、すべての製品の製造動線になる。従事者の動線も両矢印で入っている。
小型工場ながら、3段階のゾーニングに分けている。(ISOでも2段階のゾーニングで良いが、虫などの外からの虫の新入防止のために3段階にしているわけだ)

1042号 入場記録をペーパーレス、タッチレスにする-3 アプリが出来た

2020/07/16 23:50 に 加藤光夫 が投稿


教育も一緒に出来るといい

以上のような簡単な記録でもいいのだが、多くの工場の管理者は疑問に思っていることは、質問に対して全て○を付ければそれでいいだけなので、これで意味があるのか? ということだ。承認もただハンコを押すだけ。
そうではなく、この記録が実際に安全に寄与する仕組みに出来ないか、更にはこれが衛生教育まで出来ないか、そうすれば安全に貢献できる。
そこで、質問を多数用意し、その中からいくつかが毎日ランダムにセレクトされて出てくれば読むようになる。
さらに「今月の給料は要りませんね?」などという質問が突然入るようにしておけば、よく読んで記録するようになる。さらに「今週の重点活動」といった教育画像が記録前に出てくる、といった工夫もできるといい。
また、サニタリールームでの記録では遅い質問もある。ケガ、ツメ、体温といったものは、更衣室に入る前、出来れば工場の玄関の時点でわかれば対策が素早く出来る。実際体温を測っているところは玄関付近でやっているはずだ。
ここまで出来るといいのだが、メールフォームではとても出来ない、システム開発のプロが必要だが費用がかかる。
フーズデザインでは以上の背景があるので、1年ほど前からこれらに対応できるアプリをソフトハウスと開発してきて、やっと初期の製品が出来てきた。
これは、入場チェックだけでなく、清掃洗浄などの一般衛生管理の記録と、CCPとOPRPの記録も一緒に出来るものだ。

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