意外な調理

2013/05/23 18:21 に 松本リサ が投稿
意外な調理にびっくりし、それが商品開発やマーケティングの役立つことも多い。

シアトルの郊外、レドモンドは平和な町で、横断歩道を渡る気配を見せただけで、車はぴたっと止まってしまう。

チェックインしたホテルの前にはきれいで小さめのショッピングセンターがあり、軽く食べながら一杯やって、時差と疲れを取り去ろうと探索したら、いわゆるオイスターバーがあった。

つまみに「ゴマ」「マグロ」「中は生」と記述してあるのを頼んだ。

とにかくマグロの生、刺し身的なものが出てくるだろう。

出て来た皿には、1辺10センチぐらいの巨大な切り身が数枚乗っている。焼き魚が間違えて刺し身になったみたいだ。切り身の回りにはゴマがたっぷりとまぶさっていて、臭いをかいでみると煎ってある。

一口大を切り取って口に入れたら、睨んだ通り、赤身の刺し身マグロと煎り立てゴマの香りが実によくあって、ジーンと来てしまった。マグロの新しい味を発見!

これは、マグロのサク型ブロックの回りにゴマをつけられるだけ押しまぶし、薪(まき)の直火で瞬間加熱して、その後スライスをしたものだ。

なぜ薪だと分かったかというと、キッチンの横に大量の薪が積み重ねてあり、バーベキュー窯もあったからだ。あれで焼いたのだ。

付け合わせにレタスベースのサラダが入っていたが、これは東南アジア、それもタイかベトナムの風味がする。シャンツァイだ。シャンツァイは「虫を潰した味だ」などと嫌う人もいるが、私は大好き。これも初めての味だ。

「マグロのゴマまぶし超レアタタキ・東南アジア風味サラダ添え」だった。

 

同じようなマグロの調理に、サンフランシスコから南へ3時間ほどのんびり海外沿いをドライブしていくと、カーメルという「芸術家の町」で出会った。

小さなモーテルにチェックインして、フロントのお兄さんに紹介されたレストランに行った。その名もシンプル「ザ・グリル」

最初に出て来たアペタイト盛り合わせの中に、マグロの刺し身があったのだが、そのマグロの大きな切り身の縁に一味唐辛子がまぶされている。

これは、レドモンドで食べたマグロと同じように、サクにした状態で、ここは一味唐辛子をまぶし、スライスをしてあるのだ。

マグロに一味唐辛子?!

食べたら、これもとても美味しい。全く始めての美味しさだ。こんな食べ方が出来るのだ。

同じくこのレストランで出て来てびっくりしたのは、帆立てだ。

大きな貝柱が3個。餅のようにちょっと膨らんでいる。

ナイフでカットして食べたら、ふわっと軟らかく、実に豊かな美味しさだ。

この調理は、いったんフライパンで表面に焦げ目だけをつけた後、そのフライパンのままオーブンに入れて、半生状態に短時間ローストしたのかもしれない。

 

福岡の人には当たり前なのだが、他の土地から博多に行ってびっくりする食べ物がある。

博多に行くといつも行く大繁盛居酒屋「せいもんばらい」に、東京、関西、岡山の皆さんと、セミナーの打ち上げで集まった。

新鮮魚いろいろたくさん注文しているとき「博多明太子焼き」というのを見つけた。

明太子は当たり前だが、これに「焼き」が付いている。明太子を焼くなんてと、九州以外の人はびっくり。早速これも注文。

出て来た明太子焼きを食べたら、その美味しさに皆さん大喜び。

岡山から来た弁当工場の幹部は「これで商品開発しよう」と張りきっていた。

 

トウモロコシはバーベキューで焼くと焦げ目が付いて香ばしくて美味しい。でも、ボイルした軟らかさも捨てがたい。

ボイルすると汁がある程度抜け出してしまうので、スチーム調理にしたほうが良いのだが、調理機器が大変なのでなかなか出来ない。

米国の生産農場を回っていたとき、トウモロコシの実に単純な美味しい料理方法に出会った。

トウモロコシの外皮をむかないで、そのままバーベキューにしてしまうのだ。

こうすると、皮でカバーされているので、蒸し焼きになり、スチーム調理に近い出来になる。

焼き上がってから外側の皮をむくと、白く厚い香ばしい湯気が出て来る。それに塩を振って食べるのだ。

これにびっくりしていたら、その次の機会で、皮付きのままのトウモロコシを、ドラム缶に湯を沸かし、それに放り込んでボイルしていた。

ドラム缶風呂のトウモロコシ版だ。

この方法でも、皮がトウモロコシをカバーしているので、ふっくらとゆで上がり、ジューシーだ。

 

時々行く代官山の「西安刀削麺」では、刀削麺だけでなく、西安の料理が素晴らしい。

真っ白な千切り状のしゃきしゃきしたサラダが出て来て、とても美味しいのだが、これが何だかわからない人も多い。これはじゃがいもだ。じゃがいもを千切りにして一瞬だけ加熱したんだろう。

鶏のユーリンジーも人気だ。骨付きの丸ごとあるいは半丸の鶏を揚げたものだが、からっと揚がっているのにジューシーだ。

これは油に入れて揚げるのではなく、丸鶏の上から何度も何度も油をかけて調理するものだ。

こうすると油が肉にしみ込まないでカラッと揚がる。

手間がかかるがこの美味しさで顧客を呼んでいる。

 

思い出すままにいろいろあげたが、商品開発のアイデアになれば。
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