vol.902 異物混入対策の調査ステップ-5.原材料由来

2017/08/18 0:29 に 加藤光夫 が投稿   [ 2017/08/18 0:30 に更新しました ]

原材料に入っていた異物は、サプライヤーに対するクレーム書や要求書、メール、FAXなどの記録になっている。これも可能な限り過去まで遡る。
以前韓国の食品工場を視察した時、原材料に入っていた異物を、小さなビニール袋に入れて、サプライヤー別に大きな壁に貼り付けてあった。どのサプライヤーから、どのような異物が、どれだけ入ってきたのかが一覧でわかるようになっているのだ。
見せしめのようにも見える。サプライヤー名は記号になっているので特定のスタッフしかわからないのだが、サプライヤーが来たときに「あなたのところからはこういったものが入っていた歴史がある」と分析されれば気も引き締まることになる。

vol.901 異物混入対策の調査ステップ-4.製造工程毎のヒアリング

2017/08/03 21:27 に 加藤光夫 が投稿

これは前項と目的は同じようだが、ヒアリングという視点からになるのが違う。
製造作業室ごとにチーム内で調査をするのだ。
製造室ごとにパート・アルバイトも含めた従事者にヒアリングし、過去にその場で発見したもの、直したものなど、記録に残っていない事項を掘り返す。「不要物は無いか、割れるもの,欠けるものは無いか、清掃洗浄が完全か、ゴミ,埃の落下物は無いか、結露の落下は無いか、機器からの混入は無いか」といった、これから分析を統合的に行っている前に、現場の声、記憶、発見などを集めて、「異物対策シート」に入れる準備をするのだ。

vol.900 異物混入対策の調査ステップ-3.過去に異物混入のあった工程と内容

2017/07/27 23:08 に 加藤光夫 が投稿


過去のクレームや問題はお詫び文書や改善指令などの形で残っているので、それらを全て探し出す。メモでも、日誌でも、なんでもいい。記録になっていなくても、記憶でいい。可能な限り過去まで遡る。
探し出せるだけ探したら、その一つ一つについて、それはどの工程の、どの部分あるいは場所から入ったのかを見極める。
混入場所が特定できないのも多いだろうが、「多分ここ」「ここかもしれない」という推定でもいい。複数箇所あれば複数の工程に入れる。
既に対策を行ったところも内容をその工程に入れる。例えば、プラスチックだったのをステンレスに替えたのなら、その旨を書き込んでおく。これは、対策は既にしたのでもう入れなくてもいい、というのではなく、こういう対策を取ったことがある、ということを、他の工程に応用できることもあるので、リストに入れたほうが良いからだ。

異物混入対策の調査ステップ-2 プロダクトゾーン

2017/07/20 15:45 に 加藤光夫 が投稿


プロダクトゾーンはAIB(米国パン協会のガイドライン)で使っている言葉だが、食品がむき出しになっている場所のことだ。
製造組立ラインや装置、コンベア、置き場所など、食品がむき出しになっている場所は、異物混入の危険がある。その場所を特定する。
プロダクトゾーンは工場内のすべての場所ではなく、一部になる。
一般的な工場で、全製造エリアの20%程度のところが多いようだ。
工場内を見回り、この20%の危険ゾーンを特定することで、最初の対策の特効薬になる。
工場図面にプロットして、従事者に告知する。「ここはむき出しになっている場所ですから異物混入の危険が高いところです」と認識させる。この認識だけで注意するようになる。
それと、壁側がプロダクトゾーンになっていてはならない。壁は汚れるものなので、その壁の下にむき出しになった食材が置いてあれば、壁の汚れやモルタルの破片などの混入の危険がある。そうなっていたら、早速壁から離すことだ。

vol.898 異物混入対策の調査ステップ-1 異物対策シートの準備

2017/07/14 11:09 に 加藤光夫 が投稿


異物混入での事故や回収は絶えない。報道だけでもかなりの件数になる。
混入する異物は多種だが、すべてを一括して予防するための方法は、製造工程ごとに考えられる混入異物をリストし、その対策を練っていくことだ。これはそのままHACCPの方式になる。
どのようにステップを踏んだらいいのかを解説する。

1.異物対策シートの準備

まずは分析シートを準備する。
異物混入の候補がどの工程に何があるのかを分析するために、製造工程を行に、分析のリストを列に入れた表を作成する。
以降、分析のリスト順に解説をしていく。

CCPの頻度監視と連続監視-5.コンベアオーブンからスチコンへ

2017/07/06 17:13 に 加藤光夫 が投稿


コンベアオーブンでの調理をスチームコンベクションオーブン(スチコン)にすることで、それまでの頻度監視を全ロット監視にすることが出来る。
スチコンの投入した食材を調理し、内蔵している中心温度計で安全温度になっているのを確認して調理を終わり、念のため最下部にある製品の温度を測定して確認すれば、全製品の安全を確保できる。(最下部は最も温度が低い状態なので、ここでオーケーならば全製品はこの温度以上になっている)
コンベアオーブンをスチコンにすると、連続した製造はできなくなるが、スチコンだと歩留まりが良く、仕上がりがふっくらとジューシーになるというメリットがある。歩留まりがいいということは儲かることだ。

vol.896 CCPの頻度監視と連続監視-4.どのように連続監視に持っていくか

2017/06/29 19:10 に 加藤光夫 が投稿


そこで、連続監視に持っていけるかどうか、あるいは持っていくのにどうしたら良いか、まずは現在の状態を見てみる。ISO22000では「8.2 管理手段の組み合わせの妥当性確認」になる。
まずは今まで行ってきている状態をモニタリングしてみる。
投入食材は、大きさ、形、投入直前の中心温度。
調理の状態は、温度とスピード。
そして、今まで行ってきたCCP、30分毎の中心温度測定。
これを1ヶ月ほどモニタリングすると、どの程度安定しているのかが判る。
結果的に問題無く、安定して出来ていれば、連続監視のCCPに持って行くことが出来る。但し、調理最初と途中での温度測定はランダムでもやったほうが良い。
このモニタリングで、不安定になっていれば、どこが不安定なのかはっきりするので、そこを改善して連続監視にすることも出来る。
例えば投入時の食材の中心温度が不安定なら、解凍方法を改善する。
しかし、食材のピースの安定性は輸入食材で、改善が出来ない、あるいは出来るまでかなりの時間がかかるといったことになれば、従来のままの頻度監視で続けるしか無い。この場合でも、調理状態が詳細に明らかになるので、より安全な管理に改善する元とすることが出来る。
また、不安定な場合でも、最低のレベルに合わせて、それで安全性を確保できるなら連続監視にすることが出来る。
例えば、食材の最大の大きさと投入直前が最低温度の状態で、調理後の安全を確保できるスピードと調理温度にすればいい。しかしこの場合、オーバークックで品質レベルが下がってしまう問題が出てくることもある。
季節によって調理温度を変えるなど、調整が必要な製造も多いが、これだと連続監視に出来ない。

vol.896 CCPの頻度監視と連続監視-3.待ち受け時間での温度上昇も不安定

2017/06/22 18:45 に 加藤光夫 が投稿


ハンバーグの場合、パティフォーマー(成形機)から出て来たパティは、ある程度安定していても、次のコンベアオーブンに入れる工程で、待ち受け時間がある場合、すぐに投入するのならプラス4℃程度だが、ボトルネック状態(待ち受けが連なって渋滞してしまう)だと、加熱調理の作業場所の温度は高いので、7℃以上になってしまう、といった状態であれば、やはり調理後の状態は不安定になってしまう。
別の面では、製造アイテムが変わる場合、例えば110グラムのハンバーグから160グラムのハンバーグに替える場合、コンベアオーブンの設定を間違えたり、設定直後が不安定という場合も、問題が出る可能性がある。

vol.895 CCPの頻度監視と連続監視-2.食材の安定性とは

2017/06/16 18:58 に 加藤光夫 が投稿


例えば鶏の唐揚げを調理する場合、原材料が冷凍で、半解凍してからフライヤーに投入する場合、マイナス5℃±2℃程度なら安定してできるだろう。しかし、マイナス3〜10℃などという状態だと、調理後の中心温度がかなり変動する。この場合に安定させるには、油の温度を低めにしてコンベアのスピードを遅くすればある程度安定する。しかし調理時間がかかるのでコストは上がる。
もう一つは食材の形状と質量だ。
唐揚げ用のカットの重量が20グラムプラスマイナス3g程度に揃っているならいいが、15〜30グラムなどと不安定だと、やはり調理後の状態が不安定になる。
形状では、コロッと丸い状態と、薄いスライス状態では、たとえ重量が安定していても、調理後は不安定になる。丸ければ調理時間をかけなければならないし、薄いのを丸い状態と同じように調理したらオーバークック(過加熱)になってしまう。

vol.894 CCPの頻度監視と連続監視-1.連続監視は全製品の安全確保

2017/06/09 18:40 に 加藤光夫 が投稿


CCPのモニタリングで、牛乳はプレートを通して加熱殺菌するので、連続監視している。
スープやソースでも、加熱工程を通過させた後パッケージやボトリングするなら、これも連続監視になる。
これに対して、コンベアオーブンやコンベアフライヤーでの調理でよく行われているモニタリングは、例えば中心温度を30分毎に確認する方法だ。
しかし、最も良いのは、こういった調理でも連続的にモニタリングすることだ。連続監視あるいは管理できるなら、全製品の安全確保が出来るからだ。
例えば、コンベアフライヤーで連続監視を行うには、揚げ油の温度とコンベアのスピードをモニタリングすればいい。この温度とスピードの組み合わせをCCPにする。そしてランダムあるいは頻度を決めた加熱後中心温度の測定をPRPにしてもいい。
この場合、投入する食材の安定性が必要になる。

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