T=3T

2013/05/24 2:05 に 松本リサ が投稿   [ 2013/05/24 2:06 に更新しました ]
temperature(温度)
term(期間)
timing(タイミング)

鶏肉だと、保管[温度]が高いと、安全性に問題が出る。メーカーでの保管庫が3℃以上だったら、鮮度劣化が早くなってしまうので、ユーザーのところに着いた後の、美味しく食べられる[期間]が少なくなってしまう。小売店が販売する[期間]が少なくなり、鮮度が落ちはじめてしまった鶏肉を販売すれば、美味しくないので、その店に行かなくなってしまう。おいしい[タイミング]を逃してしまうことになるわけである。

保管[温度]がマイナス1℃前後なら、肉が凍結をはじめる[温度]はマイナス1.7℃程度なので、最も鮮度を保たせることが出来るので、販売[期間]が長くなる、あるいは美味しく食べられる[期間]が長くなる。

と鳥してから直ぐの鳥肉を食べると美味しくない、なぜならば熟成していないからである。鶏肉を美味しく食べることが出来る[タイミング]は、と鳥後、12〜24時間が良い(内蔵は別で、これは早いほうが良い)。また、と鳥してからの[温度]管理を理想的に行い、バクテリアコントロールをしっかりとしてクリーンな環境で加工すれば、と鳥後24時間以降でも、美味しく食べられる[期間]は長くなる。

ということで、[温度、期間、タイミング]というのは、良い食材を、良い状態で扱うために重要なものである。良い[温度]で管理し、美味しく食べられる[期間]をコントロールし、出来るだけ一番良い[タイミング]で最も美味しく食べてもらうために、どうするかを追及すると、売れるようになる。

これは自社内だけではダメで、原材料サプライヤーと販売先も深くかかわってくる。原材料が悪かったり、美味しくなければ、いくら自社内でまともにやってもどうにもならない。鶏肉のメーカーだったら、良い鶏を生産者から入れなければならない、生産者だったら、素鶏や飼料、水、環境が大切になる。メーカーが良いものを仕入れて加工して、これは最高だというものを作っても、販売先での管理や取り扱いが悪ければ何にもならない。

ある高品質の鶏肉を作るメーカーがあり、そのメーカーから200キロばかり離れたスーパーマーケットでその鶏肉を見たら状態が良くない、要するに鮮度劣化していたので、どうなっているのかを聞いたら、いつもこの状態だという。いつもの当たり前の状態が実は鮮度劣化しているのだということが分からなかった、知らなかったのである。この状態をまた真面目に製造しているメーカーも知らなかった。そこで何でこんなになっているかを調べてみた。

問題は直ぐに分かった、日付が生産日から4日も経っていたのである、たった200キロの距離を何で4日もかかったか調べたら、取引口座の関係かどうか知らないが、卸業者を2社も通っており、そこの倉庫での積み替えや在庫などの問題で時間がかかっていたわけだ。積み替え時には[温度]管理もおかしくなるし、2社も通っていたら在庫[期間]もメーカー分とスーパーマーケット分も合わせれば4倍になってしまうわけである。解決方法は、商売のしがらみはいくらスパゲティのように複雑でもかまわないから、製品だけをメーカーからまっすぐに、その日中に運ぶことである。後から出て来る伝票は、何十個所を回ろうが、何ヶ月経ってこようが関係ない。

北海道のあるチェーン店を回ったとき、鶏肉の原材料の日付を見たらここも4〜5日前のものになっているので、どうしてこんな古いのを置いてあるのかを聞いたら、今日着いたものであるという。そこで、鶏肉の鮮度と美味しく食べられる[期間]を教えたら、はじめて聞いたことだということであった。今までは数日後の鶏肉が入るのが当たり前だとここも思っていたのである。そこで腹が立った、というのは、その鶏肉はメーカーから直接購入しており、それならばメーカーは鶏肉の鮮度のことを知っているはずである、それなのにそれを言わないで知らんぷりしていたのではないか、ということになる。この指摘をした後、しばらくしたら納入メーカーそのものが変更されていて、と鳥日の次の日のものが入荷されていた。

メーカーは納入先に対して、しっかりと[温度]管理された製品を納入する義務があるが、それだけではなく、納入された製品をどう扱ったら最も良い状態で販売できるのか、保管の[温度]と[期間]、販売までの限界[期間]、調理料理するまでの限界[期間]、最も美味しく顧客に提供できる[タイミング]などを、納入先に教える、情報を提供しなければならない。これによって、顧客は良い状態で販売なり調理をすることが出来ることになる。ということで、その鶏肉が売れるようになる、ということになる。これで納入側も小売りやフードサービスなどのユーザー側も、食べるコンシューマー側も、みんな幸せ、「Win・Win」になるのである。


鶏卵肉情報センター「鶏卵肉情報」2001/12月号より
Comments